我らが阪神タイガースに早めのクリスマスプレゼントが届きそうだ。米大リーグのエンゼルスからFAとなっていたジェフリー・マルテ内野手と大筋合意に達したというニュースを各スポーツ紙が報じたのである。

毎年のように外国人野手に悩む阪神。ホームランを量産できる大砲候補として毎年のように大柄な外国人野手を獲得し、春のキャンプで伝説の助っ人であるランディ・バース氏にちなんで『バースの再来』と言われるものの、シーズンに入れば季節外れの扇風機のごとくバットを振り回し、築かれるのは三振の山。毎年の恒例行事に、ファンは『バースの再来の再来』と呼ぶほどである。昨年も韓国からウィリン・ロサリオ内野手を獲得。ポテンシャルは感じたものの、期待されていた結果は残せず、やや惜しまれつつ退団した。

マルテ内野手は米大リーグで通算30本塁打。守備もうまいとのこと。何より27歳とまだ若い。オネルキ・ガルシア投手、ピアース・ジョンソン投手、マルテ内野手を獲得し、来年から日本人扱いとなるランディ・メッセンジャー投手、残留した守護神のラファエル・ドリス投手にエフレン・ナバーロ選手を加えた陣容は悪くない。優勝するためには若手の活躍が不可欠だが、助っ人の力も重要なのは確か。来年1月1日の初詣の際は、神社でマルテ内野手が大当たりであることをただただ祈るばかりである。


土曜の中央競馬は中山10R・中山大障害で◎タイセイドリームがハナ差の2着に健闘。一瞬勝ったかと思わせる、素晴らしい走りであった。日曜は年末のグランプリ、中山11R・有馬記念が行われる。

今回の予想動画「うま馬データMOVIE」では、全16頭の舞台適性をランキング。血統適性のある人気薄も紹介しているので、ぜひご覧いただきたい。

◆有馬記念の予想動画は⇒



今年の有馬記念において、最大のポイントは『キセキがどのようなペースを刻むか』という点に尽きる。前走のジャパンCはアーモンドアイに屈したものの、自身の走破時計2.20.9は世界レコード。通常レコードはハイペースのレースで出やすいが、キセキの作るペースはそこまでハイペースではない。

☆ジャパンCレースラップ
12.9-10.8-12.2-12.3-11.7-11.8
-11.7-11.4-11.4-11.0-11.4-12.0

前半1000m通過タイム59.9秒は、過去10年のジャパンCにおいて4番目に速いもの。極端に速くはない。800m通過地点から11秒台を刻み始め、7F連続で11秒台をキープ、ラスト1000m57.2秒は東京2400m史上最速。キセキの驚異的な身体能力と心肺機能が超ロングスパートを可能にするのだろう。ではキセキのロングスパートが中山・有馬記念で可能なのかどうか。

☆有馬記念過去10年平均ラップ
6.9-11.4-12.0-12.0-12.4-13.1
-13.0-12.6-12.0-12.0-11.9-11.5-12.1

年によって変わる部分はあるが、ジャパンCと違って11秒台が少なく、1300m通過したあたりから次第に速くなり始めているのがお分かりいただけるだろうか。1300m通過地点は2コーナーの入口。中山競馬場と言えばゴール前の急な坂が有名だが、実はゴール板を過ぎた後の1コーナーにも、高低差2mほどの上り坂が存在するのだ。2コーナーで下り坂が始まり、向正面から4コーナー、直線入口までは平坦なコースが続く。

中山競馬場


仮にキセキがジャパンC同様、残り1400m以上ある地点からピッチを上げようにも、そこは1、2コーナー。キセキは跳びが大きく、下り坂、しかも狭いコーナーではペースアップし辛いだろう。向正面残り1000mほどからジワジワとペースが上がり始まるロングスパート勝負になりそうだ。

加えてジャパンC当日の東京競馬場は末脚も問われる軽い馬場。今の中山芝は開幕週より1秒近く時計が掛かり始め、上がりもそこまで速くないタフな馬場。ジャパンCと比べれば、まるで違う質のレースになるだろう

ただ、いくらジャパンCほどロングスパート勝負にならないとはいえ、向正面からスパートし、外を回って馬券に食い込むのは至難の業。内でスタミナをロスしないよう器用に立ち回り、ラストしぶとく伸びる能力が問われるレースになりそうだ。

キセキの逃げは序盤ハイペースではないと前述したが、序盤が速くないレースに強い血統がある。キングマンボの血だ。実際キセキの逃げたここ2戦、勝ち馬のレイデオロ、アーモンドアイは父キングマンボ系。もちろん馬が強い点は考慮しても、共にキングマンボ系が勝っている点は見逃せない。

有馬記念は過去、テンが遅いレースでキングマンボ持ちの好走が目立っている。14年、トゥザワールドが2着だった際は前半900mが過去10年で9番目に遅く、11年のエイシンフラッシュ2着、トゥザグローリー3着とキングマンボ持ちが2頭馬券になった際は、前半900mが過去10年で最も遅かった。今年も序盤は遅くなることが予想され、例年よりキングマンボ持ちが有利になると予想する。


