【振り返れば馬券になる!】右回りでこそいい!すぐに勝てると絶賛された馬とは!?

今週は天皇賞(秋)。秋も次第に深まり、より競馬が面白くなってくる時期だが、ここで今週も『振り返れば馬券になる!』をお届けする。まずは日曜の東京5R・2歳新馬から5着だったシダクティブノンコ(牝2、美浦・中舘厩舎)を取り上げる。母のセデュウシングは4戦1勝で引退と取り立てて何か実績のある馬ではなかったが、未勝利戦を好時計で勝ち上がるなど、随所に素質を感じさせる馬だった。本馬は初仔。騎乗した松岡正海騎手も「背中がいい馬です。めっちゃいい馬ですよ。すぐに勝てます」と素質を高く評価していた。

今回5着だったのには理由がある。「直線で馬が左にササっていて、スムーズに加速できないのが課題です」と鞍上が言うように、直線でまっすぐ走れていないのだ。「右回りならこのような癖を出さないんです。美浦のウッドコースは右回りのみなので、その時はスムーズでした」という話は面白い。栗東のウッドコースは火曜日と日曜日は左回りになるが、美浦のウッドコースは常に右回り。左回りを試すことがない。次走、右回りに替わった際はまっすぐ走って好走してくれるだろう。

もう1頭挙げるなら日曜の東京8R・3歳上1000万で3着だったアルトリウス(セン4、美浦・藤沢和厩舎)。母に桜花賞馬レジネッタを持つ良血馬である。春の東京の1000万でも好メンバー相手に4着している力のある馬だが、今回は藤沢和雄厩舎らしく去勢され、明け初戦であった。4ヶ月ぶりの実戦で体重はマイナス14キロ。通常去勢すると体重が減るため、去勢明け初戦は体重減で出てくる馬が多いが、482キロでも好走した馬が456キロ出走はさすがにまだ本調子になかったと推測できる。

騎乗した若武者・武藤雅騎手も「久々の分モサっとしていて、ラストはモタれていました」と語ったように、久々の影響を口にする。ただ去勢の効果は感じたよう。「メンバーが揃っていた中、よく頑張ってくれました」と言うように、準オープンを走ったことのある馬も複数いるなどレベルの高い一戦であった。力は上位。次は前進してくれることだろう。

このレースで1番人気ながら7着に敗れたのがエイシンスレイマン(牡4、栗東・西園厩舎)。後に重賞でも好走経験のある馬とも接戦したことがあるように、なぜまだ1000万クラスにいるのか分からない馬だが、今回は騎乗した内田博幸騎手が「4コーナー手前から手応えがなかったです。夏場に新潟や阪神に輸送した分、見えない疲れが溜まっていたのかもしれない」と言うように、参考外の一戦かもしれない。疲れを取って、巻き返しを期待したいところだ。

レース後、ジョッキーたちから発されるコメントは様々である。
「うまくいった」
「調子が良かった」
「馬が強かった」
etc…

もちろんこれらのコメントも非常に重要ではあるのだが、よりオイシイのは、負けたジョッキーのコメントだろう。検量室に引き上げてくるジョッキーの表情はそれぞれ違う。悔しそうな表情を浮かべて戻ってくるジョッキーも多い。道中の不利、自身のミス、理由は様々だが、彼らのコメントこそ、次に繋がる。このコーナーでは現場にいたからこそ知りえる敗因、そしてジョッキーの表情などを取り上げながら、次走以降妙味のある馬を挙げていきたい。