香港国際競走

  • 香港カップ(芝2000m)

    シャティン競馬場

    JAPAN日本馬の評価

    ウインブライト(牡5、美浦・畠山吉厩舎)
    アーモンドアイが遠征を取りやめたことで、香港カップに出走する唯一の日本代表となった。器用さを武器としており、このコースでは春のクイーンエリザベス2世カップにて、内枠を利して器用に立ち回り、エグザルタント、リスグラシューを倒してみせた。この秋は状態が上がり切らず連敗を喫しているものの、得意の舞台で一変はありえる。

    JAPAN外国馬の評価

    フローレ(セン5、香、F・ロー厩舎)
    地元のエースがこの馬。昨シーズンの香港2冠馬だ。今年の3月に香港ダービーを快勝している。その後クイーンエリザベス2世Cはウインブライトから1.4秒離された9着に終わったものの、今シーズンは使いつつ調子を上げ、前哨戦の香港ジョッキークラブカップではヴァーズで人気を背負うエグザルタントの2着に食い込んでいる。

    マジックワンド(牝4、愛、A・オブライエン厩舎)
    世界中をタフに飛び回り、この秋5戦目。9月の愛チャンピオンSではマジカル、10月のコックスプレートではリスグラシューの2着と名牝相手に好勝負を演じ、前走のマッキノンSで悲願のG1初制覇を成し遂げた。2走前のメルボルンカップ10着は距離の影響もあり、中距離に限れば今年ほとんど崩れていない。

  • 香港マイル(芝1600m)

    シャティン競馬場

    JAPAN日本馬の評価

    インディチャンプ(牡4、栗東・音無厩舎)
    安田記念、マイルCSと春秋マイルG1を両方制覇する快挙を成し遂げた、"現日本最強マイラー"。ペースも速く時計が速かった安田記念、そして時計が掛かり持続力勝負となったマイルCSを共に勝ったように、コースへの対応力が高い。内を突ける点も魅力で、馬場もこなしてくるだろう。本格派を果たした今、世界征服に乗り出す。

    ペルシアンナイト(牡5、栗東・池江寿厩舎)
    1800mか、時計が掛かるマイルを得意としている馬で、前走のマイルCSは適度に時計も掛かる、この馬向きの馬場だった。香港マイルは昨年5着に敗れているとはいえ、時計の掛かる芝を得意としているこの馬には合っていないことはない。道悪は苦手なだけに、良馬場で開催してくれれば、この馬にもチャンスが出てきそうだ。

    アドマイヤマーズ(牡3、栗東・友道厩舎)
    18年朝日杯FSを制した実力馬。今年に入ってから馬券を外したのは、距離が2000mだった皐月賞と、休み明けだった富士S。富士Sで9着と少々負けすぎなところは否めないが、叩き2戦目で状態は上がっているだろう。モタれる部分を出さなければ通用する可能性はある。新コンビのスミヨン騎手の手綱捌きにも注目だ。

    ノームコア(牝4、美浦・萩原厩舎)
    今年完全に本格化したマイルの女王が香港に挑む。中山牝馬Sこそ7着に敗れたが、ヴィクトリアマイルでは1.30.5の好タイムで初G1制覇。その後骨折休養を挟み、休み明けで臨んだ富士Sでは後方から鮮やかに差し切ってみせた。先行しても差しても競馬できる柔軟性は大きな武器となる。時計が掛かる芝もこなせるだけに十分チャンスはありそうだ。

    JAPAN外国馬の評価

    ビューティージェネレーション(セン7、香、J・ムーア厩舎)
    『世界最強マイラー』とも呼ばれる、この路線のトップホース。春のチャンピオンズマイルも圧勝し秋のシーズンも視界良好だったものの、この秋は2走前のシャティントロフィーでまさかの3着。続く香港ジョッキークラブマイルも3着と連敗を喫している。斤量面の影響はあったとはいえ、パフォーマンスは低調。

  • 香港スプリント(芝1200m)

