クロスクリーガーの成功は馬主サイドのお陰

-:そして、血統背景に面白そうなクロスクリーガーのような存在はいますか?芝のクラシックディスタンスというよりは、ダートでも活躍できそうな馬がいればお願いします。

庄:コーディングの2013(牡、父カネヒキリ)。これはダートぽいと言えばダートぽいと思います。わりとパワーがありそうで、馬格もあって骨量もシッカリしています。これね、結構面白いよ。

-:コーディング自体の血統はご存知ですか?

庄:コーディングはね、Mark of Esteem。母系がChalonだからね。Chalonは走る血統ですよ。

-:カネヒキリ自体、馬っぷりが良くて、見栄えのする栗毛の少しパワータイプの感じですよね。

庄:ええ、それに良く似ていますね。

-:新馬戦でも何頭かカネヒキリ産駒が出ていましたしね。仕上がりさえ流れに乗れれば面白いんじゃないですか?

庄:いつ仕上がるという感じではないですが、至って順調ですね。

-:サイズ的にはどれくらいですか?

庄:500キロくらいにはなりそうですね。

-:これはもう砂を狙って。

庄:そうかと思います。クロスクリーガーくらい走ってくれたら素晴らしいですね。

コーディングの2013
牡、カネヒキリ×コーディング
POGシメイ

-:ちなみに今年振り返ってみて、クロスクリーガーは砂であそこまで爆発するとは、当初イメージしていましたか?

庄:新馬は調教を見ていても、順当に走れば、勝ち負けになる雰囲気でしたし、初戦から動けるだろうな、とは思っていました。それにしては圧巻すぎたというか。新馬であれだけの競馬をしたので、目立つ1頭になってしまいましたね。その後も順調にいっていますし、距離が延びても大丈夫でしょうね。どうしても脚元が綺麗な馬じゃないので、ダートが中心になると思いますし、もともと芝を使う意向ではなく、脚元を見ながらといいますか、気をつけながらでダートでのスタートになりました。ここまでダートで結果だしているのでね。

-:1勝しても2勝するのに壁に当たったり、2戦目でテンションが上がり過ぎたり、調教がしんどくなったり、2歳馬特有の壁があるじゃないですか。それをあの馬が乗り越えられたポイントってどこにありますか?

庄:テンション自体は、例えば2戦目で芝使った時はけっこうイライラしていたらしいです。馬場入ってからもイライラしていて。あの時以外は割と落ち着いているかな。

-:それは庄野厩舎のもっていき方が上手いと。

庄:いやいや、そんなことはないですよ。誰がやっても大丈夫です。逆に言うと、「ウチが」というのであれば、あの馬だけに関して言えば、トレーニングセールで行かせてもらって、脚元で気になるところがあったから、そこから脚が固まるまで、じっくり待ってもらったので、時間的に馬主さんが我慢してくれたという。こちらの意向も取り入れてくれて、自分に任せて、理解してくれて、あそこまで待ってくれたのでね。どうしてもトレーニングセールの馬って、早く使いたい考えがあったでしょうが、その辺じっくりやらせてもらえたのがよかったのかなと。

-:オーナーにとっても待ったかいがあったと。

庄:そう思ってくれることが一番ですね。

クロスクリーガー

3歳ダート戦線を牽引するクロスクリーガー


-:今年の2歳世代も楽しみにしています。今度は芝で大物を。

庄:もうスコアズビー言ったから、次はキンカメにしましょうか。

-:それでは、最後にキンカメをお願いします。

庄:ブレンダの2013(牝、父キングカメハメハ)ですね。東京ホースレーシングです。

-:同クラブでは去年のレッドソロモンで若葉S勝ちという。

庄:ソロモンは皐月賞の権利をとったが、残念でした。能力はあったのですが、勝つまでに時間かかってしまって。その辺りあの馬でクラシック行けないのは、厩舎の力の無さですよね。

-:しかし、古馬になってから良さそうです。

庄:まあ、メイショウサムソン産駒ですしね、まだまだこれからよくなりますよ。

-:その東京ホースから期待のキンカメ産駒。この仔はどんな体型ですか?

庄:そんなに距離が持つタイプではなく、どちらかというとマイルまででしょうね。東京が始まってみないと分かりませんが、現状でいうとマイル前後じゃないかなと。スピードありそうですし、牝馬の割に馬格もあってね。

レッドソロモン

怪我のためクラシック出走は叶わなかったレッドソロモン 前世代の鬱憤を晴らせるか


-:どれくらいですか?

庄:470くらいかな。至って順調ですね。

-:これも急がず、ですか?

庄:厩舎の馬房次第ってところですね。抹消するうんぬんじゃなくて、レースを使えてないから。馬主さんもたくさん使って欲しいだろうし、早くデビューさせて欲しいだろうし、その辺りの回転率があまりよろしくないのでね。

-:今年の目標として、全体の稼働率をあげるっていうのもひとつありますか?

庄:そうですね。あげないといけないですね。今年の3歳は馬主さんにたくさん預けて頂いたので、頭数的なものあるのですが、もう少し上手にやらないと。

-:そこは頭のいい庄野先生のことですから。

庄:いやいや、頭が悪いから出来ていないのですよ。頭が良かったらもっとできています。馬主さんもよく辛抱して預けてくれていますね。

-:今年も楽しみにしていますね。

庄:はい。よろしくお願いします。

(取材・写真=高橋章夫)

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