一時は年間0勝というどん底を味わいながらも、今や大手の主戦ジョッキーとして活躍を見せる
不死鳥ジョッキー。諦めることなく復活を果たした男が日々の騎手生活を自らの言葉で紡いでいく。
勝手知ったるラインナップです
2022/4/7(木)
なかなか勝ち切れずに苦難が続いています。ミニョンルミエール(1人気3着)は一生懸念に走ってくれましたが、とりわけ勝ち馬が強かった。毎回頑張っている疲れも見え始めた印象なので、一度放牧に出して立て直す話になりました。アケルナルスター(3人気6着)はいつも以上に進みが悪く、勝負所もらしくない反応でした。メンバー的に力は上だったはずで、コースというよりは馬場適性による敗因が大きいと見ています。この馬も一度放牧に出して仕切り直すことになりました。
この土曜は中山で4鞍に騎乗します。2Rのマイネルサハラはデビュー前の調教が抜群で期待していた一頭。案外だった初戦から立て直しての2戦目で中間は跨っていませんが、まともなら今の未勝利では力が上のはず。改めて期待しています。4Rのキタノホマレボシは初ダートだった前走で流れに乗ることができました。地元かつダートの続戦で前進を見込んでいます。5Rのガイフウカイセイは初芝になります。ハミを取ったり取らなかったりと気持ちがムラなので、この条件で集中して走らせてあげたい。10Rのフォースオブウィルの前走は、ゲートの中で苦しがって立ち上がる仕草をしたタイミングでスタート。敗因は明確で、関西の好メンバーにも馬群を割って追い上げました。長距離輸送後もいい状態をキープできているので、得意コースで自ずと力が入ります。
日曜も中山で6鞍に騎乗します。1Rのラブミードゥの前走は休み明けでもよく頑張ってくれました。大きな上積みが期待できそうで楽しみにしています。2Rのサパテアールの前走は強敵相手で時計も速かった。そんな中でも集中が途切れずに走れていました。この中間も順調そのもので、結果を出したい一戦になります。3Rのランプロティタは新馬2着と好走した舞台。気のいい馬で、むしろ久々のほうが力を出してくれるタイプ。いいイメージを持って臨めます。
4Rのグラジオラスの前走は休み明けの分もあったと思います。素質を感じる馬なので、一度使った効果と相まって頑張ってくれるはず。9Rのコスモスタックの前走はスタートが全て。この馬がゲートの中でガタついたのは初めてでした。今の中山なら自分のペースで走れればあんなに負けることはありません。10Rのマイネルユキツバキは使いながら良くなってくるタイプ。59キロの斤量も楽ではありませんが、休み明け3戦目でそろそろこれならというところを見せたい。キッカケを掴んであげたい一心です。
勝って気分良く花見と考えていたのですが、そうならなかったことと春休みで人も多いので、近所の公園でひっそりと楽しみました。気持ちを落ち着かせる意味でも悪くなかったです。勝利が遠のいている中にあってもチャンスある馬に乗せていただけているので、この感謝の気持ちを結果に繋げられるように精進します。
プロフィール
柴田 大知 - Daichi Shibata
1977年6月18日生まれ、栃木県出身。
1996年に騎手デビュー。デビュー2年目までは年間20勝以上をマークする若手有望株として注目を浴びたが、年々勝ち星が減少。遂に2006〜2008年は未勝利に終わった。しかし、騎乗数を徐々に取り戻すと、2011年には中山グランドJで涙のG1制覇。「マイネル軍団」の主戦ジョッキーとしてのポジションも確固たるものとした。2013年にはマイネルホウオウでNHKマイルCを制し、平地・障害ダブルG1制覇を達成した。