連覇懸かるも 初の休み明けを迎えるホッコータルマエ
2014/10/29(水)
-:JBCクラシックに出走するホッコータルマエ(牡5、栗東・西浦厩舎)ですが、ドバイWC以来の休養明けになり、ファンの注目は久々で状態がどの程度か、に尽きると思います。今の状況を教えて頂けますか?
西浦昌一調教助手:栗東には10月初旬に帰ってきたのですが、初めての長期休養だったので、緩みが目立ちました。それでも、急にペースアップすることなく、徐々に時計を詰めている段階です。
-:追い切りを重ねてきて、動きは自体はいかがですか?
西:ちょっと緩みが感じられたので、一気にペースアップできない感じだったのですが、15-15を挟んだことで、馬の前進気勢と体幹が、これならやっていける、という感じになりました。
-:これだけの実績馬ですし、競馬場は違えども連覇の懸かる一戦です。昌一さんのジャッジとしては、どれくらいの感触ですか?
西:初めての長期休養明けですが、やり込んでスイッチが入ってきていますし、こなしても不思議のないポテンシャルがあります。
「ハミに向かってきて、普段のタルマエと遜色ないくらいの感じではありますが、それでも、本数が足りない部分も否めないです」
-:競馬場も南部杯で経験していますし、あとはタルマエをどこまで走れる態勢に持ってこられるかですね。気持ちの面はどうですか?
西:ハミに向かってきて、普段のタルマエと遜色ないくらいの感じではありますが、それでも、本数が足りない部分も否めないです。
-:その分は、我々も割り引いて考えた方が良いポイントかもしれないですね。
西:そこは底力に期待という部分もありますし、来週の一本でどこまで上向いていくかです。やればやるだけ、使えば使うだけ、どんどん上向いていく馬です。
-:盛岡競馬場は栗東から11、12時間かかり、ファンが思っているよりも遠い競馬場です。府中への往復くらいかかりますが、今の体重は輸送に耐えられる余裕がありますか?
西:余裕はあります。減っても二桁いかないくらいです。南部杯の時に盛岡の競馬場は経験しているので、その加減は大丈夫です。
-:ドバイWCでの着順を残念に思ったファンも多かったと思います。状態自体は良かったと聞いていました。
西:状態が良すぎて、ピークが最終追い切りだったかもしれません。
-:そこら辺が海外遠征の難しさですね。JBCの後は初開催のチャンピオンズCが目標になると思いますが、良い休み明けを迎えて欲しいです。
西:休み明けのG1は他の厩舎より実績が良いですし、初物には強いです。そこらへんに期待したいです。
-:最終追い切りは、どういうテーマでやられますか?
西:全体的な時計もですが、どれだけ最後まで一生懸命に走れるかです。ジョッキーの気合いの注入と、前進気勢がメインになります。
-:今週の水曜日は幸騎手に跨ってもらうのですね。
西:しっかりと併せ馬でやります。
-:怪物の復活を待っているファンにメッセージをお願いします。
西:初めての休養明けですが、これからたくさんのレースがあるので、良い結果を出せるように頑張ります。応援よろしくお願いします。
-:リフレッシュしたタルマエに期待しています。
西:新生タルマエです。よろしくお願いします。
(取材・写真=高橋章夫 写真=競馬ラボ特派員)
プロフィール
【西浦 昌一】Syoichi Nishiura
昭和49年生まれ。西浦勝一調教師の3人兄弟の長男。当初はこの世界に入るつもりはなく、東京の大学に進学するつもりだったが「早く一人前になりたい」という思いから留まることに。当時はまだ西浦師の騎手時代で、父の思い出の馬を尋ねると「カツラギエースの時は小学校5年生くらいで、社宅の周りで自転車レースしていたんです。みんなおめでとうおめでとうって言って、何がおめでとうなんだろうなと。うちのオカンは騒いでるわで、凄いレース勝ったんだ位にしか思わなかった」と。
当初に所属したのは解散した星川厩舎で「当時ジョッキーだった本田さんと仲が良かったので、頼んだら入れてくれたという感じ。可愛がってもらえて、サンライズ系とか外車、サンデーなど走る馬ばっかりやらせてもらってました」。西浦厩舎は開業して1年後から15年間所属しており、現在は持ち乗り助手として活躍。毎日馬に接する時のモットーは「一緒に気持ちを分かってあげる、仲良くしているんだけど少しだけ優位に立っておきたい」。同世代に元騎手の飯田祐史調教師などがいる。
【高橋 章夫】 Akio Takahashi
1968年、兵庫県西宮市生まれ。独学でモノクロ写真を撮りはじめ、写真事務所勤務を経て、97年にフリーカメラマンに。
栗東トレセンに通い始めて18年。『競馬ラボ』『競馬最強の法則』ほか、競馬以外にも雑誌、単行本で人物や料理撮影などを行なう。これまでに取材した騎手・調教師などのトレセン関係者は数百人に及び、栗東トレセンではその名を知らぬ者がいないほどの存在。取材者としては、異色の競馬観と知識を持ち、懇意にしている秋山真一郎騎手、川島信二騎手らとは、毎週のように競馬談義に花を咲かせている。
毎週、ファインダー越しに競走馬と騎手の機微を鋭く観察。馬の感情や個性を大事に競馬に向き合うことがポリシー。競走馬の顔を撮るのも趣味の一つ。
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