【マイルCS】サトノアラジンズバッと切れた!池江寿師「ナタの切れ味のよう」

サトノアラジン

16日、マイルCS(G1)の追い切りが栗東トレセンで行われた。

前走のスワンSで2つ目の重賞タイトルを手にしたサトノアラジン(牡5、栗東・池江寿厩舎)は川田将雅騎手が跨ってCWで極上の切れを披露。重賞初制覇となった5月の京王杯SCでは32秒台の豪脚を見せており、今回も現役屈指の末脚を発揮できるのか、注目を集める。


追い切り後、管理する池江泰寿調教師の一問一答は以下の通り。

●本格化した素質馬にG1制覇のチャンス到来

-:前走は休み明けのスワンSを豪快に追い込んで勝利しましたね。

池江泰寿調教師:まだトモの動き、踏み込みも本来のモノでは無かったですけど、その状態で良く勝ってくれたと思います。

-:最後は本当に素晴らしい切れ味でした。

池:「ナタの切れ味」という感じでしたね。

サトノアラジン

-:それから中2週になりますが、この中間の調整過程はどうでしたか?

池:1週間ほどはペースを落としてのんびりさせて、翌週から徐々に立ち上げて、週末に少し強いところをやりました。今週は水曜日にCWに入って6ハロン追いという感じです。

-:今日は川田騎手を乗せての追い切りとなりましたが、先生の方から何か指示はされましたか?

池:特に時計は指示していないですが、併走馬を2~3馬身ほど前に置いて折り合いをつけて、残り300mくらいから馬体を併せに行って、ラストは身体を伸ばしてストレッチさせるようなイメージで乗ってほしいとお願いしました。もう目一杯にやらなくて良いくらい仕上がっていますからね。思い通りの良い調教ができたと思います。

-:時計、動き、感触のほうはいかがだったでしょうか。

池:全体的な時計はそこまで速く無いですが、ラストのタイムは速かったですし、動きも前走よりトモの入りがスムーズで、踏み込みも蹴りもしっかりしていましたね。使った上積みがあると感じています。

-:快勝したスワンS以上の好仕上がりということですね。

池:状態自体は前走より良いと感じています。何の不安もないですね。

-:この馬は1400mから2000mまでの勝利実績がありますが、ベストの距離はどのあたりですか?

池:1400mで重賞を2勝していますし、2戦とも強い勝ち方でしたので、戦績から見れば1400mということになると思います。

-:本番はベストの距離から1ハロン延びる京都のマイル戦ですが、今回の条件はいかがでしょうか。

池:悪くはないと思いますが、天気がちょっと気になりますね。

-:週末は土日とも雨予報になっています。

池:跳びの大きい馬なので、下が緩いとノメってしまう心配がありますから。スワンSも午前中まで稍重で、午後は良馬場まで回復しましたが、あのくらいなら辛抱してくれるのではないかと思います。32秒台の末脚を使う馬なので、本当はパンパンの硬い馬場でマイルのG1を走らせてあげたいのですが、今年はちょっと厳しそうですね。

-:2歳の頃から期待されていた馬が今年に入ってG2を2勝。成長してきたと見てよろしいですか?

池:まだG2しか勝っていないですからね。何とかG1を勝たせてあげたいですし、今回は勝つチャンスだと思っています。

-:2~3歳の頃と比較して、古馬になってどのあたりに変化を感じますか。

池:気性面はさほど変わらないですが、肉体面で大型馬特有の緩みがあって、特に背腰が緩い馬でしたので、そこに芯が入ってきた印象ですね。

-:まだまだ成長していきそうですね。

池:完全に本格化するのは来年以降ではないかと思っています。

-:状態も良く、馬体も充実してきてチャンスは十分かと思われますが、最後にファンの方々に向けて、抱負をよろしくお願いします。

池:2歳時からファンの多い馬で期待されていた馬ですが、菊花賞は出ましたけどもクラシックに縁が無く、歯がゆいレースが続きましたが、古馬になって得意な分野が1400mからマイルあたりだということがわかってきました。何とかG1を勝ってファンの方々に認めてもらえるように育てていきたいと思っていますので、是非応援よろしくお願いします。