いよいよ2018年最後のコラム更新となった。

競馬ラボのサイトを開き、新着コラム欄を見ると、競馬評論家の水上学先生を始めとする強力連載陣が早々に翌日のレース展望に触れる中、当コラムは完全独自路線を突っ走り、やれ阪神タイガースファンをやめるだの、阪神タイガースが新外国人と交渉に入っただの、野球コラムなのか競馬コラムなのかよく分からない内容を繰り返してきた。

これだけコラム序盤に阪神タイガースの話を書きながら、競馬ラボ側からは一度たりとも最初から競馬の話をしてくれという依頼を受けたことがない。寛容なのか、もう諦められているのか定かではないが、来年もコラムの序盤はまず阪神タイガースの話からスタートしようと考えている。

ネックは春のキャンプがスタートするのが2月、オープン戦やペナントレースが始まるのは3月という点。1月のネタに困りそうなので、阪神の若手や外国人たちは積極的にネタ…ではなかった、話題を提供してほしい。


さて、有馬記念も終わり、今年も中央競馬最終日。中山11R・ホープフルSが行われる。

このレースの予想動画『うま馬データMOVIE』


こちらも参考にしていただきたい。


ホープフルSが重賞化されて今年で5回目。過去4回のペースを見ると、前半3F平均36.1。そこまで速くはない。しかしレースのラスト3F平均タイムは36.2。前半3Fのペースを考えればやけに掛かるのだ。理由は中盤にある。一気に緩いペースが入らず、1F12秒台前半~中盤のラップが刻まれることで、前半3Fが緩めの割に瞬発力勝負ではなく、持続力勝負となるのだ。

加えて冬の中山5週目。そろそろ馬場も荒れ始め、パワーが必要となる。前半が緩め、そしてパワーが必要なレースに強いのがキングマンボの血だ。実際近4年、キングマンボ持ちは

15年3着バディスティーニ(母母父アンバーシャダイ)
16年1着レイデオロ(曾祖母ウインドインハーヘア)
16年3着グローブシアター(母がスペシャルウィーク×サドラーズウェルズ)
17年3着ステイフーリッシュ(母母父シルヴァーホーク)

ほぼ毎年のように3着以内に入り続けている。加えて中山芝2000mは2歳馬にとって厳しく、タフな舞台であることから、母系にスタミナのある血を持っている馬が強い。上記したように、バディスティーニの母母父は天皇賞(春)を制したアンバーシャダイ。グローブシアターの母はオークス馬シーザリオで、ダービー馬スペシャルウィーク×スタミナ血統サドラーズウェルズの配合だ。

昨年の1、2着馬はキングマンボの血を持っていないが、1着タイムフライヤーの母父はブライアンズタイム。2着ジャンダルムの父はサドラーズウェルズ系。どちらもパワーと持続力に優れている血脈である。


まとめると、
・キングマンボ持ち
・母系にスタミナ血統持ち

の馬を狙いたい。

条件に該当する馬から◎ブレイキングドーンをチョイス。父は有馬記念を制したヴィクトワールピサで、母父はキングジョージなどで2着のあるホワイトマズル。母母父が凱旋門賞2着のエルコンドルパサーで、3代母父は凱旋門賞馬トニービン。日欧の2400m以上のG1で実績を残した馬たちをただひたすら交配し続けてきたことで、心肺能力が極めて高い、持続力溢れる馬が誕生した。

新馬戦の中身が濃い。先行馬に不利な阪神芝1800mの稍重馬場を先行すると、上がり3Fも34.4でまとめて、2着以下を突き放して快勝。2着に下したアドマイヤジャスタはその後、連勝で紫菊賞を制覇と相手も弱くなかった。放馬による除外明けが心配された前走の京都2歳Sもしぶとく伸びて、クラージュゲリエから半馬身差の2着。クラージュはハイレベルの札幌2歳Sで不器用な競馬ながら3着となっている馬で、このレースの上位人気馬とも差はない。テンション面から初めての長距離輸送が心配されるが、落ち着いて臨めれば十分チャンスはある素質馬だ。


サートゥルナーリアはクラブで募集される段階から、この馬が走らなかったら何が走るのか、と思えるほど素晴らしい体型の馬。キングマンボ持ちで、母がスペシャルウィーク×サドラーズウェルズ。血統的にも非の打ちどころはなく、フォームも素晴らしい。調教の動きなどもはや2歳馬を超越している。

