【祝】全日本新人王争覇戦を優勝!
2010/1/15(金)

伊藤工真騎手×高橋摩衣
高:今回のゲストは全日本新人王争覇戦で優勝をした伊藤工真騎手です。よろしくお願いします。優勝おめでとうございます。
伊:ありがとうございます。
高:昨日高知競馬場で行われたんですよね。いつ高知へ移動されたんですか?
伊:11日の競馬が終わったあとです。その日のうちに高知に着きました。次の日に競馬があって、またすぐ美浦に戻って来ましたから、滞在時間は本当に短かったです。
高:大変ですね。何か高知名物は食べましたか?
伊:着いた夜にカツオのたたきを…。北村宏司さんに「食べた方がいいぞ」と言われていたので(笑)。それぐらいです。
高:かすかな高知体験ですね(笑)。ところで工真騎手のこれまでの地方競馬での騎乗経験というと…。
伊:大井、川崎、船橋、浦和の南関東の4競馬場は全部乗ったことがありますけど、高知は今回が初めてです。
高:騎乗してみてどんな印象でした?
伊:直線も短くて小回りコースなので、コーナーもキツいかと思っていたんですけど、内ラチから3~4頭分くらいのスペースの部分の砂が深くてみんなが避けて走っていたので、割りと緩やかに回れました。

高:同世代の騎手とこういう新人王争覇戦という形で一緒のレースに乗ってみて、いかがでした?
伊:そうですね、やっぱりみんなやる気満々で、燃えている感じでした。勝ちたい気持ちが見えていました。
高:みんなが燃えている中で優勝されて、自信になったんじゃないですか?
伊:いえ…、良い馬に乗せていただいただけですから。でも、馬の個性を生かしたレースは出来たんじゃないかと思いますので、そういう部分は良かったかなって。中央のレースでも馬の個性を生かした乗り方が出来れば良いなと思います。
高:騎乗馬は、高知競馬の馬の中から抽選で選ばれたんですよね。
伊:そうです。僕の乗った2頭はどっちも元々中央にいた馬だったんです。
高:あ、そうなんですか。
伊:だから前に乗っていた人に話を聞いたり、中央で走っていた頃のレースを観ておきました。
高:事前にしっかり研究されるんですね。普段のレースの時もそうやって事前にいろいろ調べたりするんですか?
伊:そうですね。レースを観たり、前に乗っていた人に、どんな感じか話を聞きます。
高:聞いたアドバイスと、実際に工真騎手が乗って感じた感触とが違う事ってあります?
伊:そういう事もあります。その時の馬の状態もありますからね。右にモタれていた馬が、間が空いて、別のところを痛めて左にモタれるようになっている事もあるので。人から聞いた話は参考材料の一つとして考えています。
高:事前に研究した事を頭に入れて、あとは実際に乗って、どんな感触か確かめてみて。
伊:はい。返し馬やレースの早めの段階で馬の個性を見つけて、それに対応する感じです。

高:えー、中央の成績の話も伺いたいんですけど、昨年、2009年は一気に勝ち星を伸ばして23勝をあげました。昨年の成績に関してはどう思っていますか?
伊:うーん、デビューの年よりも数字は伸びましたけど、良い馬に乗せていただいているのに結果を出せていない、という気持ちが強いですね。
高:もっと勝てたんじゃないか、と。
伊:はい。負けたレースの後、パトロール映像を観ながら「もっとこう乗ったら良かったかな」「あそこはまずかったな」とか反省する事が多かったので、そういうロスを減らして結果に結び付けていきたいですね。
高:なるほど。昨年はデビュー年に比べて騎乗数も飛躍的に増えましたけど、疲れは感じませんでしたか?
伊:年間を通じて考えると…、特に疲労を感じる事はありませんでした。1日にたくさん乗せていただいた時に疲れを感じる事もありましたけど、もうリズムに慣れたので大丈夫です。今は2場開催で騎乗数が少なくなって体を動かさない時間が増える事もありますから、また3場開催になった時に早くリズムを戻せればいいな、と思います。
高:そうなんですか。ちなみに工真騎手は、結構中央場所(中山・東京)を中心に乗っていらっしゃいますね。
伊:はい。中央場所で乗り続けていると勉強になるのかな、と思って、中央場所で乗っています。
高:勉強って、どういうところに注意されているんですか?
伊:レースの展開だったり流れだったり仕掛けだったり、芝とダートによってそれぞれ傾向が出来てくるので、そういうのを自分の中で覚えたり、ですね。ローカルの競馬場にもそれぞれそういうポイントがあると思いますけど、夏になれば乗る機会もありますから。中央場所で開催している時は、出来るだけそこで乗るようにしています。
高:そうなんですか。今年はデビュー3年目で減量最後の年になりますけど、何か目標はありますか?
伊:やっぱり期間が来て減量が無くなるのではなくて、自力で減量を取りたいです。来年の3月までに通算で101勝をしなければいけないので、かなり厳しいと思いますけど、目指してやっていきたいと思います。今年は勝ちに行かないといけないので。
高:分かりました。では最後にファンに向けてメッセージをお願いします。
伊:はい。ぜひファンの方には競馬場に来ていただいて、僕の騎乗姿を見てもらいたいです。やっぱり観客が多いと僕らもやりがいがありますから。僕はジョッキーでは少数派の左利きなので、そういった点も注意して観ていただければ。
高:左利きだと他のジョッキーと比べてフォームが違うっていう事はあるんですか?
伊:大きな違いがあるかは分からないですけど、競馬場に来ていただいて、他のジョッキーの方と見比べて違いを探してもらえれば(笑)。
高:お、ファンに新たな楽しみを提案しましたね(笑)。では今日はこの辺で。ありがとうございました。
伊:ありがとうございました。

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デビュー年は1勝をあげるにとどまったが、2年目の09年は23勝をあげる活躍を見せた。2010年1月12日に高知競馬で行われた第24回新人王争覇戦に出場し、優勝を飾った。今年の飛躍を期待される若手騎手の一人。 |
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■出演番組
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2006年から2008年までの2年間、JRA「ターフトピックス」美浦担当リポーターを務める。明るい笑顔と元気なキャラクターでトレセン関係者の人気も高い。2009年より、競馬ラボでインタビュアーとして活動をスタート。いじられやすいキャラを生かして、関係者の本音を引き出す。 |
