中山グランドジャンプ。絶対王者・オジュウチョウサンの完勝劇には観ていたこちら側が度肝を抜かれた。あれだけ入れ替わりの激しい展開で、お世辞にも全て成功とは言えない飛越、向正面ではアメリカの大統領のごとく周りを囲まれ、それでも自分でペースを上げて周りのスタミナを削り勝負をつける…。昨年の勝ち時計より4秒以上も遅い勝ち時計も、時計に現れない、王者の強さをヒシヒシと感じるレースであった。

ところ変わって、オーストラリアではウィンクスが33連勝で引退レースを見事制した。南半球を中心とした戦績だけに一概に他国の馬と比べることは難しいが、厳しいローテの中、いつも通り自分のレースができる精神面の強さは特筆モノ。その強さは伝説としてこの先も語り継がれるだろう。

一方、我らが阪神タイガースは、今日も中日ドラゴンズに敗れ、これでホームの甲子園で4連敗となった。満塁ホームランを1試合に2本も浴びればそりゃ負ける。この4試合は1試合平均2得点。チーム防御率4.7超えではどうやっても勝てない。サッカーJ1・セレッソ大阪はここ4試合の平均得点が1.5点。そこまで変わらないのだ。我々が見たいのは野球である。借金4とはいえ、明るい未来がなかなか見えない。明るい未来へ就職希望である。


さて、日曜の競馬に話を移そう。


日曜の中山11R・皐月賞についてはこちらの動画でもレースを分析しているので、ぜひ参考にしていただきたい。


皐月賞の予想動画は⇒


土曜の中山芝は良馬場。ただ週中の雨で、ほとんど稍重に近い状態の良馬場であった。実際芝の勝ち時計はそこまで速くなく、ハービンジャーなど重厚な血が大活躍している。明日日曜の中山競馬場の天気予報を見ると、15時付近まではギリギリ天気は持ちそう。今日よりも時計が速くなる前提で話を進めたい。

エアレーション作業が施されるようになって以降、皐月賞の時計は明らかに速くなっている。動画でも話したように時計が速い年だった、15、16、17年は前走1800m以下の馬がよく3着以内に来ている。それだけスピードが求められるということだ。

今年は皐月賞トライアルである弥生賞、スプリングSのレベルがそこまで高くないことを踏まえて考えると、共同通信杯組を上位に考えたい。その共同通信杯はスローの決め手勝負。勝ち馬のディープインパクト産駒ダノンキングリーより、切れ味負けした感の強い◎アドマイヤマーズを本命にした。

競馬センスのある馬で、好スタートから好位置を取れるのが何より大きい。今開催の中山芝は開催前半からジョッキーが口々に「3、4コーナーの内が悪い」というように、決して内枠がプラスに働かないことから、好位さえ取れれば自分で好きな位置を選べるポジションに付けられる。

血統を見ても、母父は小回りの持続力勝負に強いマキャヴェリアン系のメディシアン。母母父はスタミナに加え高速馬場適性も伝えるサドラーズウェルズ系シングスピールと皐月賞向きの血統構成である。小回りのコーナーワークが上手いヘイローの血を母系の奥にも持っている点もプラスだ。


大器サートゥルナーリアは時計面の強調点に欠けるものの、身体能力という点においては近年の日本産牡馬の中では飛び抜けたものを持っており、正直底が知れない。能力が高過ぎるため脚が心配になるほど。無事に回ってこれれば……というところ。

時計が少し掛かる場合はヴェロックスが面白い。日曜の中山は南南西の風。道中前に壁を作り、4コーナーで外を早めに動いて持続力を活かせる競馬ができれば、風のアシストが期待できる。ただ跳びが大きいため、ゴチャついた時の不安は残る。時計が速く硬い馬場の場合ならファンタジストあたりも押さえておきたい存在だ。いずれにしても雨が降るか降らないか、直前まで待ってから馬券を購入したいレースである。

