荒れる重賞を快勝エイシンブルズアイ「大きいところでも楽しみ」

●3月5日(土) 2回中山3日目11R 第11回オーシャンS(G3)(芝1200m)

今回で11回目と、まだ歴史の浅い重賞でありながら、2度の200万馬券を含む100万馬券以上が3度。数ある重賞の中でも『荒れるレース』として定着しつつあるオーシャンS。過去を振り返ると、3連単配当14万6540円も平穏に見えてしまうのだが、今年の勝ち馬は5番人気のエイシンブルズアイ(牡5、栗東・野中厩舎)。1番人気のアルビアーノ、2番人気のネロが複勝圏を外し、荒れる歴史が繰り返された。

好スタートを決めてハナを奪ったハクサンムーンが作ったペースは前半3F32.7秒のハイペース。2戦連続マイル戦を使ったあととあって、行き脚が付くまでに少し時間を要したが、勢いが付くと3コーナーからスムーズにポジションを上げて直線へ。逃げたハクサンムーンを目掛けて末脚を伸ばすと、5馬身以上あった差がみるみる縮まり、最後は1馬身半突き放してゴール。27日に行われる高松宮記念の優先出走権を掴み取った。

直線だけを見ると貫禄すら漂う強い勝ちっぷり。今回、テン乗りとなった石橋脩騎手は「コントロールがきく馬ですし、上手く運べればチャンスはあると思っていました。先生からは先行してほしいと言われていて、スタートは出ませんでしたが、今日の馬場ならゆっくり運んで外を回してもやれると思っていたので、道中も焦らずに乗りました」とレース前に思い描いた展開とは異なったようだが、先の言葉通りの落ち着いた位置取りで4コーナーでは前を射程圏に捕らえ、「最後はすごく切れましたね。前走でユタカさんがマイルでなだめて競馬をしてくれた影響も大きいと思います。グッと伸びました。良い決め手がありますし、大きいところでも楽しみです」と振り返る完勝だった。

元々、3歳の早い時期に2勝を挙げ、毎日杯では勝ったマイネルフロストにハナ差の2着に入り、続くNHKマイルCでは5番人気に支持(13着)された期待馬。しかし、なかなか成績が安定せず、1番人気に支持されたシルクロードSで9着、3番人気に支持された京阪杯で5着と陣営も頭を抱える雌伏の時を経て、ようやく重賞タイトルを手に入れた。この勢いは次の高松宮記念でも無視できないものとなりそうだ。

オーシャンS

オーシャンS

オーシャンS

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