研究員サカマキの重賞回顧

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研究員ヤマノが取材中のため、今週はサカマキが担当します。

7月29日(日)、小倉競馬場で行われた第43回小倉記念(Jpn3)は、6番人気の5歳牝馬サンレイジャスパー(牝5、栗東・高橋成厩舎)が差し切り勝ち。
12回目の挑戦で悲願の重賞制覇を果たしました。勝ち時計は良馬場で1分58秒7。
2着には7番人気のニホンピロキース(牡6、栗東・服部厩舎)が入りました。

「…浮上するのがトニービンの流れを汲む2番サンレイジャスパーだ。トニービンは府中での好成績ばかりが喧伝されるが、ローカルでの強さは府中の比ではない」とは、当サイト「血統トレジャーハンティング」内での水上学氏の見解。
そして、「順調に使えているということは、決してマイナス要素にはならない」とは、使い詰めが懸念された本馬に対しての、「競走馬解体新書」内での獣医山本剛氏の結論。
お見事!今月からオープンした新コンテンツが、その力を見せ付けた結果でしたね。

勝ったサンレイジャスパーは、前残りの競馬で差し切る強い内容。
4角では一瞬手応えが悪くなったかにも思えたましたが、直線はまさに弾けるような伸び脚。持ち前の決め手をいかんなく発揮しました。
とにかく、好調期間の長さは特筆モノ。本当に頭の下がる思いです。
ただ、心配な点も。一つは、今後、斤量との戦いを余儀なくされるということ。決め手身上の馬だけに、これは大きなマイナス材料でしょう。
もう一つは、繁殖入り後の問題。
イクノディクタスなんかもそうですが、現役時代にタフなレースを多く走ると、繁殖入り後の成績が芳しくなくなる傾向があります。
まだ先の話でしょうが、頭の片隅には置いておきたいですね。

2着のニホンピロキースは、完璧なレースでしたが、決め手のある馬に足元をすくわれました。
道中3番手でピタリと折り合い、直線満を持して追い出されたのですが…。
あれ以上追い出しを待つと前を交わせない可能性も出てきますから(この馬は切れ味が全くないので)、これは責められません。
運がなかったということでしょう。

1番人気のスウィフトカレント(牡6、栗東・森厩舎)は7着敗退。この馬の悪いところである掛かり癖がモロに出てしまいました。
落ち着きを取り戻した4角ではむしろ勝ち馬以上の手応えにも見えましたが、追い出してから伸びなかったあたりはやはり掛かった影響でしょう。
まだ未定のようですが、次走新潟記念あたりだと、広い外回りで掛からないか大きな心配があります。

メイショウカイドウ(牡8、栗東・坂口大厩舎)は良いところなくブービー敗退。
1年ぶりで59.5キロというのはさすがに厳しかったですね。

それにしても、水上学氏、山本剛氏はさすがの見立てでした。今週の2重賞も大きく期待ですね。