【セレクトセール2018結果】昨年を6億上回る落札総額179億3200万円をマーク!

セレクトセール

大盛況だったセレクトセール2018を振り返る社台ファーム吉田照哉代表

10日、競馬関係者、ファンが注目の日本最大級の競走馬セリ「セレクトセール2018」が、北海道苫小牧市のノーザンホースパークで行われ、2日目の当歳馬部門が終了。

2日目の落札総額は82億5750万円で、昨年の86億9250万円には届かなかった。1頭平均価格は4028万円で、こちらも昨年の4575万円には届かなかった。上場頭数は231頭で、落札率は88.7%。落札率に関しては昨年の86.4%を上回った。

2日間の合計、落札総額は179億3200万円で、過去最高をマークした昨年の173億2700万円を約6億円上回った。1頭平均価格は4311万円で、昨年の4267万円を上回った。上場頭数は464頭で、落札率は89.7%。昨年の87.9%を上回った。

・1日目
落札総額:96億7450万円(昨年比112%)
1頭平均価格:4585万円(昨年比115%)
落札率:90.6%(昨年比101%)
上場頭数:233頭(昨年242頭)

・2日目
落札総額:82億5750万円(昨年比95%)
1頭平均価格:4028万円(昨年比88%)
落札率:88.7%(昨年比103%)
上場頭数:231頭(昨年220頭)

・合計
落札総額:179億3200万円(昨年比103%)
1頭平均価格:4311万円(昨年比101%)
落札率:89.7%(昨年比102%)
上場頭数:464頭(昨年462頭)

【吉田照哉代表のコメント】
「(2日間の落札総額、落札率が過去最高だった)去年が驚異的な数字だったので、その数字を超えるかな?って心配していたんですけど、あに図らんやというか非常に活発に競って頂いて。それに去年は一頭で5億8千万というのがいました。今年は最高で2億9千万で。購買者の数とか落札率が増えているということは、幅広く馬を買って頂いたということで却って健全だったのではないかと。ディープインパクトだけが高いんじゃなくて、各種牡馬の良い馬が売れて。1億円以上の数が増えていると思うんですけどね。皆さんが良い馬を幅広く探して頂いたということで。良いセリができたんじゃないかと思います。

外国のセリを見ても特定の種牡馬の仔だけが高いんじゃなくて、やっぱり馬が良いということが大前提で、もちろんきょうだいが走っているとかも含めて。1頭の馬だけが絶対に高いわけじゃない状況になって非常に良いことだなと思いました。新しいドゥラメンテもそうだし、ジャスタウェイも今年から子供が走り出したわけだし、そういう種牡馬も平均的に良い値段が付いてくれて。これだけの結果で悪いってことはあり得ないですよね(笑)。素晴らしい。

外国の方もいらしてたんですけど、結局ほとんどあまり買えないくらい。せっかくサクソンウォリアーがヨーロッパで走っていても、日本に来てこれではなかなか買えないというような。日本の賞金背景とか、日本の競馬に対する盛り上がりというのか、それが凄く強いんだなと思いましたね。普通から見たら5,6千万っていうのは合格なんだけど、その辺じゃ降りる気配が無いようなセリでしたよね。良い馬に対して。

(日本生産馬が海外でも活躍したことで外国の購買者も増えた?)思ったよりも数はいなかったというか、去年あまりに高くてみんなぶったまげて馬もこなくなっちゃったし、逆に繁殖牝馬を送ってきてディープとか日本で種付けをして向こうに持って帰るようなやり方を目指しているみたいで。良い馬はここでは買えないからね。

(カタールの王族の方も買われたようで)あの方はヨーロッパでも競馬で走った自分の馬を売ったりしていたり。懐具合は分からないけど、まだ若いし割り切って仕事をしている方なのかなと思いますね。

(日本で買った馬を日本で走らせるような外国の方も)思ったほどではないというか。これだけ賞金が高いからみんな来るのかなと心配していたところもあるけど、やっぱり自分の国で勝ちたいんですよね。自分の知ってる競馬場とか調教師さんとか調教のやり方とか、人にマッチするというか。重賞レースをたくさん勝つとなったら嬉しいでしょうけど、私もヨーロッパで馬を持っていますけど、自分が見に行けないっていうのは何のために馬を持っているんだろうと思いますからね。

