【京王杯2歳S】普通の馬とは違う!?重賞初挑戦のコラソンビートの強み

3連勝を狙うコラソンビート

3連勝を狙うコラソンビート


■京王杯2歳S
コラソンビート
伊藤祥徳調教助手

——前走のダリア賞は1着でした。レースを振り返ってください。

伊藤助手(以下、伊):新馬戦から強いメンバー相手に良い走りをして高いクラスへ行けそうな片鱗を見せてくれましたし、期待通りに未勝利戦も強い勝ち方をしてくれたので、前走も自信を持って臨めました。

オーナーサイドがこの子の力を発揮しやすいレースを選んでくださったおかげもあって、思っていた通りの強い競馬をしてくれたと思います。

——この中間の過ごし方を教えてください。

伊:前走後は放牧に出して、ここを目標に帰厩しました。2勝目をあげたことで使うレースを選べる優位な状況になりましたし、目に見えない疲れも考慮して馬を急がせることなく気持ちのオンオフを作ってあげながら調整を進めてきました。

今回は重賞挑戦で普通なら力の入るところですが、牝馬なので良い意味で作り過ぎないように、人間が凝り固まって調教強度を上げ過ぎないように気を付けて調整しています。

——10/25(水)に行われた1週前追い切りの狙いと動きの評価をお願いします。

伊:6馬身くらい前に馬を置いてそれを追いかける形でやりましたが、スピードに乗ったときに体全体を使った躍動感のあるフォームで走れていましたし目を見張る動きでした。

前に行ったペースメーカーが速かった影響で全体時計が少し速くなりましたが、一定のペースを刻んで最後までしっかり走れていたようにこの子にとってはこれが普通です。これだけの時計で走ったことで、心肺機能に良い負荷がかかったと思います。

——現時点で伊藤さんが感じるこの馬のストロングポイントはどういうところでしょうか。

伊:たくさんありますが、1番は頭の良さでしょうか。放牧から帰ってきてすぐの追い切りでは本気で走りませんが、1本速い時計を出すとレースが近いことを察知したようにその後の追い切りでは徐々にハミがかりが良くなります。そういう頭の良さが操縦性の高さにも繋がっている感じですね。レースが近いことを理解していてもナーバスになり過ぎることもありませんし、ある意味牡馬より肝が据わっていると言っていいんじゃないでしょうか(笑)。

また心肺機能も普通の馬とは違うレベルの高さを感じます。先ほど話した1週前追い切りのような速い時計を出せる馬はなかなかいませんし、それを可能にしているのがこの子の心肺機能の高さだと思います。何よりどんな調教を積んだあとでもカイ食いが落ちないのも良いところですね。

——今後成長を期待するところは。

伊:走るための筋力もまだ発展途上ですし、まだまだ伸びシロだらけです。今は「走るのが好き」「競走で相手に勝つのが好き」という気持ちと能力だけで走っている感じですが、今は美浦に素晴らしい坂路コースが完成しましたしそのなかで調教のバリエーションを増やしながらこれから付くべきところに筋肉が付いていけば、更に良いパフォーマンスを見せてくれるのではないかと楽しみです。

——レースへの意気込みをお願いします。

伊:調教を重ねるごとに上向いていくのが分かりますし、これだけの馬に携わる機会をいただいてありがたいです。ポテンシャルを感じる馬で大成させてあげたいと思っていますし、そのためにもひとつひとつ丁寧に経験を積んでいくことが大事だと思いますが、ここは敢えて勝ちに行く強い気持ちで臨みたいです。