ただしネックは萩Sでしっかり負荷がかかっていないこと。ホープフルSがより持続力勝負になるとどうか。これまでシーザリオの仔は、初めての中山2000mでエピファネイアが5着、リオンディーズが2着、グローブシアターが3着と、前走から着順を落としている。気難しかった兄たちより落ち着いており、操縦性は高そうで杞憂かもしれないが、少なからず不安を覚える。

7着クリノガウディーが次走の朝日杯FSで2着になるなど、ハイレベルだった今年の東京スポーツ杯2歳Sの勝ち馬・ニシノデイジーもハービンジャー産駒、そして母系にスタミナ血統を抱え、持続力勝負で同じくハイレベルであった札幌2歳Sを制していることもあり有力候補の一頭。ネックは最内枠。そして前走の東スポ杯2歳Sは内有利の馬場を活かせた面があり、最内枠から後手に回るようなら不安はある。

それならば母父が英ダービー馬モティヴェーター、母母父は英ダービー馬クエストフォーフェイムと重厚な配合で、東スポ杯も一度は抜け出しているヴァンドギャルドを上に取りたい。この配合にしては反応が良過ぎるところがあるのは不安だが、能力は高い。

一発ありそうなのがヒルノダカール。元々調教駆けするように脚力のある馬なのだが、父ヴィクトワールピサ、母父メジロマックイーンに加え、母母父はジャパンCを制したカツラギエース。古い母系ではあるものの、そのしぶとさは中山の持続力勝負で活きる場合が多い。前走の内容は、その前の新馬戦と比べて遥かに良かった。この手のタイプは相手強化でも侮れない。

◎ブレイキングドーン
〇サートゥルナーリア
▲ヴァンドギャルド
☆ヒルノダカール
△①、⑦、⑧、⑨、⑫


阪神11R・ベテルギウスS が行われる阪神ダートは、先週異様に時計が速かった。近年稀に見るレベルと言っていい。さすがに先週ほど速くはないだろうが、今週もそれなりに時計は速いだろう。時計が影響したか、ロスなく競馬できる内枠で、かつ自身が芝実績を持っていたり、近親に芝の重賞活躍馬を持っているような馬がよく3着以内に食い込んでいた。

2番枠を引いた◎ジュンヴァルカンは自身が芝で準オープンまで出世し、叔母にオークス2着馬ベッラレイアがいる血統背景を持つ。前走の福島民友Cは休み明けで二の脚が付かず、小回りで後手に回って道中は外の8頭目付近を回り、ロスしかない競馬で12着に敗れた。1700mのレースで、1800m以上走っていたかもしれない。

ゲートが遅いのは不安点だが、幸いにも後入れの偶数枠を引き当てた今回。阪神ダート1800mへの距離延長もプラス材料で、動かせる岩田騎手とも手が合う。極端に速い時計でなければ巻き返せる可能性はある。


他のレースからは3頭。

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2鞍目は阪神9R・春待月賞の◎キタサンデイジー。前走は半年の休み明けで、1200mへの距離短縮、そして最内。三重苦とも言える条件で思いっきり砂を被り、まるで伸びず16着に沈んでしまった。

今回は叩き2戦目で距離延長。引き続き内枠だが、自身の外に絶対に行きたい先行馬が少なく、5番枠でも主張すればポジションが取れそうなメンバー、枠の並びである。楽に行ければ違う馬。一変を期待したい。


最後に中山10R・立志Sの◎エジステンツァ。以前は集中力を欠いたり、ラストジリジリになる馬だったが、4ヶ月の休養を挟んで臨んだ2走前で一変。前残りの流れを猛然と差してきた。レース振りが以前とは完全に一変している。騎乗した大野騎手も「馬が変わった」と言っていたが、実際昇級初戦の前走も完勝。エリザベス女王杯を制したリトルアマポーラを母に持つ良血馬が完全に軌道に乗ってきた。

時計が速い今開催の中山ダートにも対応できる持ち時計があり、かつ鞍上は集中力を切らさないタイプの乗り方をするO.マーフィー騎手。今の状態であれば準オープンでも戦えるはずだ。