    シャティン競馬場

    JAPAN日本馬の評価

    ダノンスマッシュ(牡4、栗東・安田隆厩舎)
    今年のキーンランドC勝ち馬が香港に挑む。函館スプリントSは除外となったものの、キーンランドCを快勝し、前走のスプリンターズSは3着。シャティン競馬場は洋芝で平坦。キーンランドCの舞台である札幌競馬場と似通る部分がある。父ロードカナロアは香港スプリント2連覇という実績を残し、その存在はもはや伝説。強豪相手に父に近づく走りを見せられるかどうか。

    JAPAN外国馬の評価

    エセロ(セン3、香、J・ムーア厩舎)
    香港短距離路線の新星。ここまで6戦5勝、3着に敗れた3走前もスタート直後に左右の馬とぶつかった影響でポジションが下がってしまったことによるもの。それ以外は完勝続きで、着実にタイムを詰めている。前走の香港ジョッキークラブスプリントの勝ちタイム1.07.5は、昨年の香港スプリントより1.3秒近く速い。

    ビートザクロック(セン6、香、J・サイズ厩舎)
    香港短距離路線の安定株にして、昨年のこのレース3着馬。今年初戦のセンテナリースプリントCで、香港スプリントで後塵を拝したミスタースタニングに雪辱を果たして1着。4月末のG1・チェアマンズスプリントも制してみせた。7カ月ぶりの前走で3着と、臨戦過程も上々。叩いた上積みを考えればここでも評価は落とせない。

    ミスタースタニング(セン7、香、F・ロー厩舎)
    香港スプリント連覇中のベテラン。今年は緒戦のセンテナリースプリント、香港スプリントカップと惜敗が続いた後故障で休養入り。7カ月ぶりの前走香港ジョッキークラブスプリントは8着だった。ただ休養明けということを考えれば上々の内容で、3連覇の偉業に挑む。

  • 香港ヴァーズ(芝2400m)

    シャティン競馬場

    JAPAN日本馬の評価

    ディアドラ(牝5、栗東・橋田厩舎)
    今年のナッソーS優勝馬。ドバイ、香港、イギリス、アイルランドと転戦し、今年海外7戦目とタフに走り続けている。タフなグッドウッド競馬場でナッソーSを勝っているようにパワー十分。内を捌けるタイプだけに、馬群が密集する香港も大丈夫。昨年の香港C2着と、シャティン競馬場への適性もある。

    ラッキーライラック(牝4、栗東・松永幹厩舎)
    前走のエリザベス女王杯で、17年阪神JF以来約2年ぶりの勝利を挙げて勢いに乗る。今年の4着以下は共にマイル。歳を重ねてマイルの時計勝負より中距離のほうがこの馬には合っているのかもしれない。内を器用に立ち回れるタイプだけに、タイトなレースとなる香港競馬は合っていそう。勢いに乗って海外G1奪取を狙う。

    グローリーヴェイズ(牡4、美浦・尾関厩舎)
    今年に入り本格化した4歳馬。日経新春杯を快勝すると、続く天皇賞・春では初めての3200mも苦にせず、フィエールマンの2着に食い込んだ。約5カ月ぶりとなった前走の京都大賞典は1番人気ながら6着に敗れたものの、これは8枠16番が影響した部分もあり、参考外の結果とも言える。時計の掛かる芝にも適性を見せており、ロスのない競馬ができれば一発があっていい馬だ。

    JAPAN外国馬の評価

    エグザルタント(セン5、香、A・クルーズ厩舎)
    昨年のこのレースでリスグラシューをクビ差抑えて優勝した、香港中長距離界の強豪。今年は完全に本格化し、7戦して4着以下なしとほぼパーフェクトの戦績を残している。今シーズン緒戦は3着とはいえ、休み明けに加えて距離も1800mと短く参考外。前走では香港ダービー馬フローレを一蹴しており、連覇に向けて視界は良好。

    アンソニーヴァンダイク(牡3、愛、A・オブライエン厩舎)
    今年の英ダービー馬が香港へ参戦する。続く愛ダービーは2着、続くキングジョージは10着と結果を残せなかったが、展開や馬場によるもの。秋の2戦は強豪相手に連続3着と、力のあるところを見せている。時計の速いアメリカ・サンタアニタから少し時計が掛かる香港の芝に条件が変わるのはプラスだ。