マッチレースとなった戦い、最後に前へ出たエポックが勝つ

エポック

15年6月20日(土)3回阪神5日目5R 2歳新馬(ダ1200m)

エポック
(牡2、栗東・角田厩舎)
父:ヴァーミリアン
母:セクシーザムライ
母父:Deputy Minister

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先週まで関西の新馬戦で、1番人気馬が勝っていないと書いた。そしてまた5鞍めの今日も、1番人気のゼンノサーベイヤーは勝ちあがれなかった。
スタートから先手を取っていったゼンノサーベイヤーだが終始、エポックがついてくる。直線に入っても3番手を大きく離して2頭の叩き合いとなった。内でステッキを入れて最後の締めのゼンノサーベイヤー。一方のエポックは。ノーステッキで手綱だけで追っていくルメールJ。外のエポックが、半馬身の差をつけて勝利した。


スタート自体はそう速いものではなかったが、二の脚でゼンノサーベイヤー、エポックと前へ出て行く。そこへキーロフが加わったのが2ハロン手前。半馬身ずつの間隔で、3角のカーブに入っていく。前の2頭に比べると、キーロフはやや気合いをつけて行く恰好。前半の3Fが36.5で通過。そんなに遅くはない。外からクロースフレンドが上がってきて前へと接近して、前の列は4頭が並び加減で4角へ入っていく。前の2頭がカーブを小さく廻るのに後ろのキーロフはやや外へもたれ気味で、差が出始める。
直線に入ってきたが、外のエポックの方が手応えがいい。内ラチ沿いで進める2頭のマッチレースとなってきた。先に追い出すサトノサーベイヤー、左ステッキで闘志を燃やす。外のエポックは、ステッきを抜く格好も見せない。そのまま押していく。ラスト200のハロン棒を過ぎて、ドンドンと後続との差を広げていく。

前の2頭の決着は、ゴール少し手前まで続く。ラスト5mぐらいの処で、 グイっと出たのがエポック。それでも半馬身差にゼンノサーベイヤーは粘るが、相手のしつこさに負けた感じであった。3着もそのままキーロフが粘ったが、前からは7馬身の差ができていた。
結局、行った行ったの先行馬ペースの競馬となった。上がりの3Fが11.9~11.6で最後の1Fが12.5と、後続を寄せつけない2頭のハイレベルな戦いであった。
勝馬も2着馬も498キロと大型馬。稽古ではゼンノサーベイヤーが2週連続でCWで11秒台の切れ味をみせた。エポックは1週前に13.4とやや地味なタイムも、長めをしっかりと追っていた。パドックでは脚長に見えたし、まだ緩そうな体とメモしたぐらい。でも実戦味がいい様だ。
この2頭に後の馬は霞んでしまっていた様である。2歳戦でこの時計は速いだろう。


平林雅芳 (ひらばやし まさよし)
競馬専門紙『ホースニュース馬』にて競馬記者として30年余り活躍。フリーに転身してから、さらにその情報網を拡大し、関西ジョッキーとの間には、他と一線を画す強力なネットワークを築いている。