木實谷雄太場長

授賞式の壇上に立つ木實谷雄太場長(前列左端)

快進撃は止まらない。1月29日(月)、都内のホテルで「2017年度 JRA賞授賞式」が行われ、日本ダービーを制して最優秀3歳牡馬に輝いたレイデオロが表彰された。レイデオロを筆頭に多くの重賞勝ち馬を送り出したノーザンファーム天栄は2018年も絶好調。開幕週からいきなり重賞を3勝し、シンザン記念でアーモンドアイ、フェアリーSでプリモシーンと2頭の牝馬がクラシック候補に名乗りを上げた。進化を続けるノーザンファーム天栄の木實谷雄太(きみや・ゆうた)場長に、手応えと抱負を聞いた。

「(アーモンドアイは)父がロードカナロアになって、母フサイチパンドラとそれぞれの良いところが出たのではないかと思います」


-:レイデオロ(牡4、美浦・藤沢和厩舎)の最優秀3歳牡馬部門受賞、おめでとうございます。

木實谷雄太場長:ありがとうございます。来年もこの場に立てるよう、頑張っていきたいと思います。

-:年明けから絶好調で、今年は牝馬のクラシック候補が多く出てきましたね。アーモンドアイ(牝3、美浦・国枝厩舎)は牡馬に混じってシンザン記念(G3)を圧勝。桜花賞(G1)が楽しみになるレースでした。

:直線はすごい脚を見せてくれました。デビュー前の天栄でも動いていましたし、トレセンに入厩してからもいい時計が出ていたので手応えはありました。新馬戦は負けてしまいましたけど、単勝1.3倍でしたからね。今は桜花賞に向けて、天栄で乗り運動を始めたところです。

-:G1馬フサイチパンドラから、ついに大物が出たという印象です。ロードカナロアとの相性が良かったのでしょうか?

:フサイチパンドラは今までキングカメハメハやシンボリクリスエスなど、距離が持ちそうな種牡馬が付けられていましたけど、父がロードカナロアになって、それぞれの良いところが出たのではないかと思います。お互いにない部分を補完し合うという意味でも良かったのでしょうね。ヨハネスブルグ産駒の2歳馬(牝、美浦・木村厩舎予定)も走ってくれそうですよ。

アーモンドアイ

アーモンドアイは桜花賞へ直行の予定

-:昨年(2017年)の夏に取材させていただいた時、期待馬として名前を挙げていたプリモシーン(牝3、美浦・木村厩舎)もフェアリーS(G3)を勝ちました。デビュー前から評価の高かった馬ですね。

2017年夏の独占インタビュー記事はコチラ→

:結果を出してくれて良かったです(笑)。今は天栄にいて、乗り運動を行っています。すこぶる順調ですよ。

-:アーモンドアイ、プリモシーンとも戸崎圭太騎手で勝ちました。今後のローテーションや鞍上がどうなるのか、気になっているファンも多いと思います。

:鞍上も含めて調整しています。決まったら発表しますので、もう少しお待ちください。

プリモシーン

デビュー前から期待馬に挙げていたプリモシーン

-:まだ重賞を勝っていない馬の中で、将来が楽しみな馬はいますか?

エリスライト(牝3、美浦・久保田厩舎)は2月17日(土)のフリージア賞を目標に調整しています。牡馬も出てくる中で勝ち負けできれば、一気に今後が楽しみになりますよ。

-:全姉のマリアライトは遅咲きという印象で、昨年の夏にお話を伺った時も「焦らずじっくりやります」とおっしゃっていました。

:マリアライトも新馬戦は2馬身半差で勝ちましたけど、天気とか馬場とかが噛み合わなくて、なかなか順調に路線に乗れなかったですからね。エリスライトは軌道に乗ってもらいたいと思っています。

-:また、じっくりお話を聞かせていただければと思います。お時間のない中、ありがとうございました。

:今年も頑張ります。またよろしくお願いします。

エリスライト

新馬戦を快勝したマリアライトの全妹・エリスライト