例年以上の好メンバーが集う朝日杯FSにアドマイヤモラールとショウナンライズを送り込む上原厩舎。どちらもキャリアの中で馬券圏内を外していない堅実派で、ハッキリとした力関係が見えない2歳G1においては十分にチャンスがあるダークホースと言えるだろう。今回は上原博之調教師にそれぞれの状態とセールスポイントを聞かせていただいた。

1勝馬ながら上昇一途アドマイヤモラール

-:朝日杯FS(G1)に出走する2頭について聞かせてください。まずはアドマイヤモラール(牡2、美浦・上原厩舎)についてお伺いします。前走の京王杯までの調整ではどの辺りに注意されていましたか。

上原博之調教師:まだ馬が子供っぽいところがあったのでそこを解消するために、普段は北ダート、追い切りの時はウッド、坂路と色々なところを経験させてきました。

-:前走の京王杯2歳ステークスで2着という結果を振り返ってください。

上:新馬、2戦目の未勝利は大外枠で、スタートしてから外に壁がないので馬の気持ちが外へ外へと向かうレースになってしまったのですが、そういったレースでも崩れずに2、3着には来ていたので、能力はかなりあるという手応えはありました。3戦目は大外枠ではなかったので普通に競馬をして、しぶとい勝ち方をしてくれて、1勝馬ながら京王杯に挑戦させてもらうことになりました。まだ少しモタモタするところがあり、その上、前残りっぽい馬場と競馬だったのですが、エンジンがかかってからはいい脚で追い込んできてくれたので収穫はありました。

アドマイヤモラール

-:レース後の馬の状態はいかがですか。

上:放牧には出さず自厩舎での調整をしています。賞金を稼げて朝日杯に出走できるのは確実なので、ここを目標に順調に調整してきました。

-:10日に田辺騎手が乗って1週前追い切りをされました。追い切りの指示と評価はどういったものでしょうか?

上:いつでも速いところをできるようにはしてあったので、馬の感じをつかんでもらう意味で久々にジョッキーに乗ってもらいました。田辺騎手も自分が思っていたよりもいい状態、いい感触で走ってきたみたいです。

-:当週はどのような調整を予定していますか?

上:輸送もあるので週明けの馬の様子を見ながら決めようと思います。

-:関西圏への輸送は初めてになりますが。また、初めてのコースになりますね。

上:ええ、輸送は問題ないと思います。コースも右回りの中山でも勝っているので、特に心配はないです。

父メジャーとも重なるショウナンライズ

-:続いてショウナンライズ(牡2、美浦・上原厩舎)についてお伺いします。前走のくるみ賞にいたるまでは、どのあたりを注意して調整されていましたか?

上: 新馬では人気馬を差して1着でゴールする予定が、外から1頭いい脚でこられてしまって、油断負けのようなところがありました。2戦目は前の方につけて、油断しないように抜け出してからもしっかりと気を抜かさせないように、というところで順当に勝ち上がってもらいました。くるみ賞では池添騎手もうまく乗ってくれて、がっちり抑えている分、最後はいい脚を使う、いい勝ち方をさせてもらいました。この馬はすごく前向きなところがあるので、普段の調教でももう少し落ち着いて走るということを重点に調整はしてきましたね。

-:くるみ賞後の馬の状態というのはいかがでしょうか?

上:この馬も長いこと自厩舎で調整してきました。馬は来週に向けて非常にいい状態で仕上がってきています。

ショウナンライズ

-:1週前追い切りは池添騎手で併せ馬でしたが、いかがでしたか。

上:行きたがるところがあるので、池添騎手がその辺りの感触をつかみたいというところで乗ってもらいました。追い切り時はコースが多頭数で馬混みができてしまう状況になってしまいましたが、思ったより抑えがきいて我慢ができました。最後は気を抜かないようにみっちりという感じです。いつやっても大丈夫なように馬はつくってあったので、かなりいい時計が出たのですが、その反動はないです。

-:こちらも輸送に関してはいかがでしょう。

上:新潟に2回輸送しましたが、どちらも能力を出し切れているので問題ないでしょう。

-:初めての右回りとなりますが。

上:それも初めてですが、調教でもこなしているので大丈夫だと思います。

-:父は上原調教師が管理されていたダイワメジャーですが、なにか似ている点などは。

上:1歳のころから見ていて、コンパクトだけど、ダイワメジャーに似たバランスが取れた馬体だったので楽しみにしていました。重賞に挑戦できるところまで来たので楽しみです。

-:最後に朝日杯に向けての意気込みを。

上:どちらも能力があって、将来的にも活躍してもらいたい馬です。どちらにもチャンスはあると思うので楽しみにしています。