『ぶち破れ!オレがヤル』

いきなり何のことだと思われるかもしれないが、我らが阪神タイガースの2019年チームスローガンである。23日金曜日、阪神甲子園球場で阪神タイガースのファン感謝デー2018にて発表された。矢野新監督は「バッターがチャンスの場面でオレがヤル、と思ってもらえたら」と決定理由を明かしたが、近年のスローガンである『超変革』『挑む Tigers Change』『執念』から一気に様変わりしたフレーズに、慣れるまでもう少し時間が掛かりそうだ。

『執念』を掲げて戦った2018年シーズン。本当にスローガン通りの戦いができていたか、となると少々疑問符が付く。監督もコーチも一新された今年、若手には殻を破り、旋風を巻き起こしてもらいたい。


先週の日曜日のマイルCSは当コラムで推奨したアルアインが3着。絶好調の10月ほどではないにしろ、11月も悪くない結果が続いているだけに、東京、京都の最終週も気持ち良く終えられるよう頑張っていきたいところだ。

土曜日の中央競馬、まずは京都11R・京都2歳S。このレースは京都内回り2000mで行われるが、内回りで、かつ長く脚を使うことが求められる。直線が平坦とはいえ、まだ体力が付ききっていない2歳馬にとってはタフなレースである。

実際過去のレース傾向を見てみると、父馬欄にはマンハッタンカフェ、ハーツクライ、ハービンジャーにスタミナ豊富な種牡馬の名前が並ぶ。いかに潜在的なスタミナを秘めているか、そこが重要になってくるのだ。

今年の◎ブレイキングドーンは、父ヴィクトワールピサが有馬記念を、母父ホワイトマズルは欧州の2400mG1であるキングジョージを2着しているスタミナ溢れた組み合わせ。母母父には凱旋門賞2着のエルコンドルパサー、その奥には凱旋門賞馬トニービンと、これでもかとスタミナ溢れる種牡馬を凝縮しており、持続力勝負は大歓迎だろう。

新馬戦の中身も濃い。先行馬に不利な阪神芝1800mの稍重馬場を先行すると、上がり3Fも34.4でまとめて、2着以下を突き放して快勝。2着に下したアドマイヤジャスタはその後、連勝で紫菊賞を制覇。クラシックの有力候補となっている。前走の萩Sは放馬してしまったため、その影響が心配されるものの、テンションさえ落ち着いて臨めれば素質はここでも十分通用する。

穴候補では昨年ワンツーするなど近5年で5頭の好走馬を送り出したハーツクライの血を持つスズカカナロアペルソナデザインあたりを挙げておきたい。


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東京11R・キャピタルSは秋の東京最終週らしく時計が速い決着が多い。先週の東京芝も平均より2秒近く速い時計の出る馬場で、昨年も1.32.6ほど速いかどうかは分からないものの、今年も1.33.0前後の決着が想定される。このように時計の速い芝に強いのが、末脚の切れ味鋭いサンデー系×と、持続力に優れるノーザンダンサー系の組み合わせ。ここ3年だけでも15年1着サンライズメジャー、16年2着テイエムイナズマ、17年2着サトノアレスがこの組み合わせに該当する。

大穴狙いで◎タガノブルグ。父はノーザンダンサー系ヨハネスブルグで、母父はサンデー系スペシャルウィークという組み合わせ。非常に狙いどころが狭い馬で、まず良馬場が前提となる。木曜から好天が続いて硬い馬場が見込めるのはプラスだろう。前走のオーロCは11着に敗れているが、歳を重ねるごとにズブくなり、もう1400mの追走は忙しい可能性がある。2走前の信越Sは4コーナーで不利があって6着。これも参考外だ。

もう覚えていない方もいるかもしれないが、この馬は4年前のNHKマイルCで1.33.2で走破してミッキーアイルの2着になったことがある馬である。その時の枠順は1枠2番。今回2枠4番と再び内枠を引いた実績馬が久々の一発を見せてくれても驚けない。


平場からはまず京都2R・2歳未勝利の◎リヴィエラ。父はトーセンホマレボシ。ダービー3着の実績がある馬だが、産駒はダートを走る馬も多い。自身の祖母であるクラフティワイフがアメリカ血統の組み合わせであることが影響しているのであろう。加えてリヴィエラの母父はブリーダーズCクラシックを制したティズナウ。500キロを超える馬体を踏まえて考えると、ダート替わりのこの一戦こそ狙い時と思える。

もう1レース挙げるのなら、東京3R・2歳未勝利の◎アドマイヤクロス。前走のデビュー戦は素質馬ルヴォルグに1.3秒離された7着だったものの、ルヴォルグが突き放しただけで、2着とは0.6秒差。しかもゲートで出遅れ後手に回ってしまったことを考えれば悪い内容ではない。多くの活躍馬を生み出しているアサーション一族の出身だが、同族の天皇賞馬アドマイヤジュピタ、ダービー2着馬アドマイヤメインもデビュー戦は負けていたように、初戦はそこまで走らない傾向がある。使った今回、一変を期待したい。