ゲートの仕組みについて【高田潤コラム】

高田潤

2016年の阪神JSでJRA史上初の同一重賞7年連連対記録などJUMPレースの顔として活躍する高田潤騎手。 そして、ファンサービスの積極性は競馬界一とも噂される熱き男の生の声をお届けします!

皆さん、こんにちは!!
高田潤です!!

先週日曜日の東京競馬場で行われたメインレース、東京新聞杯で1番人気に支持されたマスクトディーヴァ号が出遅れた件につきまして、ゲート(発馬機)の開きが遅れていたなどと物議を醸しておりますが、実際にパトロールビデオを確認してみてもマスクトディーヴァ号のゲートが開くのが遅れているのがわかります。

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しかし、これはマスクトディーヴァ号のゲートだけがゲートの不具合などにより意図的に開くのが遅れたわけではなくて、よく見てもらえればわかりますが、馬の突進により前扉が開かなかったわけです。

ゲートの構造上、1つの枠だけゲートの開きが遅れるということは絶対にありません。

しかし、この様に突進などにより馬の顔や体で内側から体重をかけて前扉を押さえつけてしまうと、真正な発走合図を受けていても内側からの圧力で前扉のフックが外れず、開くのが遅れることがあります。

ちょっとわかりづらいかもしれませんが例えで言いますと(やってはいけませんが)、自動ドアや電車のドアなども手で力強く押さえつけると開くのが遅くなると思います。そんなイメージに近いかなと思います。

ですのでこれは、鞍上のゲート内での馬の御法、あるいは馬の悪癖が招いてしまった事象ということになります。

この場合は当然、ジョッキーや馬の制裁ということになります。

ゲートの仕組みにつきましては皆さんが知り得る機会がなかなかありませんので疑問に思った方もたくさんいらっしゃったかと思いますが、簡単に説明しますとこういう事になります。

レースにおきましてスタートというのは非常に大切で重要な部分になりますので僕たちジョッキーも厩舎陣営もこういったことが起きないように日々常に注意はしていますが、馬も生き物ですのでレース当日のゲート内では非常に神経質になっております。そのためこういった事が稀に起きてしまいます。

今回の件につきましては自身が関係する事象ではありませんが、自分自身にも置き換えて、いつも競馬を応援して下さっている皆様が少しでも安心してレースを楽しんでいただけるようにこれからも気を引き締めてやっていきたいと思います。