【皐月賞】酒井学スピリッツミノル「ハナを取りに行きますよ」

15日、皐月賞(G1)の最終追い切りが栗東トレセンにて行われた。

前走、弥生賞3着のタガノエスプレッソ(牡3、栗東・五十嵐厩舎)は菱田裕二騎手が騎乗してCWコースで併せ馬を敢行。2週連続でパートナーを務めた古馬1000万クラスのマイネルハルカゼを3馬身追いかけて馬なりで同入フィニッシュ。6F84.6-68.5-54.0-39.5-12.1秒をマークした。

追い切りを見届けた五十嵐忠男調教師は「先週までにしっかり攻めて馬体は仕上がってるからね。そ、けさはお釣りを残した調整でサッとやっただけ。うん、この馬場状態を考えたらこれで十分ですよ」と納得の表情。暮れの朝日杯FSから手綱をとる菱田騎手も中間から熱心に稽古を付け、息もピッタリだ。
「最近は体重に変動が少ないし、テンションもそれほど上がっていませんよ。前走で中山コースを経験できたのは大きい。ジョッキーも手の内に入れてくれてるし、今度もロスなくうまく立ち回ってきたい」と大一番での更なる前進に期待を寄せている。


前走、すみれS1着のスピリッツミノル(牡3、栗東・本田厩舎)は酒井学騎手を背にCWコースで終い一杯に追われ、6F83.7-66.4-51.5-38.0-12.1秒をマーク。先週、先々週とパートナーに大きく先着したのに続いて、今週もキッチリと先着。3連勝の勢いをキープしている。

「先週は後ろからつつかれる形でしたが、今週は併せた相手の行きっぷりがよくて少し追いかける形で。少しフワっとしていたけど、最後で合図を送ったらしっかりと反応をしてくれました。こんな形の追い切りができたのもよかったと思います。いつもいい意味でアッと言わせてくれるし、どこまでやれるのか楽しみがある。ええ、ここも自分の競馬をやるだけ。多頭数の中でもハナを取りに行きますよ」と鞍上は逃げ宣言。ペースメーカーを買って出る構えだ。

スピリッツミノル

▲3連勝中のスピリッツミノルは鞍上が逃げ宣言


前走、弥生賞6着のクラリティスカイ(牡3、栗東・友道厩舎)は、川須栄彦騎手(レースでは横山典弘騎手が騎乗予定)を背にポリトラックへ。古馬1000万クラスのアドマイヤネアルコを0秒8追走し、ゴールでは1馬身ほど先着。楽な手応えからスーッと脚を伸ばし、6F78.2-62.8-49.0-35.7-11.5秒の時計、動きとも申し分ない最終追い切りを終えた。

「1週前にしっかりやってあるので、今週は輸送と馬場状態を考慮してポリトラックでやりました。併せ馬でも終始、楽な手応えで走っていたし、いい動きでしたよ。使って良くなるタイプらしく上積みは見込めそうです。相手は強いけど、どこまでやれますか」と安田調教助手。人気がかなり落ちてきたが、重賞のいちょうSを勝って、朝日杯FSでも0秒2差の3着。低評価を覆す能力は十分秘めている。

クラリティスカイ

▲ポリトラックで軽快な走りを見せたクラリティスカイ


前走、毎日杯2着のダノンリバティ(牡3、栗東・音無厩舎)は、岩田康誠騎手を背にたっぷりと水分を含んだ坂路を4F54.6-39.4-25.5-12.6秒で登坂。雄大な馬格から繰り出される力強いフットワークが目を引いた。

音無秀孝調教師は「調子はいいね。けさの動きも良かったし、いい雰囲気でこれてるよ。京成杯の時のように行かせれば行けるだけの脚はあるけど、この馬は騙し騙しで後ろから走らせた方がいい。実力はあるのに人気はない。気楽な気持ちで競馬に臨むよ」と無欲での一発を狙う。