・内枠からロスなく立ち回れる
・キングマンボの血を持っている


この2点を満たしている馬は1頭。◎モズカッチャンだ。母父はキングマンボ系キングカメハメハ。一族は内回り巧者が多く、ステファノスなど内を捌くのが上手い馬が目立つ。実際昨年のオークス2着やエリザベス女王杯1着時は内枠から内を捌いてのもの。ゲートが遅い時があるため内枠でも先入れの奇数は不安だが、観客席から遠い向正面スタートで、かつ前走一度使ってガス抜きした分、しっかりスタートを切ってくれると思いたい。

内枠は必須だっただけに、枠順抽選会中継を正座しながら観て、2枠3番を引いた瞬間興奮して立ち上がり、飲んでいたジュースを思いっきり床にこぼしたことはここだけの話だ。

前走エリザベス女王杯はラスト脚が上がり3着であった。当初は札幌記念から府中牝馬Sを挟んで臨む予定が、熱発の影響で予定変更、ぶっつけで臨むことになってしまった影響が大きく出たのだろう。今回はトラブルなく調整できており、状態面に不安はない。距離も内枠ならこなせるだろう。牡馬顔負けのグラマラスな馬体で、多少馬場が悪くなってもこなせる。今回はビッグチャンスだ。


天皇賞を制したレイデオロはキセキが逃げたレースで好成績を挙げている点が強調点。キングマンボ系でレースへの適性はありそうだ。右回りのほうが元々得意な馬で、中山替わりは心配ない。ネックはテンションの高い兄弟だけに当日の気配に左右されること、そして気持ち長そうな2500m、雨などで荒れた非根幹距離は京都記念で3着に敗れているだけに、そのあたりが心配なところ。

菊花賞で不完全燃焼の4着だったブラストワンピースも上位候補。配合の組み合わせはモズカッチャンと同じ。モズほど器用に内を捌けないタイプで、その分3番手評価とした。距離短縮はプラス。ポジション次第だろう。雨で持続力がより問われる展開になればクリンチャーミッキーロケットあたりを評価しておきたい。

◎モズカッチャン
〇レイデオロ
▲ブラストワンピース
☆クリンチャー
△④、⑤、⑩、⑪、⑭、⑮



阪神12R・ギャラクシーSが行われる阪神ダート、土曜開催は雨の影響もあり、時計が非常に速かった。10Rの摩耶Sではレコードタイムが記録されたほどである。上級条件では時計が速過ぎて外枠の馬が物理的に苦しくなり、ロスのない競馬ができた内枠が上位を占めていた。摩耶Sも、12Rの1000万条件も、共に馬番5番以内の馬が3着以内を独占している。

馬番4番の◎ユラノトは母がヴィクトリアマイルを制したコイウタという良血馬。準オープンは1800mで卒業しているものの、本質的にはマイル以下に適性があると見ており、距離短縮が合うタイプだと感じている。前走の武蔵野Sも鼻出血明けで急仕上げながら4着とポテンシャルの高さを見せつけた。枠順にも恵まれた今回は更なる前進が期待できる。

ただネックなのは芝スタートという点。これまでのレース振りから、オールダートの1400m~1600mが合うのではないかとも考えられ、互角にゲートを出ることが求められてくるだろう。


平場からは東西それぞれ1Rずつ、そしてクリスマスプレゼント?に中山からもう1R推奨馬を挙げていきたい。

西からは阪神2R・2歳未勝利の◎マスターフェンサー。母はダートで1000万まで出世したセクシーザムライ。子どもたちは非常に優秀で、これまで4頭がデビューし、初仔トップディーヴォ、2番仔エポックがダートでオープンまで出世している。マスターフェンサーは彼らの弟。

ジャスタウェイ産駒はまだダート替わりで結果が出ていないが、ジャスタウェイ自身の母父は米G1・BCクラシックを制したワイルドアゲイン。母系がダート血統ならば決してダート替わりは悪くないと見ている。ちなみに兄たちは合計2回だけダート替わりを経験し、共に2着と崩れていない。母は元々短距離馬だっただけに、距離短縮も好感が持てる。


東からは中山3R・2歳未勝利の◎ヴィクトリーキー。前走のデビュー戦・ランフォザローゼス組はレベルの高い一戦。勝ち馬は続く葉牡丹賞で2着、3着サトノジェネシス、4着ヴァンケドミンゴは次走でキッチリ勝ち上がったように、メンバーが揃っていた。このレースで僅差の5着のヴィクトリーキーも素質を秘めている。

しかも前走はレース上がり3F33.8という瞬発力勝負。キングカメハメハ産駒やディープインパクト産駒相手に、父ヴィクトワールピサ×母父キングズベストのこの馬が瞬発力で上回るのはなかなか難しい。今回は中山芝2000m、しかも雨も降り、パワーが求められているこの条件に替われば前進が期待できそうだ。


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