牡馬を一蹴！最強牝馬の座をうかがうヌーヴォレコルト
2015/5/10(日)
今春の最大目標は宝塚記念
－：ヴィクトリアマイル(G1)に出走するヌーヴォレコルト(牝4、美浦・斎藤誠厩舎)についてお聞きします。まずは2015年、春シーズンはどのような予定を考えていらっしゃったのか教えていただけますか？
相田一善調教助手：中山記念から始動して、その後はヴィクトリアマイルを使って、最終目標しては宝塚記念という予定を考えていました。
－：現在その通りにきていますね。昨年のエリザベス女王杯の後は、どのように過ごされたのですか？
相：放牧に出しました。しっかり休ませたので、厩舎に戻ってきたときには秋の疲れは取れていましたね。
－：中山記念に向けての調整で気を付けていたポイントはどういうところになりますか？
相：真面目過ぎるくらい真面目な馬なので、あまり追い込み過ぎると早い段階でピークが来てしまいますから、気持ちをコントロールしながらやってきました。ただ、春の最終目標である宝塚記念は牡馬相手のレースになりますから、そこでどれだけやれるかを測る意味もあって、しっかり仕上げようということで負荷はかけていきました。中山記念には皐月賞を勝った馬も出走していましたし、力のある牡馬相手にどれだけやれるかな、ここで良い勝負ができれば宝塚でも、ということで休み明けでもしっかりやりました。
－：中山記念当日の気配は、どのようにご覧になられましたか？
相：良い仕上がりだと思いました。それで、あの日は雨だったんですよね。雨の中での競馬が初めてだったので、パドックでお客さんの傘を見ていましたよ。物見をしながら周回していましたね。
－：そうだったのですか。ちなみに初めての雨にくわえて、中山競馬場で使うのも初めてでしたよね。
相：そうですね。しかし、初めての競馬場というのは特に問題はありませんでした。2歳の頃から輸送競馬を経験していますし、競馬場の環境の変化は影響しませんね。
－：なるほど。レース内容についてはいかがでしょう。
相：途中でかかるようなところもありましたが、狭いところを割ってきて強いレースをしてくれたと思います。去年の秋華賞、エリザベス女王杯で岩田騎手がすごく悔しい思いをしていたのを知っていましたし、中山記念で結果が出て、僕たちも良かったと思いました。
－：レース後はどのように過ごされましたか？
相：山元トレセンに放牧に出しました。今回は牧場でもしっかりと調整されてきましたし、厩舎に戻ってきたときにはある程度態勢が整っていましたね。トレセンに来てからは、また気持ちをコントロールするように調整してきました。
古馬になってフォームが改善
－：今週(5/6)の1週前追い切りでは、岩田騎手が騎乗されましたね。
相：前の馬を追いかけて、終いを伸ばす形でやりました。岩田騎手は「3、4コーナー辺りでは少しモタつくところもあったけど、直線で気合いをつけてからは良い伸びを見せてくれた」と話していました。1週前追い切りでジョッキーに乗ってもらって気持ちのスイッチを入れようという予定でしたし、そうなってくるような追い切りができたと思います。
－：相田さんは普段の調教で跨っていらっしゃいますが、ヌーヴォレコルトは気性面でどういう特徴のある馬ですか？
相：乗り手の指示にすぐ反応してくれますし、頭が良い馬です。後はやっぱり真面目ですよね。レースでも頑張って走ってくれますし、調教でも一生懸命走りますから。本当、頭が下がりますよ。レース前にあまり燃え過ぎないように、というところだけ気を付けてあげれば大丈夫だと思います。
7日、ウッドコースで一週前追い切り
併せ馬で一杯に追われて6F81.4－12.4秒をマークしている
－：走るフォームというか、走り方で感じる特徴はありますか？
相：以前はピッチ走法というか、頭の高いフォームで走っていましたが、中山記念に向けての調教辺りから首を上手く使って走れるようになってきました。体全体を使って走れるようになってきた感じで、力を無駄なく使えているんじゃないかと思います。
－：そうなんですね。ヌーヴォレコルトは大崩れなく走っていますが、こういう展開になってくれれば、という理想もありますか？
相：その辺りはどうですかね。乗り手の指示に従って走れますし、特にこうでないといけない、というのはないかなと思っています。岩田ジョッキーがどういう競馬をすれば良いか凄く考えてくれていますし、僕たちは信じてお任せするだけです。
－：では、最後にヴィクトリアマイルに向けての意気込みをお願いします。
相：次に宝塚記念も控えていますが、G1ですし、力を発揮できるように仕上げていきます。ヌーヴォレコルトに限った話ではありませんが、勝ってほしいのはもちろんですが、やはり無事に帰ってきてほしいというのが一番です。
－：ありがとうございました。
(取材＝競馬ラボ 写真＝武田明彦、競馬ラボ特派員)
プロフィール
【相田 一善】Kazuyoshi Aida
1980年7月15日生まれ。大学時代は馬術部の主将を務め、全日本学生馬術大会では総合馬術競技個人で優勝をおさめるなど、輝かしい実績を残した。2008年10月1日より斎藤誠厩舎に所属し、助手として活躍。2014年秋よりヌーヴォレコルトの調教パートナーを務める。確かな腕を持ち、斎藤誠調教師からの信頼も厚い。
