今週はジャパンCということもあり、当日の東京芝1800m戦に好メンバーが集まっている。

まずはソーアメージング(牡2、美浦・田村厩舎)は、母がアネモネ賞を勝ち、桜花賞3着などオープン戦線で活躍したソーマジックだ。
「牧場時期から期待を寄せていた馬で、クラシックを目指したい1頭。しっかり乗り込めているし、動きからも能力の高さを感じる」と田村師。調教(以降も全て1週前のもの)は内目を回ったとはいえウッドで66秒台、上がり12秒台と水準以上の時計を出し、準備は万端。ルメール騎手を鞍上に、初戦勝ちを狙う。

ピックミータッチ(牡2、美浦・藤沢和厩舎)は、母系がシンコウラブリイ、キングストレイル、コディーノなどが出た藤沢厩舎所縁のファミリーである。
「この血統らしいスピード、それにパワーもある。以前よりも逞しさが出てきたので、どんな走りをするか楽しみ」と津曲助手。2歳戦から活躍する一族なので、こちらも初戦から期待。

ムーア騎手を確保したのがジェロディ(牡2、美浦・手塚厩舎)。ウッドで69秒台は、外を回ったもので合格点。半姉のパシフィックギャルは、POG期間内に重賞2着が2回。父がゼンノロブロイからディープインパクトに変わって楽しみが増した。

アップクォーク(牡2、美浦・中川厩舎)もウッド68秒なら悪くない。半兄ストレンジクォークは青葉賞にも出走し、クラシックを目指した馬。半弟にはそれ以上を望みたい。

ソーアメージング
牡、美浦・田村、ネオユニヴァース×ソーマジック
POGシメイ

ピックミータッチ
牡、美浦・藤沢和、ゼンノロブロイ×レジェンドトレイル
POGシメイ

土曜日の芝1600m戦は、調教で目立っているのがボーシエル(牡2、美浦・二ノ宮厩舎)。ウッド67秒後半で走れており、しっかりした脚力を見せている。母のオーゾラヲマウトキは新馬勝ちしており、初戦向きだ。

フィビュラ(牝2、美浦・萩原厩舎)は、半兄に福島記念勝ち馬ミトラがいる。こちらもウッドで水準の動きを見せている。

血統なら一番と思えるのはシャンドランジュ(牝2、美浦・大和田厩舎)。半兄には重賞ウイナーのマーティンボロフレールジャック、姉の仔にG1・2勝のヴィルシーナや、躍進が期待されるシュヴァルグラン、ヴィブロスがいる良血だ。ただ坂路では61秒0-14秒0。かなり時計がかかる馬場ではあったが、ちょっとかかり過ぎ。最終追いでどこまで変化を出せるか。

ボーシエル
牡、美浦・二ノ宮、シンボリクリスエス×オーゾラヲマウトキ
POGシメイ

フィビュラ
牝、美浦・萩原、クロフネ×エイグレット
POGシメイ

ミトラ

▲来週デビュー予定のフィビュラの兄ミトラ。妹にも活躍の期待が掛かる。


京都では、芝1800m戦出走のアドマイヤキズナ(牡2、栗東・友道厩舎)の評判が上々だ。
「ハービンジャーの産駒だが、伸びやかさがあって、体つきや動きにも柔らかさがある。芝の実戦にいって更に良さそう」と友道調教師。母アドマイヤオウカの馬名からも分かるように、母系はローズキングダムを筆頭に重賞ウイナーを数多く出しているバラ一族。最近の活躍はおとなしいが、この馬で勢いを取り戻したい。

ライバルになりそうなのはサンテルモ(牡2、栗東・高野厩舎)。坂路54秒6-12秒5と、しっかり脚を伸ばしており、動きは良好。鞍上は武豊騎手。

京都1600m戦は、ベルロック(牡2、栗東・西園厩舎)。坂路52秒9と水準の時計をマークし、川田騎手でデビュー。ストライクイーグル(牡2、栗東・高野厩舎)は、中間熱発があったが、坂路で56秒2-12秒8を出しており影響は無さそうだ。

アドマイヤキズナ
牡、栗東・友道、ハービンジャー×アドマイヤオウカ
POGシメイ

サンテルモ
牡、栗東・高野、ヴィクトワールピサ×エヴィータアルゼンティーナ
POGシメイ

アドマイヤキズナ

▲バラ一族に華を添える事が出来るか。注目の初戦を迎えるアドマイヤキズナ。


新規入厩組で目立つのは、ディープインパクト産駒の良血馬が2頭。レーヴァテイン(牡2、美浦・堀厩舎)は、G1馬レーヴディソールを筆頭に、アプレザンレーヴレーヴミストラルなど、兄姉7頭が全てオープンクラスを経験という超良血。POGでは毎回人気になる一族だが、この馬はドラフト前に故障し、その後もアクシデント続きで人気を下げていた。一部では「POG期間内にデビューできないのでは」といった不安な話もあったが、さすがはノーザンF。しっかり年内入厩までこぎつけた。といっても恐らくゲート試験合格後、放牧で再調整という運びになるだろう。それでもPOG期間内デビューに目途が立ったのは良かった。こうした馬を走らせるのは、お手の物の堀厩舎。デビューできれば、後の活躍は大いに見込んでいい。

イマジンザット(牡2、美浦・斎藤誠厩舎)は、半兄にショウナンタレント(フラワーC勝ち)、ショウナンアルバ(共同通信杯勝ち)、ショウナンパルファ(青葉賞2着)と活躍馬が並ぶ。父がディープインパクトで、今度はクラシック獲りの期待も。

他の種牡馬産駒では、レッドミモザ(牝2、栗東・松永幹厩舎)。母はG1勝ち馬フラワーパークで、ヴァンセンヌの半妹になる。POG本取材時に、「秋以降を予定」ということだったので、ある意味予定通りの進行具合といったところか。すでにゲート試験も合格したが、まだまだ緩いところもあり、再度しがらきに放牧。再入厩は年末年始あたりになる。

ヘキサゴン(牡2、美浦・中川厩舎)は、母が重賞4勝のフサイチエアデールに、兄姉はG1ウイナーのフサイチリシャール、クイーンC勝ち馬のライラプスと、POGお馴染みの良血。元は一口クラブの馬だったが、アクシデントがあって募集中止と一時はデビューも微妙だった馬だけに興味深い。

レーヴァテイン
牡、、美浦・堀、ディープインパクト×レーヴドスカー
POGシメイ

イマジンザット
牡、美浦・斎藤誠ディープインパクト×シャンラン
POGシメイ

レーヴァテイン

▲阪神JFを勝利したレーヴディソール。弟レーヴァテインが初戦を迎える。