皐月賞
◎アドマイヤマーズ
〇サートゥルナーリア
▲ヴェロックス
☆ファンタジスト
△④、⑥、⑧、⑰


阪神11R・アンタレスSの話に移る。このレース、近5年中4年で1分49秒台の決着と、毎年時計の速い決着が続いている。加えて過去5年の3着以内馬の父、母父欄を見ると、キングカメハメハ、ディープスカイ、ジャングルポケット、ゼンノロブロイ、アドマイヤベガと、東京の芝2400mのG1を勝った馬の名前が並ぶ。芝も走れるくらいのスピード、そしてスタミナ血統を持っている馬がいい、ということなのだろう。今年、父か母父が東京の芝2400mG1勝ちという馬は5頭。

ピオネロ。父はダービー馬ネオユニヴァースで、自身も芝で準オープン勝ちがある。以前はゲートが悪く内枠奇数で狙いにくい馬であったが、だいぶゲートが良くなってきているだけに、今なら最内枠もこなせる可能性はある。隣のテーオーエナジーは砂を被るとモロいことから、ここはハナを奪いに行くだろう。その分内にスペースが生まれる。うまいことそこに収まりたい。

テーオーエナジーにオルナなど逃げたい馬が絡むことで、ペースは極端に緩くはならないのではないか。湿った砂の時計勝負に対応できるロンドンタウンなどは上位評価しておきたい。

アンタレスSの予想印はコチラで公開⇒


その他のレースからは合計4R取り上げよう。出血大サービスである。


まずは阪神8R・4歳上500万の◎ミスマンマミーア。大昔の話だが、この馬、2歳時のコスモス賞でステルヴィオとタイム差なしの2着になった馬で、当時から距離が長いところの芝が合う馬と見ていた。翌年のオークスでも見てみたい……そんな希望を持っていたのだが、2歳時の葉牡丹賞以降、いっこうに芝の長いところを使われず、ひたすら南関のダートを使われ続けていた。もったいないと思いながら観ていたものだ。

前走は転入したことで1年以上ぶりに芝の中距離を使われたものの、高松宮記念が行われたこの日は内の状態がかなり良く、そのような馬場で大外16番では勝負にならない。その条件下で上がり最速の脚を使って6着まで追い込んだあたり、やはり力がある。明日は内枠に替わり、加えて雨。コスモス賞でステルヴィオに迫った時も雨が降って馬場が悪かった。楽しみな一戦である。


続いて中山12R・春興S。このレースの勝ち馬は15年のサトノアラジン以降、4年連続で翌年の同舞台・ダービー卿CTを勝っている。今年も、前年の春興S勝ち馬であるフィアーノロマーノが勝った。関連性が強過ぎる。

よく見るとここ4年の春興S勝ち馬4頭のうち3頭はダンジグの血を持っていた。今年のダービー卿CTもダンジグの血を持った馬がワンツースリーである。どちらもダンジグの血がいい方向に働きやすいレースなのだろう。今年の春興Sでダンジグの血を持った馬は、なんと◎イレイション1頭。競馬はこんなに簡単だったか、現在自問自答している。


どんどんいきましょう。福島12R・奥の細道特別は一部の愛好家から"福島の凱旋門賞"と呼ばれるほどの高い人気を誇っており、筆者もこのレースを愛する一人である。開催4日目、少々馬場を使い込んだ状態で行われることで、開幕週に行われる同条件の燧ヶ岳特別より持続力を問われる場合が多い。週中雪が降った影響で、土曜の福島芝は良馬場とはいえ上がりが掛かっていた。今年もここ3年同様上がり3F36秒台の、タフで楽しいレースが期待できそう。

奥の細道特別はここ3年全てで、父か母父ロベルト系の馬が1頭は3着以内に入っている。昨年も母父ブライアンズタイムのマコトガラハッドが押し切ったように、ロベルトの持続力が活きるレースとなりやすい。今年父か母父ロベルト系の馬は3頭。その中から◎スクエアフォールドをチョイス。

父はロベルト系シンボリクリスエス。少々折り合いに難のあるところはあるが、折り合って運べば終いは脚を使うタイプの馬。もはや2年半も前の話で恐縮だが、雨で馬場が緩み重馬場開催となったこの舞台のフルーツラインCで2着があるように、タフな馬場も問題ない。

かの松尾芭蕉は奥の細道で"1000万 タフな馬場では ロベルト系"という句を詠んだそうだ。高校の古典の授業で習うらしいが、高校の古典の授業中に競馬の勉強に勤しんでいた筆者は、あいにく聞き漏らしている。


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