3日間で最もメンバーが濃いのは、日曜日の京都芝1800m牝馬限定戦だ。
まずはエクスプレスレーン(牝3、栗東・松永幹厩舎)。
「馬の成長に合わせて時間をかけて調整している。小柄だが走りは悪くないし、血筋のいい馬。実戦の芝でさらに良さそう」と松永幹師。調教時計は坂路54秒3-13秒4(以降、時計は主に年末のもの)と目立たないが、同厩の良血馬レッドミモザに先着している。母のカウアイレーンは、G1馬ブラックホークピンクカメオの半妹で、自身もオープン特別を勝つなど活躍している。そのカウアイレーンの初仔のエクスプレスレーンは父がディープインパクトということも手伝い、楽しみな一頭だ。

血統面なら、プレリュードフィズ(牝3、栗東・石坂厩舎)も負けていない。半兄にダービーフィズクレスコグランド、半姉にアプリコットフィズと重賞ウイナーが3頭いるPOGでも人気の一族だ。ただ調教の動きが悪く、実戦でどこまで変わってくるか。

こちらも血統面で興味を引くのはミッキーグッドネス(牝3、栗東・安田隆厩舎)。半兄はダート短距離で活躍するダノンレジェンドだが、父がディープインパクトに変わってどう出るか。調教の動きは良好で、初戦から行ける。

エイシンキララ(牝3、栗東・坂口則厩舎)は、母が阪神JFでスティンガーの2着だったエイシンレマーズ。坂路で52秒3の時計を出し動きは上々だ。今年の坂口厩舎では1、2の期待馬で、母以上の活躍を見込む。なお、翌日のマイル戦にまわる可能性もある。

調教で目立つのはインフィニティラヴ(牝3、栗東・矢作厩舎)。1月3日のCWで6F81秒6、5F66秒1、1F12秒7。6F81秒台は高く評価してよかろう。なお、この馬も翌日のマイル戦も視野に入れている。

プレリュードフィズ

きょうだいに重賞勝ち馬3頭がいるプレリュードフィズ


その京都芝1600m戦のほうも、話題を集めるのは牝馬。
ジングルベルロック(牝3、栗東・高野厩舎)は、半姉にフランス2冠のアヴニールセルタンがいる良血馬だ。
「普段の歩様は硬めに見えるが、キャンターに行けば問題ない。走る気持ちに満ちているし、能力を秘めている」と高野師。鞍上は川田騎手を予定。

そして、お待ちかねはリーチザハイツ(牝3、栗東・松田博厩舎)。夏デビュー組の中でも期待度の高かった馬だが、デビュー直前に骨折が判明し休養。その故障も癒え、約半年遅れのデビューとなった。ただ調教の動きを見る限り、夏頃の動きには戻っていない。このあたりは故障の影響もあるのか。

2つある京都のダート戦は、1400mのほうが面白いメンバー。ワンミリオンス(牝3、栗東・小崎厩舎)は、ダートGⅠ馬テスタマッタの近親。坂路、CWともに終いに速い時計をマークしており、テスタマッタのように末脚を武器にしたタイプになりそうだ。

エイシンビリケン(牡3、栗東・西園厩舎)は、CWで6F84秒は悪くないが、終いが1F14秒台とかかってしまった。スピードはありそうだが、現状はスタミナ面がもう一つか。

ストリクス(牡3、栗東・安田厩舎)は、前記同厩のミッキーグッドネスと併せ0・1秒遅れたが、大きく追走したうえに馬ナリなので気にすることは無い。初戦からゴーサインが出せる態勢だ。

ダート1800m戦は、フィーリングウェル(牝3、栗東・平田厩舎)。母の兄にドリームパスポートラウンドワールド、近親にはショウナンパンドラフェイムゲームのいる旬の一族で、芝でも行けそうだが、まずはダートからスタートとなった。

関東では、日曜日の中山芝1600m戦が中心。
ミエノドリーマー(牡3、美浦・国枝厩舎)は、母が短距離で8勝を挙げたオープン馬ドリームカムカムである。
「体質的な弱さがあって、そのあたりの様子を見ながら調整してきた。もっとパンとすればいいが、モノは悪くなさそう」(国枝師)。師のコメントからも、現状はまだまだ足りないところがあるようなので、先を見据えてのデビューとなりそうだ。

ボトルガーデン(牡3、美浦・萩原厩舎)は、祖母が強烈な差し脚を武器にしたビハインドザマスク。近親にはGⅠウイナーのコイウタや、オメガヴェンデッタミッキーラブソングがいる。調教時計は目立たないが、年末、そして年明けと強い調教を連発しており、デビュー戦へ向けて高い意欲を感じさせる。

関西から遠征になるのはコイスルキセキ(牝3、栗東・西園厩舎)。坂路では52秒2、CWでも67秒4-12秒4の時計を出しており、仕上がりは上々だ。

ダート戦は、土曜日の1200m戦のソロダンサー(牝3、美浦・武藤厩舎)。12月23日には坂路で54秒2-13秒4。重い美浦坂路を馬なりでこの時計なら悪くない。

月曜日のダート1200戦はパブロ(牡3、美浦・手塚厩舎)。坂路で54秒7を馬なりでマークし、古馬に先着している。半兄にはニュージーランドTの勝ち馬エイシンオスマンがおり、この馬もマイル以下で活躍が望める。

新規入厩で断然目を引くのはルールブリタニア(牝3、美浦・国枝厩舎)。全姉はオークス、秋華賞勝ち馬のミッキークイーンで、その兄姉もトーセンマタコイヤインナーアージと活躍馬が並ぶ良血だ。ただ脚部が弱く、POGでも微妙な評価で人気は高くなかった。入厩はしたが、まだまだ脚部不安が完全に払拭されたわけではなく、無事にデビューまで進むことを祈りたい。同厩のディープジュエリーが、昨年2月にデビューから3連勝をしており、この馬も続きたいところだが…。

他にもディープ産駒の入厩が目立った年末。バルトルディ(牡3、美浦・大竹厩舎)は、半兄にラトルスネークダイダルベイスンが、サトノオニキス(牝3、栗東・矢作厩舎)は、近親にダービー馬エイシンフラッシュがいる。

再入厩組ではスカイムーヴァー(牡3、美浦・手塚厩舎)。POG本でも採り上げられた手塚厩舎のディープ3羽ガラス(他はハートレー、アフェクテューズ)の一角だ。秋デビューの予定だったが、動きが芳しくなく再調整となった。
ハートレーはデビューから2連勝でホープフルSを制し、クラシック候補の1頭に数えられ、逆にアフェクテューズは未勝利戦で入着すらできずに苦しんでいる。大きく分かれたディープ産駒の2頭。果たして3頭目のスカイムーヴァーはどちらに転ぶのか。

スカイムーヴァー

手塚厩舎ディープ三羽ガラスの一角スカイムーヴァーが再入厩