破竹の勢いラブリーデイ 早くも視線はJCへ「強さを示したい」

●11月1日(日) 4回東京9日目11R 第152回天皇賞(秋)(G1)(芝2000m)

今年だけで重賞5勝の勢いはダテではなかった。ラブリーデイが盤石の競馬で重賞4連勝、G1・2連勝を飾った。

川田将雅騎手の騎乗停止により、浜中俊騎手との久々のコンビになったラブリーデイだったが、スタートですかさず4番手へ導かれると、あまりの行きっぷりに折り合いを苦労する素振りも。しかし、終わってみれば、苦慮したところはそこだけだったかもしれない。

徐々に前を行く2頭との差を縮めていくと、直線ではエイシンヒカリに並び掛け、追い出しを待ったほど。残り2Fからゴーサインが出され、先頭に踊り出ると、鞍上のステッキも一発、二発と入り、満を持しての抜け出し。ゴール前では後続に詰め寄られたが、しぶとく粘り込んだ。

「乗るのは皐月賞以来でしたが、馬が大きくなっていて成長を感じましたし、スタートで少しエイシンヒカリに寄られましたが、スムーズにいい位置につけられました。向正面の折り合いには苦労しましたが、手応えと反応があまりに良かったので、直線では追い出しを待ちましたよ」とジョッキーは振り返る。

そして、これまでライバルとして見ていた存在の背中に確かな変化も感じ取ったのだろう。「これだけの馬に乗せて頂いたので、責任を果たせて良かったです」という言葉に、“新生ラブリーデイ”への偽らざる高評価が集約されていた。

一方、管理する池江泰寿調教師も「ジョッキーも度胸がある競馬をしてくれました。夏を越し、また強くなっていましたね。肉体的には筋肉量が増え、父(キングカメハメハ)らしいトモのかたちに。肩にも筋肉が備わってきたと、きょうのパドックでも感じました。まだ先を見据えた仕上げでも、勝つのにふさわしい状態でしたよ」とその成長ぶりに舌を巻く。また、余裕残しの仕上げを示唆したあたりに、改めてそのポテンシャルの高さを匂わせた。

これで春秋とG1を制し、追う立場から追われる立場となる。次走に予定するジャパンC(11月29日)には、並み居る海外の強豪も参戦のウワサ。さらにゴールドシップ、同厩のミッキークイーンらを混じえての争いとなる見込みだ。

「ヨーロッパで今年の日本馬は弱いとささやかれていますので、ぜひ強さを示したいですよ」

こう池江師は受けて立つ構えをみせたが、向かうところ敵なしといった今の勢いならば、快進撃はとどまるムードもない。どこまで勲章を重ねていくのか、ラブリーデイの未来は晴れやかな視界が広がっているはずだ。

【池江泰寿調教師のコメント】
「ラブリーな気分です。夏を越し、また強くなっていて、ジョッキーも度胸がある競馬をしてくれました。まだ先を見据えた仕上げでも、勝つのにふさわしい状態でしたよ。
逃げると見ていたエイシンヒカリが行かず、ちょっとどきっとしましたが、気負うところをうまくなだめられ、いいリズムで走れました。先頭に立ったところで『勝った、勝った』と叫んでしまいましたが、隣にいた川田騎手(騎乗停止中)の反応はなし。でも、ゴールしてから、がっちり握手を交わしました。

浜中騎手への依頼は、ここの予定がなく、東京で乗れる候補をピックアップしたなか、金子オーナーが指名したもの。オーナーの8大競走制覇という偉大な記録に貢献でき、うれしいですね。私にとっては二度目の天皇賞・春。あとは春も勝ちたいです。

今年に入り、馬が成長し、充実期に入りました。肉体的には筋肉量が増え、父らしいトモのかたちに。肩にも筋肉が備わってきたと、きょうのパドックでも感じました。クレイジーなローテーションだと言われますが、ほんと丈夫です。
次走はジャパンカップに向かいます。ジョッキーは未定(浜中騎手はミッキークイーンで参戦予定)です。ヨーロッパで今年の日本馬は弱いとささやかれていますので、ぜひ強さを示したいですよ」

ラブリーデイ

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