出は悪いが終いがシッカリ、タガノヴィアーレが差し切る!

タガノヴィアーレ

15年6月14日(日)3回阪神4日目5R 2歳新馬(芝1200m)

タガノヴィアーレ
(牝2、栗東・鈴木厩舎)
父:ダイワメジャー
母:ビーグレイシャス
母父:Mr. Greeley

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今日まで1番人気の馬が勝っていない。そして4鞍あったレースで全てに騎乗した和田Jが、2日目から3連勝。「今年の新馬は和田Jに訊けばいい」そんなフレーズができそうだ。
スタートは1頭だけダッシュがつかないタガノヴィアーレ。しかし遅いペースで楽に追走できた。ブービーながら持ったままで4角まで来た。前を行くルミナスエレメントの動きに併せる様に外から伸びて、ラスト50mで一気に末脚を爆発。メンバー最速の上がりで、新馬戦の勝ち名乗りをあげた。

パドックの映像を観ていても、ブリーズスズカにタガノヴィアーレとルミナスエレメントの、3頭の争いとみえた。ルミナスエレメントは、やや頭を高くしたりして胴長の印象。タガノヴィアーレは、牝馬ながら518キロのグラマーな体。だが太いとかの印象はなかった。
逃げたウインランブル、2番手ヒロブレイブで前を行くが、前半の3Fが36.0と、おしなべて新馬戦は遅い。速くなったのは後半のみ。ルミナスエレメントがやや4角の廻り方が下手、手前を替えていないし、幼さが出ていた。しかし直線ラスト200mで、何とか逃げたウインランブルを捕えそうな勢いになってきたが、今度は内へ少しもたれ気味。そこへ後ろを追走してきたタガノヴィアーレが、ドサッ、ドサッとした感じで抜き去っていった。3着は道中、最後方を進んでいたブリーズスズカが、なかなかいい脚を使って追い上げてきた。

結局、まだ1番人気馬は一度も先頭に立っていない今年の2歳新馬戦。パドックやレースを観ていても、これはと思える馬には出会っていない。例年より、いや昨年からか新馬戦のスタートが早まっているが、それこそ幼稚園の運動会みたいな感じで、まだまだヨチヨチの感じである。東京の新馬戦は凄い馬数で、直線はそれらしき戦いをしているのを見るにつけ、関西のそれの幼さにガッカリする。そんな想いである。まだまだ今後に繋がる馬を見ていないと思っていた。

火曜朝に、馬上の和田Jに声をかけた。《4頭乗って3勝。どれがいいんだ~?》と。すると意外な返事で驚く。『土曜に勝ったクリノシャンボールが走りますよ。それもかなりの馬です』に、思わず《どこがいいんだ~》と重ねる。『乗り味がいいんです。クラシック級ですよ』の返事である。
土曜の競馬は目の当たりにしていたのだが、そんな風には私には映らなかった。改めて見直さねばならないと思った瞬間であった…。


平林雅芳 (ひらばやし まさよし)
競馬専門紙『ホースニュース馬』にて競馬記者として30年余り活躍。フリーに転身してから、さらにその情報網を拡大し、関西ジョッキーとの間には、他と一線を画す強力なネットワークを築いている。