【5回阪神】マロンベル…小平奈由木の注目新馬レポート

マロンベル
(牝2、栗東・須貝尚厩舎)
父:ハーツクライ
母:ミスベルベール
母父:Bering


有馬記念やドバイシーマクラシックを制したハーツクライが父。初年度産駒よりウインバリアシオン(日経賞、青葉賞)など、6頭のタイトルホルダーが登場したのを皮切りに、2世代目のジャスタウェイ(天皇賞・秋、ドバイデューティーフリー、安田記念)が驚異的な成長力でG1を立て続けに奪取している。現3歳ではワンアンドオンリー(ダービー)、ヌーヴォレコルト(オークス)がクラシックの栄光を勝ち取った。この世代からも目が離せない。

母はフランス生まれのミスベルベール(その父ベーリング)。芝1600mのG2・アスタルテ賞を制した。同馬の兄姉にベルジュール(3勝)、ダノンベルベール(2勝、阪神JF2着、クイーンC2着)、サトノアポロ(中日新聞杯など現5勝)らがいる。グリーンファーム愛馬会の所属。募集総額は1800万円だった。

社台ファームの直線ダートコースで順調にペースアップ。5月24日には山元トレセンへ移動し、定期的にスピードメニューを消化する。7月12日、栗東に入厩したが、環境の変化に戸惑い、気難しさが目立った。いったんグリーンウッド・トレーニングへ放牧に出て成長を待ち、10月28日に帰厩。31日のゲート試験をあっさりクリアし、坂路でコンスタントに時計をマークしている。丁寧に段階を踏んだだけあって、仕上りは良好である。

12月7日(日)、阪神の牝馬限定・芝1400mに初登場。福永騎手祐一騎手に依頼している。


小平 奈由木(こだいら なゆき)

早稲田大学日本語研究教育センターに勤務した後、競馬関係に進む。競馬専門紙「1馬」の記者、法人馬主「サラブレッドクラブラフィアン」のレーシングマネージャーなどを経て、現在はフリーランス。業界のキャリアは 20年近くになり、生産・育成現場からトレセンまで精通。

月刊誌「競馬最強の法則」の人気コーナー「トレセン最前線」をはじめ、幅広い知識を生かしたエッセーが評判 になっている。