クラリティスカイ狙いすましたV「真っ向勝負ができると感じた」

●5月10日(日) 2回東京6日目11R 第20回 NHKマイルC(G1)(芝1600m)

前走の皐月賞でもハナを切る奇襲をみせ、ハイペースの中で5着に踏みとどまったクラリティスカイ(牡3、栗東・友道厩舎)。レース直後はダービー直行のプランを示唆していたが、「こっちに使って正解だった」と友道康夫調教師がレース後にこぼしたように、実を獲りにいった一戦をモノにした。

「ずいぶん引っ掛かった。よく我慢してくれた」と横山典弘騎手がレース後に本音を覗かせたが、道中は鞍上の拳が上がるほど折り合いはスムーズではなかった。それでも、何とかコンタクトに努めて好位に待機。直線を向くと、労せずスペースが開き、そこから早めのスパート。「レコード勝ちの舞台。デキさえ良ければ、という思いでした」と鞍上の期待どおりにジワジワと脚を伸ばすと、ラスト100m付近でアルビアーノをねじ伏せる。昨秋のいちょうSと同タイム(1.33.5)でゴール板を真っ先に駆け抜けてみせた。

「弥生賞、皐月賞と僕が思うほど、デキにはピンと来ていませんでしたが、スタッフの皆さんがしっかり仕上げてくれましたね。きょうは返し馬の時点で真っ向勝負ができると感じましたよ」

そう主戦は自信の丈を語ったが、検量室前、コース上と2度も馬上からフライングディスマウントをみせるご機嫌ぶり。2週連続G1制覇の充実感を漂わせた。

この勝利でで奇しくもレース史上初の親子制覇、産駒のJRA通算1000勝目と、記録づくめの一勝となったクロフネ産駒。クロフネといえば松田国英厩舎で管理され、当時、調教助手として従事していた友道師は偉大な父の姿を述懐する。

「調教助手の時代、クロフネに跨った過去があるのですが、力強さは父譲り。ダートも走りそうな雰囲気があるのに、高速馬場に対応できるのがすごいところです。弥生賞、皐月賞と使っても、まだ緩いところも残っていました。間隔を詰めたほうがいいタイプ。前走も状態は良かったとはいえ、また馬が良化していましたよ」

ゆかりのある血統馬で、経験を活かして掴んだタイトルに、感慨深げな師だったが、今後はひと息入れ、ダービーは回避。安田記念参戦の可能性もほのめかした。終わってみれば2度のマイル重賞制覇で、距離適性の高さをみせたクラリティスカイ。類まれなるスピードを武器に、今後も高みを目指していくはずだ。

NHKマイルC

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