熱中症対策は今から!!【高田潤コラム】

高田潤

2016年の阪神JSでJRA史上初の同一重賞7年連連対記録などJUMPレースの顔として活躍する高田潤騎手。 そして、ファンサービスの積極性は競馬界一とも噂される熱き男の生の声をお届けします!



皆さん、こんにちは!!
高田潤です!!

6月にさしかかり、現在全国各地では関東圏辺りまで梅雨に入っていますが、実は競走馬の熱中症って6〜7月が一番多いのを皆さんはご存知でしたか??

人は、8月の35℃を超えるような猛暑日に熱中症が急増しますが、実は馬は一番暑い時期のちょっと手前で熱中症のピークが来ます。

これは、馬は熱を放散する機能が涼しい時期には働きが悪く、梅雨の晴れ間や梅雨明けなどで急に暑くなった時などにカラダが充分に対応できていないためだと考えられています。

実はこれ、人間にも当てはまることで、人間でも例外ではありません。

人間でもこの時期は身体が暑さに慣れておらず、体温をうまく調整できないため、熱中症になりやすいと考えられています。

暑い日が続くと次第に身体が慣れてきて(暑熱順化という)、ピークこそ8月の最も暑い日ではありますが、暑熱順化が進んでいない今の時期も実は油断は禁物なんです!!

ですので、まだ夏じゃないからといって決して甘く考えずに今のこの時期からしっかりと熱中症対策を整えて下さいね!!

競走馬の熱中症対策としましては2019年の夏に福島競馬場で初めて競走馬用のシャワーが導入されて以降、競走馬の熱中症予防に効果が高いということで、その後、暑い時期に開催のある中京や新潟,小倉などの競馬場にも導入されていっています。

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暑い時期にレースで走り終えた馬は非常に体温が上昇するため、早い段階(レース直後)に水で馬体を冷やすということが非常に効果的だというデータを元にこのようなシャワーが設置されました。

他にも熱中症対策として、昨年から北海道を除く各競馬場の馬房内にもクーラーが設置されました。

僕も詳しいデータを確認したわけではありませんので正確にはわかりませんが、JRAの獣医さんの話では、このシャワーやクーラーを導入以降、熱中症の馬の数は劇的に減っているみたいです。

暑さに弱い競走馬に対するこういった熱中症対策は騎乗する僕たちジョッキーにとっても本当にありがたいことで、暑い中一生懸命走ってくれている馬たちが少しでも良い環境で安心して走れることは、いつも応援して下さっているファンの皆さまに対しても非常に大事なことだと思います。