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榎本優也調教助手

実りの秋に向けて賞金を加算

-:「調教で乗り難しさが出た」ということなんですけれど、それはレースの流れになったら、そんなに騎手を困らせる程ではありませんか。

榎:ですね。大丈夫だと思います。

-:逆にあんまりイジらなくて、ある程度の位置を取りに行けるぐらいの雰囲気ということで?

榎:そうですね。本当にずっと毎日王冠みたいなレースをして欲しいなと思っていたので。昔を振り返れば、NHKマイルCの時などは、本当に行かせなかったら、最後方から付いていって走ってましたから。ただ、今はあんなことはなくて、真ん中ぐらいまでなら、スッとちょっと抑えながらでも行けるイメージがあるので。

-:NHKマイルCを勝ったカレンブラックヒルは安田記念に出ているので、ジャスタウェイも早く一歩上のステップに行って欲しいという気もしますね。

榎:ダイワマッジョーレなんかも一緒に走って、こっちが先着していた馬ですからね。少し結果が付いてきてないですけれど、頑張って欲しいです。

-:それは馬の個性として、ダイワマッジョーレの成長度合いとジャスタウェイの成長度合いは違うから、そんなに焦ることもないですよね?

榎:去年の秋に「スゴく良くなった」という話を色々なところでさせてもらったんですけれど、今回も休んで、また良くなったと感じられたので、馬はまだこれからだと思ってます。

-:むしろこれから賞金を積み上げて?

榎:そうなんですよ。そこが、秋に……。思うところを使えるように、まずはココで賞金を何とか。

-:今ちゃんと仕込みをしておかないと秋に繋がらないという。そういう意味でも担当者としても結果が欲しいところですね。

榎:欲しいですね、今の状態で、この条件でとなってくるんで。


昨年同様のローテーションが目標

-:段々と朝の気温も上がってるじゃないですか。6月と言えども、昼間は真夏のような暑さになる時があるんですけど、ジャスタウェイはこの季節はどうですか?

榎:寒いよりは良いかなと。どちらかと言うと、メチャクチャ柔らかいタイプでもないので。新馬とか、新潟2歳とかも暑い中でよく走ってくれてましたし、そんなに心配はしてないですね。

-:トレセンで歩いていたら、人間の方がヘバりそうになる時があるんでね、暑さで。

榎:僕もガクッと体重が落ちて、ヘヘヘ(笑)。この時期なのにね。だから、馬はよう頑張ってるなと。

-:なるべく涼しい朝を選んで、ジャスタウェイを調教している訳ですか?

榎:いや、一番最後の一番暑い時間に乗ってますね。

-:それでもそんなに体重の変動がないというのは、やっぱりしっかりとしてきたと?

榎:でしょうね。無駄に汗をかくようなところもなくなりましたしね。

-:内臓系が強化されたところは感じませんか?

榎:あると思いますよ。馬はみんな、ちょっと胃潰瘍だと言いますけれど、そういう傾向がずっとあったんですよ、今までは。今回、帰ってきてからはまだ、そういう仕草を見せてないですし、徐々に食べられるようになってきてます。

-:新生ジャスタウェイを楽しみにしています。この3戦が嘘のようなキレ味を見せて欲しいですね。

榎:そうですね。(福永)ユウイチさんもこの馬のことを分かってくれてると思うので。

-:例年、この時期の府中というのは故障馬が多いので、ぜひ無事に走って欲しいなと思います。最後にファンにメッセージをお願いします。

榎:とりあえず僕の中では、秋の毎日王冠、天皇賞(秋)を目標に良い競馬をさせてあげたいなと思っているので、まずはしっかりと賞金を足せるように頑張りたいです。

-:ありがとうございました。

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【榎本 優也】Yuya Enomoto

大の競馬ファンである父親の影響で、幼い頃から阪神、京都競馬場へ足を運ぶと、武豊騎手に憧れてジョッキーを志すように。視力が足りず受験資格をクリア出来ず、断念せざるをえなくなったが、競馬関係の仕事に就きたいという思いに変わりは無く、牧場勤務を経て、25歳の時にJRA厩務員課程へ入学し無事卒業。
しばらくの待機期間を過ごし、09年5月に須貝尚介厩舎で待望の厩務員生活をスタート。 7月には持ち乗り助手となり、それ以来、2頭の競走馬を担当している。

調教助手としては、アスカクリチャン、アスカトップレディ、クリーンエコロジー、コレクターアイテムなどを手掛け、2012年上半期には担当するジャスタウェイがアーリントンC(G3)を制して人馬ともに重賞初制覇。NHKマイル、日本ダービーとG1の舞台を経験した。

現在は厩舎の屋台骨を支える傍ら、趣味である一眼レフカメラで厩舎の愛馬たちを撮影。関西のトップステーブルに登り詰めた須貝尚介厩舎のスポークスマン的な役割を果たしている。