【スプリンターズS】右回りは不安?巻き返し狙う春の王者ミスターメロディ

ミスターメロディ

25日、スプリンターズS(G1)の追い切りが栗東トレセンで行われた。

春の高松宮記念を制し、前走のセントウルSは休み明けで8着だったミスターメロディ(牡4、栗東・藤原英厩舎)は、福永祐一騎手を背に芝コースで追われ、4F62.3-46.7-33.8-11.7秒をマークした。追い切り後に行われた共同会見での福永騎手、そして藤原英昭調教師のコメントは以下のとおり。

【福永祐一騎手のコメント】
「(前走を振り返って)馬体に関して言えば全体的に力もついて、力強さは調教の段階から感じていました。走り方は春とは多少違う気がしていて、そこが競馬でどう出るかと思っていました。レースでのポジション、レース運びに関しては戦前からイメージしていた競馬はある程度できましたが、直線の伸びは思っていたほどではなく、正直負け過ぎというのが率直な感想です。もう少し踏ん張ってほしかったです。

(春を振り返って)春は前哨戦の阪急杯も状態は良く、直線で内からぶつけられるアクシデントの後遺症はなく、いいコンディションで本番を迎えられました。十分勝てるチャンスがあると思い臨んだレースで、実際やりたい競馬もできて勝つことはできました。右回りで好走はありますが、左回りに良績が集中しています。右手前で走ることが得意な馬で、調教でもずっと右手前で走るところが、右回りで良績を残せない要因の一つかもしれません。その点は前回の敗戦を踏まえ、何とか修正できるようレースに持っていきたいです。

ミスターメロディ

(追い切りの様子)休み明けの前回よりいい動きでした。上積みを感じましたね。夏を超えて操作性が高くなって、乗る方は楽になりましたが、前走はその点が競馬でどう出るかと思っていました。最後の伸びは物足りなかったので、今回はそこを踏まえて調整してくれていますし、前走の追い切りとは違う動きでしたので、上積みは感じます。それをレースに反映できるよう騎乗したいです。

(先週土曜も調教に騎乗しましたが、これは藤原先生のご意向か)ご意向です(笑)。十数年ぶりに栗東に泊まりました(笑)。昔、20代の時は眠たい目をこすりながらも朝4時くらいから乗っていましたからね。

(今回は中山芝1200mです)前回のような好位からねじふせる競馬で勝ってほしいのですが、あの形だと脚がたまりにくいことも分かったので、うまく脚を溜められるような工夫をして、枠が発表されてから藤原調教師と考えていきたいです。前回の敗戦を無駄にしないためにも、いい方向に修正し、いい結果を出せるよう頑張りたいと思います。

(ファンへメッセージ)春のスプリントチャンピオンとして迎える大一番ですが、前走の敗戦を見ても、あくまでもチャレンジャーとして向かうべきだと思いますし、自分も馬もそういうつもりで、チャンピオンを取れるようぶつかっていきたいと思います」

【藤原英昭調教師のコメント】
「(前走のセントウルSを振り返って)十分な休養を経て体調は良かったのですが、懸念していた右回りで、左回りよりパフォーマンスが少し落ちましたね。着順は残念でしたが、一度叩くのは予定通りです。叩いて上向きになるような造りをしてきたので。

(中間の様子)G1を勝つくらいですから、春の状態は最高潮でした。その時と比べると馬は大人になっているのですけれど、そこがどうかという感じは懸念しています。春のほうがフレッシュというか、若さで走ってくれているところがありました。結果とどう繋がるのかはこれからですね。

(先週土曜は福永騎手が騎乗して調教しました)前走を使って色々課題はありましたから、短期間で修正した評価を土曜に乗ってもらい感触を確かめてもらいました。

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(追い切りの感触)坂路でも良かったですが、絶好調の時と比較するため芝で追い切りました。ジョッキーはあまりいい顔はしていませんでしたね(笑)

(今回のポイント)春の王者ですから恥じない走りを見せたいです。世界的名種牡馬スキャットダディの血を広げる使命感もありますし、このレースは狙っているのですが、うまくハマってほしいところで、手応えは半々です。馬を信じて、自信を持って臨みたいところです。

(中山コースについて)輸送は心配していませんが、やはり右回りですからね。まだ勝っていませんから。アメリカ出身で左利きではありますし、成長して克服してくれるかと思っていますが、もう少し成長を求めたいですね。力的にはトップだと思っています。自信を持って、馬を信じていきたいです。

(ファンへメッセージ)春のG1王者として恥じないようなレースをするよう工夫して調教しています。馬の力はトップクラスだと思っていますので、秋も獲って有終の美を飾りたいです。応援よろしくお願いいたします。

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