香港年度代表馬ミリタリーアタック復活[和田栄司コラム]

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ドバイワールドカップに向けて、フェブラリーSではホッコータルマエとベルシャザールが、スローペースで流れる中、2着/3着と順調な仕上がりを見せた。同日、香港シャティン競馬場では香港三冠シリーズの第2戦、香港G1香港ゴールドカップ(芝2000m)が行なわれ、年度代表馬ミリタリーアタックがニューパートナーのジョアン・モレイラ騎手とのコンビで連覇に成功した。

このレースは、ミリタリーアタックを大将格(単勝2.15倍で2番人気)とするジョン・ムーア厩舎が出走馬7頭の内5頭を出走させて来た。先行したのは昨年のG1チャンピオンズマイル勝馬ダンエクセル、内の3番手にミリタリーアタック、5/6番手でアシュキアとセイムワールドが並んで、最後方にG1香港ヴァーズを鮮やかに追い込んだドミナントがポジション取りをする。

G1香港カップと香港G3香港ヴァーズを連勝して1番人気に推されたアキードモフィードは、ミリタリーアタックの外で4番手、ミルコ・デムーロ騎手で香港G1スチュワーズカップを勝ったブレイジングスピードは、単独2番手で回った。ダンエクセルの半マイル通過は51秒97、1000mの通過は1分03秒台という超スローペースである。

直線粘るダンエクセルを残り150mで捕えたミリタリーアタックが、粘ったダンエクセルに3馬身差を付け、2分01秒21のタイムでバックトゥバック。大外を追い込んだドミナントがダンエクセルから短頭差の3着、ジョン・ムーア厩舎の1.2.3となった。ダグラス・ホワイト騎乗のアキードモフィードは、直線見どころなく5着に敗れた。前々で競馬をした分、追い込みの破壊力が封印された感じである。

ミリタリーアタックの上り800mは45秒49、400mは22秒43と出走馬中最速。アイルランド生まれのオラトリオ産駒のミリタリーアタックの通算成績は、27戦11勝、2着3回、3着2回となった。昨年はこのレースからQE2Cとシンガポール航空国際CのG1を含む4連勝で年度代表馬になった。暖かくなるこの時期から調子を上げて行くタイプのようでこれからが楽しみである。

ジョン・ムーア調教師の考えでは、次のレースがドバイで行なわれるドバイデューティーフリー(芝1800m)、またはドバイワールドカップ(タペタ2000m)になるようである。調教師は、個人的には距離を重視してDWCに気持ちが傾いているが、最終的な判断はオーナーの羅傑承氏とのミーティングで決まるようである。3着に追い込んだドミナントもドバイシーマクラシックを目指すようだ。追い込み一辺倒でメイダン競馬場に向かない面もあるが、香港では適距離のレースが少ないだけに外に出て行くのは大賛成である。

DWCが行なわれるメイダン競馬場では目下カーニバルの真最中、20日には牝馬によるG2バランチーン(芝1800m)が6頭立てで行なわれ、初戦のG2ケープヴェルディを勝ったG1フィリーズマイル勝馬サーティファイに注目が集まった。賞金別定戦でサーティファイは他馬より1.5キロ重い58.5キロを背負わされたが、最後はこの斤量差が響いて4着に終わった。

半マイル51秒78の超スローペース、直線に向いて先頭に立ったのは2番手のラモーアデマヴィ、ラモーアデマヴィを追って、内ラチ沿いから最後方にいたG1・2勝馬のフロティラ、中からパールオブアフリカ、外からサーティファイが追い比べを演じたが、斤量の重い分サーティファイは伸びを欠いた。ゲート入りに時間がかかり、目隠しをされて誘導され、スタートでも立ち遅れた。

サーティファイには、そうしたスタートのミス、超スローペース、そして過酷な斤量が重なって負けたと見るべきだろう。ラモーアデマヴィを優勝に導いたマキシム・ギュイヨン騎手はこの勝利がドバイでの初勝利、ラモーアデマヴィにとってもこれが初めての重賞制覇だった。ドバイデューティーフリーは、3月29日のドバイワールドカップデーに行われる。


海外競馬評論家 和田栄司
ラジオ日本のチーフディレクターとして競馬番組の制作に携わり、多岐にわたる人脈を形成。かつ音楽ライターとしても数々の名盤のライナーを手掛け、海外競馬の密な情報を把握している日本における第一人者、言わば生き字引である。外国馬の動向・海外競馬レポートはかねてからマスメディアで好評を博しており、それらをよりアップグレードして競馬ラボで独占公開中。