競馬は血統だ!コロナシオンがまずは1勝、デビュー勝ち!

コロナシオン

16年10/16(日)4回京都5日目5R 2歳新馬(芝1800m)

  • コロナシオン
  • (牝2、栗東・池添厩舎)
  • 父:キングカメハメハ
  • 母:ブエナビスタ
  • 母父:スペシャルウィーク

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後に、《伝統の新馬戦》と言われた2008年10月26日の新馬戦。ブエナビスタはアンライバルドの3着に敗れた。だが、その次の戦いから5連勝で、桜花賞にオークスも負けなかった。
そのブエナビスタの娘、コロナシオン がデビュー戦を快勝してみせた。道中では13.0もある超スローな流れで後方に位置したが、直線では前の馬に取り付く脚の速いこと。鞍上ルメールJのステッキは、右の手から離れずじまい。それでいて、2着サトノシャークに1馬身以上の差をつける瞬発力。母譲り、いや母をも上廻るデビュー戦での内容で、これから続くであろう戦いが見えて来る様な圧倒される勝ちっぷりであった。

パドック、返し馬と見る。馬場入場からキャンターに移るまでを、特にしっかり見る。ここでその馬の走りが判る。けっこう感想がそのまま結果に直結することがある。また、真反対なこともある。当然に、後のためにメモる。《返し馬、コロナシオンとサトノシャークには△をつける。レッドオルガに〇を打つ。コロナシオンは少し硬いと書いておく》 伝説の新馬戦と言われて毎年賑わうレースだが、今年はあまり話題にはなっていなかった。いや、知らないのは私だけだったのかも知れない…が。今年は小粒だな~なんて、勝手に思ってもいた。
フィールドステイが逃げて、前半の3Fが37.3とかなりゆったりな流れ。レッドオルガが5番手の前から3馬身ぐらいの位置で人気馬では一番前にいるが、手がすでに少しずつ動いている。

最後方から2馬身ぐらい前の位置に、コロナシオン。そこでも9馬身ぐらいと、そんなに差はない。坂を上がっていくあたりで、前の5頭はほとんど差がないぐらい。2馬身ぐらい後ろで、サトノシャークが並んだ外。その1馬身差にコロナシオン。心なしか、ルメールJの手が動いている。
ラスト800を通過。1000mが1.031.と、かなり遅い。しかしレッドオルガの武豊Jの手はせわしく動きだす。コロナシオンも後ろを確認してから外へと出して、サトノシャークのすぐ後ろまで接近して4コーナーへと近づく。
直線に入ってきて、ピンクの帽子2頭が内の方へと寄せながら、後ろとの差を広げにかかる。ラスト200m。前の2頭からまだ2、3馬身も差がある。サトノシャークが伸びそうだ。しかし、その外からコロナシオンの勢いがいい。

手綱を押すルメールJに応えて、コロナシオンが前を行くピンク帽の2頭を抜いて、先頭に踊り出る。サトノシャークがその間に入って脚を伸ばすが、先頭を奪う勢いではなく、2着がやっと。レッドオルガは、その少し後の5着だった。時計は1.50.0と遅いが、内容である。
検量室前は、まるで重賞を終えたかの混雑ぶりと、興奮する会員達。いろんな人に支えられて競馬が成り立っているのが良くわかる。 そして競馬は血統なんであると痛感する。ブエナビスタの子供が勝って、ファンが喜ぶ。この図式がいいのである。

母がデビュー戦で452キロの馬体だった。コロナシオンは456キロと、それに近いのも不思議だ。
ネーミングが《戴冠式》とJRAの名前の意味検索で調べる。その名前へと続く圧勝劇。爽やかな風が吹く淀の競馬場。《競馬っていいな~》と思わせるようなド、ラマチックなデビュー戦勝ちでありました。

こんなスーパーホースを2週前の稽古を見て、《知れているな~》なんて軽くジャッジを下してしまう当方。まるで見えておりません。今週の稽古が良かったらしく、それを見ていない様では話になりません。競馬はいつまで経っても勉強、勉強の一言であります…。


平林雅芳 (ひらばやし まさよし)
競馬専門紙『ホースニュース馬』にて競馬記者として30年余り活躍。フリーに転身してから、さらにその情報網を拡大し、関西ジョッキーとの間には、他と一線を画す強力なネットワークを築いている。