皆様、こんにちは!先週はショッキングなニュースが競馬界に走りました。栗東トレーニングセンターにある村山厩舎が発火し、厩舎の半面が焼け落ちてしまうという事故が起きました。原因は消防団や警察の方が検査しているようですが、事件性はなくまだわかっていないということでした。この火事で計5頭が亡くなることになりました。ひどく胸が痛くなる事故に、どうしたら防げたのかと外にいる私ですら自問自答を繰り返しています。それでも、5頭が亡くなってしまった事実は変わりません。

しかし、少しでも馬の命を助けなきゃと火が迫る中、動いてくれた人がたくさんいたことは、皆様にも知っていてほしいと思います。とりあえず逃がすだけ逃がし、放馬した馬を捕まえるために走り回ってくれた人もいたと聞きました。生き物と共に働く仕事だからこそ、毎日のように職場に出て、自分達の家族のように関わってきた馬を亡くした失望感は計り知れないです。もう二度とこのような事故がないように祈るばかりです。

非常に気分が上がらない週末でしたが、小倉で行われた小倉記念では感動的な勝利が待っていました。前回の記事の中で、私が推奨していたアールスターと長岡騎手が、見事に重賞初制覇を成し遂げました。長岡騎手といえば腎臓破裂の大怪我の後、栗東で修行をつみ、ケイティブレイブとのコンビでフェブラリーSとかしわ記念で2着に入るなど、調教をつけてきた馬とで結果を出してきた騎手です。今回も調教をつけていたアールスターとのコンビでした。

2着が続くレースをしていた時代もあり、癖が強い馬という認識でした。しかし、前回の休み明けからひと叩き後のレースでもありましたし、今まで57キロや58キロといった重い斤量で走っていた馬が、今回53キロということで、馬の良さが更に活かされたと思います。レースのポイントとなったのは3~4コーナーです。逃げるミスディレクションに向かってロードクエストが一気にマクる形となり、それに合わせる形を作らされてしまったのがランブリングアレーとなりました。

この時点でロードクエストには「早すぎる!」と思わず声が出てしまいました。関東から調教をつけるために滞在していた鈴木助手(小島茂厩舎)も「あの馬の良さは一瞬のキレ味にあるから、どこまで我慢できるかの展開と我慢が必要」と戦前に話していたのですが、まさに逆のレースとなってしまいました。それに潰されるようになってしまったランブリングアレーは仕方ないという展開でした。

その3~4コーナーでは、調教で感触が十分だった長岡君は内にスペースが無かったこともあり、一息入れることができました。まさにここが勝因だったと思います。そして、内のスペースが開いた運もあり、全てがかみ合った勝利となりました。デビューから9年。平な道はひとつもなかったと思います。しかし、諦めずに努力を続けた結果がここに結びついたのだと思います。またデビュー時に所属していた小島茂厩舎の馬が勝因となる流れを作ってくれたのは、これもまた縁なのかなと感じました。悲しみの後に感動をくれたコンビに感謝したいレースとなりました。

class=

うだるような暑さが続きますが、週末は雨予報がチラチラと出る中、札幌では例年と比べると見劣りをしてしまうメンバーの札幌記念が、小倉では北九州記念が行われます。北九州記念では、G1馬モズスーパーフレアが出馬してきます。このレースで牝馬としては最重量となる56.5キロのハンデとなりました。私個人としては妥当な数字だなと感じました。そして、今回もこの馬のレースになるのではと思っています。

先週の小倉の時計を見てもかなりタイムが速くなっていましたし、よほどの雨で崩れない限りは時計勝負になった時に対応できるかどうかがポイントになってくると思います。その上、開幕週は前が止まらない馬場になっていたため、この馬にとっては好条件となると思います。しかし、逆に人気を背負い、ターゲットにされた時にどんな競馬ができるかもポイントになってくると思います。そこを圧倒的スピードで乗り切ってほしいと思っています。

その他ではタイセイアベニールが非常に気になっています。先週の小倉記念でも素晴らしい騎乗をした松山君という想定ですし、ここで一発あってもおかしくないのでは?と思っています。時計を縮めてきているプリディカメントの52キロや安定してきたトゥラヴェスーラにも注目したいです。オイシイ配当は札幌記念よりこちらかなと思っています。是非、ご注目ください!