ラッキーライラック陣営インタビュー(1P)はコチラ⇒

初の2400m「向くと思っています」

-:もう1回アーモンドアイと戦うわけですが、今度のオークスはラッキーライラックに分がある距離です。

丸:実際、未経験な距離なので、その辺はやってみないと分からない部分もあるだろうけど、向くとは思っていますよ。

-:逆転を期待しているファンも多いと思うし、丸内さん自身も。

丸:1回負けましたけど、負けたことでみんな楽になった部分もあるから、本当に桜花賞の時はちょっとしんどかったなという。

-:改めて、それが競馬の怖さというか。

丸:いや、怖さというか、直前も色々あったので。桜花賞の週って、ずっと20℃くらいあって、桜が一気に咲いちゃう暖かい日だったのに、桜花賞の2日前に気温がガクンと下がりましたよね。朝のトレセンでは3℃とかで、ラッキーライラックには、あの気温の落ち込みはきつかった。

-:「暖機運転をしてから乗った方が良い」という記事がありましたね。

丸:そうそう。3℃となった時に、桜花賞当週の追い切りが終わった後の木曜日は曳き運動だけ。金曜日はコースを1周だけで馬としては動き足らないような感じなんですよね。「競馬の前の土曜日は2周乗ろう」と、先生としゃべっていたんですけど、出走予定の1頭が鼻出血して止めて、抽選がなくなりました。そこにダノンプレミアムが挫跖で皐月賞を回避したという暗いニュースが続いて。先生も元ジョッキーだし、出す側の立場としては、圧倒的人気馬が回避する事態だけは避けなきゃいけない、と考えるようになりました。そうなると2周乗ることのリスクというのは負えないんですよね。これが2~3番人気くらいだったら、絶対に乗っているんですよ。やっぱり圧倒的1番人気だったというのもあるから、万が一のリスクでも負えなかったですよね。

ラッキーライラック

「本当に桜花賞の時はちょっとしんどかった。圧倒的1番人気だったというのもあるから、万が一のリスクでも負えなかった」


-:気温の変化に対応させたかったのにリスクを嫌って無事に出走させる方を選んだ。非常に難しい選択でしたね。

丸:人間でも「寒い、寒い」と言っているくらいで、馬的にも当日のあのマイナス体重だったんですよね。萎んだとまではいかないけど、当日、細江純子さんが解説をしていて、馬場で送り出した時に「追い切りの時はあれだけ大きく見えたのに、パドックでは小さく見えた」と。やっぱり寒い日がきちゃって、動いてないからでしょうね。「でも、返し馬で一気にトモに張りが出た」と。やっぱり動かせたら張りも変わるんですよ。

-:ただ気温の変化があったのは他の馬たちも一緒ですね。

丸:特にこの馬は影響あったと思います。それだから長い距離に向いていると思うんですけどね。

-:長い距離に向いている馬というのは、前半の1000mくらいは暖機運転して、そこからエンジンが掛かってくる、前半からMAXで行けるのが短距離馬の特徴ですものね。

丸:そうですね。

「もうマイルを走らなくていいんだよ」

-:府中の2400mという距離はごまかしが利かない舞台ですね。

丸:それがラッキーライラックには良いんじゃないですかね。

-:ここで、ラッキーライラックの強さを見せてやるという気持ちがあるのでしょうね。

丸:もうマイルを走らなくて良いんだよ、というのが一番大きいので。

-:枠はまだ決まっていないですけど、今度はどんなレースになると思われますか?

丸:今度は2400なので、枠はどこが当たっても出たなりで行くんじゃないですかね。結局、阪神ジュベナイルフィリーズもアルテミスSで出していって力んだ反省があって出たなりで行った。チューリップ賞も出たなりでした。桜花賞は1枠で出さなきゃいけなかったというのがあるし。やっぱり出たなりの方が良いなというのは多分ジョッキーも分かっていると思います。

-:桜花賞が終わった後の石橋騎手から何かコメントはありましたか。

丸:彼が何か言う前に、もうこちらから「あれで負けたら……」ということでしたね。

-:勝った、負けたじゃなくて、今まで乗ったレースとの感触の違いであるなど、直線でこういう動きをしたなど、桜花賞で改めて何か新しい注意点みたいなものは見つかりましたか?

丸:やっぱり急かしてはいけないなと。でも、それをしないといけない人気と枠だったから、そういうことをやってでも、ちゃんと2着を守ったというのがありますね。普通だったら(3着の)リリーノーブルにやられているだろうけど、差されなかったので、そこは力だろうなと思いますね。

-:不向きであろうマイルを走った反動はないですか。

丸:ないです。もうリセットさせているので。ここは何としても、馬のためにも名誉を回復させてあげないとね。

「体重は桜花賞と同じか、プラスで出られると思います。みんな気にするかもしれないけど、そんなに気にしなくてもいいですよ(笑)」


-:アルテミスS以来の府中ですね。左回りも問題ないし、あとは逆襲するだけですね。

丸:そうですね。

-:体重の増減があったら教えて欲しいのですが。

丸:今週の木曜日(5月3日)の時点で502キロですね。大体、500くらいなんですけど、みんな体重を気にするかもしれないけど、10キロで人間換算にして1キロくらいなので、そんなに気にしなくてもいいですよ(笑)。

-:アルテミスSの時は府中に運んでどれくらい減りましたか。

丸:結局、減らなかったんですよね。連れて行く時からも変わらなかったです。

-:このまま行ったら、桜花賞からプラスで出られそうですね。

丸:桜花賞と同じか、プラスで出られると思いますけど、その辺は全然誤差の範囲内なので気にしなくて大丈夫ですよ。

-:馬体重よりも、パドックでの筋肉の張りや馬体の凄みを感じるか、細江純子さんが「細い」と言わないか、ということですね(笑)。

丸:そうそう。そういうことがないように。

-:どっちかと言ったら、ムチムチの馬じゃないですか。

丸:ムチムチかな。身詰まりは良いけど、筋骨隆々という感じではないですよね。多分、リリーノーブルなどの方が。

ラッキーライラック

-:同世代の女の子と比べたら、やっぱり逞しい方じゃないですか。どっちかと言うと、マイルを走る馬は、ムッチリしている馬が多いんだけど、2400mと言うと、もっとシャープなイメージがあるじゃないですか。そういう微調整みたいなことをされるつもりはありますか?

丸:調教でも、この間までの体つきとはちょっと変わってきているな、という気はしてきているので。今はよりユッタリしたつくりをしています。

-:その辺は折り合いなど、ゲートを出てからグッと来ないことを重点に仕上げをされているということですか。

丸:そうですね。

-:直前のフォトパドックで確認してもらいたいですね。

丸:はい。本当に体はあるけど、腹がボテッとしている訳ではないし。

-:こうやって気温がある程度上がって、安定してきた時季というのは、ラッキーライラックの調整の面でもプラスですね。

丸:プラスですね。今の京都開催も良いですね。土日開催でも、普段と1時間しか違わないというね。阪神の時、平日は7時乗りで競馬開催中は4時乗りでした。どうしてもライラックは人目を気にしてエサを食べなかったりするんです。夜のエサの時間が8時くらいにつけて、次の日にみんなが5時に出勤してくるのと、2時に出勤するのでは「えっ、まだ食べていないよ、まだ眠いよ」という段階で外に出して「寒っ」というのがありましたから。

競馬でも素直な「頑張り屋さん」
ラッキーライラック陣営インタビュー(3P)はコチラ⇒