歴史的な道悪で見つけたお宝馬たち…こちら検量室前派出所(仮)

東京競馬場

10月22日の東京競馬は大雨の中、不良馬場で行われた

「芝が滑る!」

「4コーナーから進んでいかない……」

菊花賞デーの裏、10月22日(日)の東京競馬場検量室前では、騎手たちのそんな声が飛んだ。ベテラン・田中勝春騎手が笑顔で「こんな馬場は記憶にない!」と語るほどの道悪に、各ジョッキー悪戦苦闘。事故が起きないことを願うばかりの一日だった。

2Rをカフジバンガードで制した吉田豊騎手が「返し馬からノメらず、道悪は大丈夫だと思いました」と語ったように、中には道悪を苦にしなかった馬もいた。ただ8Rに出走したマイネルディアベルは、これまで稍重馬場のパラダイスSで3着の実績がありながら、1着馬から2.2秒離された7着。騎乗した宮崎北斗騎手からは「ここまで馬場が悪いと、これまでの道悪実績はあまり参考にならないのでは…」という声も聞かれた。

特に馬場に苦しんでいたのは2歳。「まだ成長途上のこの馬にこの馬場はかわいそう」という声が多数。そんな中、2Rで4着のワセダインブルーは、騎乗した北村宏司騎手曰く「最後は馬場が影響して脚が止まってしまいましたが、テンションが思っていたより上がっておらず、成長を感じました」とのこと。このように道悪の中、確かな成長を見せていた2歳馬は次走、狙い目になってきそうだ。

柴山雄一騎手が「道中いい感じだったが、4コーナーから滑ってどうしようもなかった」と話していたインプレスシチー(2R7着)、そして、大野拓弥騎手が引き上げてきて一言、「今日は馬場に尽きます…」と悔しそうな表情で話していたアルトリウス(6R9着)なども、次走以降注目の存在である。

なお検量室前パトロール隊員はこの雨、寒さのおかげで、ありがたいことに、しっかり風邪を引いた。来週こそ晴れてください。お願いします……。