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まさしく神ががり、福永だ!ガリバルディだ!!
2016/7/26(火)
16年7月24日(日)3回中京8日目11R 第64回中京記念(G3)(芝1600m)
ガリバルディ
(牡5、栗東・藤原厩舎)
父:ディープインパクト
母:シェンク
母父:Zafonic
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土曜に5勝、そして日曜もここまで3勝と、乗るたびに勝つのではないかとゾーンに入っている福永J。中京の乗り方を会得したのか、馬を動かせる術を完全に手に入れたのか、とにかく勝ちまくる。横一列になる直線半ば、ポカッと進路も開いたのもあろう。だがそこから、伸びる伸びる。馬場の6分どころをただ1頭、ガリバルディだけが他馬とは違う脚色で、歓喜のゴールを駆け抜けていった…。
芝コースの色が、内と外では完全に違っている。毎レースのPVで見ていると、内の3頭分ぐらいとその外との違いが、ハッキリと映像の中でも見えるほど。スタートから終始、内を開けて走るレースばかりが続いた。
スタートでは赤い帽子の2頭が、やや出遅れ気味。タガノエトワールとファルコンSの覇者、トウショウドラフタの2頭が馬群の後ろとなる。ケントオーが位置を下げる。ピークトラムがいい出で先頭、内をチラっと見る小牧J。行く気はなかった様子だ。内からスマートオリオン、さらに最内枠のカオスモスがダッシュを利かして、先手を主張していく。今日は外枠のタガノエスプレッソは行く気がなく、中団よりも後ろで10頭目の位置。内にダノンリバティに、ダッシングブレイズがいる。トウショウドラフタが最後方の最内で、16頭がそんなに差がなく流れていく。
1000mを59秒と、軽快な逃げで飛ばすカオスモス。2番手スマートオリオンとの差を2馬身ぐらい開けての逃げ。4角が近づいてきたあたりでは、さすがにスマートオリオンも差を詰めていた。本当は、逃げ馬は内ラチ沿いをピッタリと廻ってきたいところだが、この馬場ではそれはできない。松若Jも、チラっと外の馬の動きを見ながら、外へと出して来た。
3番手につけたピークトラムがいい手応えに見える。最後方のトウショウドラフタは、そのまま内を選択してしまっている。ここらが田辺J、中京の馬場を判っていないと思える点であった。その外のケントオーの和田Jは、迷いなく馬の首を外へと向けている、その前をガリバルディ。中京の芝をよく知っている福永J騎乗である。
ラスト300mの地点、まだカオスモスが内で粘っている。スマートオリオンの外でピークトラムは、まだ追っていない。後ろでタガノエスプレッソは左ステッキを入れた瞬間に外へと流れる。そのアオリでダノンリバティが立て直す。
タガノエスプレッソの内がパカっと開いた。そこへ入ったガリバルディ。進路が確保出来た瞬間だった。その真後ろがケントオー。
前はラスト200m。スマートオリオンが先頭に立った。アルマディヴァンの勢いも良かったが内へもたれてしまう。内のワキノブレイブとマイネルアウラートのスペースが狭くなって、マイネルアウラートが危なくなり手綱を引く。
カオスモスの内から、赤い帽子が顔を覗かす。タガノエトワールである。その後ろでトウショウドラフタも悪くない。だが中京はここからが勝負なんである。馬場の外目をピークトラムがいい勢いで先頭へと立っていく。ダンスアミーガも伸びてくる。
しかしもの凄い脚で来る馬がいる。ガリバルディだ、福永だ!ステッキを使わずに、馬の勢いに任せての伸び。みるみるピークトラムとの差を詰めていき、最後には半馬身ぐらいの差で最先着していた。ダンスアミーガが3着かと思えるゴール前、ケントオーが差していた。ダノンリバティがその後に続いた。かくして、ガリバルディが初めての重賞勝ちを中京記念で経験した。
ガリバルディはシェンクの子供。マルカシェンクの弟である。マルカシェンク、瀬戸口厩舎から河内厩舎へと引き継がれた馬だが、全5勝の手綱を取ったのが福永J。関谷記念をも制した馬であり、夏場も強い馬だった。歴史は繰り返されるのでもある。
何よりも、鞍上の神がかりな騎乗によるのも多いことかと思う。まるで乗れば勝つ、そんな勢いまであった福永J。
この中京は、7日間の参戦で20勝。66戦20勝(うち6戦は福島遠征で中京は60戦)、3戦に1勝のペースで0.333のもの凄い勝率である。いやはや、あっぱれ。恐れいりました…。ハイ!
平林雅芳 (ひらばやし まさよし)
競馬専門紙『ホースニュース馬』にて競馬記者として30年余り活躍。フリーに転身してから、さらにその情報網を拡大し、関西ジョッキーとの間には、他と一線を画す強力なネットワークを築いている。
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