「血統分析」に心血を注ぐこと数十年。東大卒の頭脳と豊富な経験によって完成した独自の理論から導いた自信の『本命馬』と、一発逆転の可能性を秘めた『お宝馬』を披露する。
直近の血統激走馬
- 4月21日 東京11R フローラS(G2)
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本命馬◎アドマイヤベル(2人気) 1着
土曜も日曜もヒット連発!
- 4月20日 福島11R 福島牝馬S(G3)
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本命馬◎コスタボニータ(1人気) 1着
勝ち切る1頭をガッチリ評価!
【秋華賞】勢力図一変?
2017/10/10(火)
★土曜東京11R サウジアラビアRC(G3)◎本命馬 ステルヴィオ 1番人気 2着 8枠に入ったためか、スタート後に物見をした?かのようにボサッとした感じでシンガリ付近からの追走になってしまった。いつにない展開は不安だったが、レースがある程度流れたことに加え、持ち前の瞬発力で切れに切れての2着。まともなら勝ち負けだったはず。レコード対応も出来るという、一流マイラーらしい瞬発力を見せつけて、勝ち馬に優るとも劣らない評価ができる。暮れの朝日杯へ向けて視界良好、3歳マイル路線を牽引できる馬だ。距離は延ばさない方が良い。
$お宝馬 カーボナード 6番人気 3着 終始先行馬群の後ろ目を追走。直線は伸びがジリジリとはなってしまったが、レースぶりにソツがない。大物感はないが、大崩れもしにくいタイプに映った。
★日曜東京11R 毎日王冠(G1)◎本命馬 サトノアラジン 5番人気 2着 この馬にしてはいつもより前目に付けたのが好走の最大の要因。直線は外へ出して良く伸びた。リアルスティールをあと一歩まで追い詰めており、勝ったのと等しい評価を与えられる。天皇賞が楽しみになってきた。
$お宝馬 アストラエンブレム 6番人気 11着 出遅れが痛かった。もともと、展望でも「後方からになったら万事休す」と書いたように、前に行ってこそなので、この大敗は仕方ない。
★月曜京都11R 京都大賞典(G2)◎本命馬 シュヴァルグラン 1番人気 3着 結論からいうと、全く問題ない3着。負けてなお強しだ。スタートでサウンズオブアースとぶつかり合うところがあり、後ろに下がってしまったのが痛かったが、ジャパンCへの前哨戦としては文句なしの内容だった。
$お宝馬 フェイムゲーム 5番人気 10着 シュヴァルグラン進出時に後ろを付いていこうとしていたが、位置取りが上げられない。結局そのままのゴールとなってしまった。首を上げて嫌がるような素振りも見せていたし、今回のところは確たる敗因がレースからは見えてこない。内面の問題ではないだろうか。
【今週のポイント】
牝馬三冠目の秋華賞は、近年、オークス以降の台頭馬が上位を占めるケースが大半となっている。2013年以降の3着以内馬計12頭のうち、桜花賞終了時点で一線級にいたのはメイショウマンボ、ヌーヴォレコルト、クイーンズリングくらい。それ以外は、オークスを境に成長してきた馬ばかりだ。とくに勝ち馬では、ショウナンパンドラ、ヴィブロスはまさに夏の上がり馬だった。
今年は、春の女王ソウルスターリングが不在、春に主役候補の一角を担ったアドマイヤミヤビが引退。しかしアエロリット、ファンディーナ、リスグラシュー、モズカッチャンなどオークスより前の既成勢力は結構分厚いし、対するディアドラ、ラビットラン、カワキタエンカ、リカピトスら上がり馬たちの勢いもなかなかのものだ。もっとも、上がり馬たちには今回乗り替わりとなる馬が多いのは気になるが・・・。
近年稀にみる見所多い秋華賞になりそうで、馬券的にも難解。先述の傾向を見るに、◎は新興勢力から選ぶべきとなるが、果たして?
水曜夕方更新予定の有力馬診断で枠順、調教以外のファクターの目鼻が付けられるといいのだが。
【次回の狙い馬】
日曜・東京9R 7着 先行して粘り、直線なかばあたりまでは首位争いに加わっていたが、そこから一杯になってしまった。おそらく、直線の長いコースではここまでクラスが上がると適性が薄い。このあと秋の福島開催で適鞍があれば。あるいは中山まで空けてもいいかもしれない。
日曜・東京11R 2着 内容は上記の通り。天皇賞に向けてチャンスが広がった。天皇賞秋では、札幌記念からの直行組だけでなく、毎日王冠上位馬の連続好走も目立つだけに、グレータ―ロンドン、リアルスティール(BCマイル遠征との両睨み)らも含めて、期待できる。
プロフィール
水上 学 - Manabu Mizukami
1963年生まれ、東京大学卒業。 初めてレースを目にすることになった1971年の日本ダービーをキッカケに、競馬にノメリ込む。70年代後半から血統に興味を持ち、手製の血統表を作成。以後、試行錯誤を重ねつつ現在に至る。必然と偶然が折り重なる「血統」に魅了され、膨大なサンプルを解析。血統傾向を絶対評価と相対評価に体系化することで、より実践的な予想理論に昇華させている。多角的な観点から競馬を検証する鋭い分析力は、ファンのみならず関係者からも支持を受けており、現代競馬を語る上で欠くことのできない最重要人物である。ラジオ日本「競馬実況中継」メイン解説、雑誌「競馬の天才」など多媒体で活躍中。