(2日間の傾向として当歳より1歳馬にシフトしている印象もあるが)良いこと言うね。僕もそう思うね。当歳も中には高く売れている馬もいるけど、一般的には値段が付きづらいよね。私が買う立場としても当歳のなんでもかんでも買うというのは。当歳で買うというのは1歳まで待っていたら買えなくなっちゃうような馬とかを買いたいのであって。本来は、ノーザンファームは別として、普通の生産者としては明らかに1歳で売りたいですよね。やはり1日目の最後の方って結構高かったんですよ。去年もそうなんですけど、1歳馬の時はみんな安いなら安いなりに買ってくれる人がたくさんいるのに、当歳だと安い方の馬は何も今あわてて買う必要も無いやという雰囲気もあるから。私個人的には、来年はもう当歳はあまりセリに出したくないという感じですけどね。

(平均価格でも1歳馬にシフトしている感じ)世界標準が1歳馬のセリですからね。もともと、競走馬協会でももっと1歳馬メインに変えようとした時があったんですよ。だけど、その時にあまりにも当歳馬がバンバン売れちゃうからそこで一回止めちゃったという経緯があるからね。段々とそうなっていく気もしますね。

(今年で21年目、これまでの総額が1000億を超えた)素晴らしいですね。最初に始めた時のことを考えれば、こんなふうになるっていうのは考えることはできなかったと思うよね。だけど、逆に言うと一回目の時には、これじゃあ庭先で売るよりセリで売った方が高いなと思ったんですよ。だからやっぱり皆さんに見て頂いて。どうしても庭先だと一対一の値段の決め方になるんですけど、本当に良い馬だったらもっと高い値段でも欲しいという方は絶対いるはずなんですよね。それを考えてみても、それまでの日本の馬の売買って相対取引が多かったんですけど、セリにして、お客さんも慣れてきてくれて、見てると競るのも上手くて。途中あけて引っ張ってみたり、ボンボン上げて行かないで一回呼吸を入れてから競ったり、色々とテクニックがあって面白いですよね(笑)。

(当歳では初年度のドゥラメンテやモーリスも1億超)だからああいう馬に関してはね、当歳のうちから欲しいんでしょうけどね。一般的な馬に関しては逆だと思うね。

(来年は1歳市場にも出てくる)うん。まぁまぁ。でも、当歳と1歳を一日一日の単位でやってるからなかなか当歳を完全に止めちゃうのも難しいんだろうけど。それは皆さんで話して、決めていくことだと思いますけど。

(来年はどのようなセリに)ん~。来年の話になると分からないね(笑)。経済情勢などでどういうことが起きるかも大きいんだと思うし、あとは日本産馬はもっと外国で、特にヨーロッパで活躍する機会も増えれば。里見さんは買った馬をイギリスの厩舎に預けると言っていて。今までは外国の大きな馬主さんが日本に繁殖牝馬を送ってきて、その仔を持って行ったというのが多かったんですけど、これからはそれこそ流石にヨーロッパの競馬、G1だと、やっぱり世界最高の舞台っていう。オリンピックやサッカーのワールドカップに出たようなもので、金額的にはもっと高いものはあるかもしれないけど、そういうのを勝ってみたいという欲望は人間には絶対にあるからね。馬に携わる者はそうだし、皆さんもそういうことなら応援したいと思うでしょうし。それを日本の強い馬にもっともっとやってもらいたいね。

(大変な史上最高の2日間でした)全てのことが、細かいことがたくさんあるんだけど、みんな本当に上手くやっていると思いますよ。事故もなく。馬の手入れの仕方も良くなったし、馬のハンドリングとかもねえ。立ち上がって危ないようなところでも難なくこなしているからね。これはプロだなと思いましたね。

来年も頑張りましょう。また良いものを作ってね。これから日高のセリなどもずっと続きますからね。きっとこれで良い影響もあると思います。非常に慣れた感じで運営もできましたし、お客さんにも来て頂きましたし、これ以上買ったら潰れるんじゃないですか?と聞いたら潰れる覚悟ですって言われて(笑)。冗談で言ってるくらいだから本当に真剣にやって頂いたんだなと思います。見ていたら面白いよね。色んなところから競るしね。昔のセリっていうとお代はって言って誰か一声かけて終わりっていうことがずっと続いていたので、ようやく馬のセリもセリらしくなったんだなと凄い思いますね。特にノーザンファームの馬って明らかに安めに設定しているからね。みんな滅茶苦茶セリますよね。もうちょっと上げても良いんじゃないかと思うんだけど(笑)。わざわざ3,4倍にして楽しんでるんじゃないかという気さえするね(笑)」

セレクトセール