いよいよPOGもクライマックスに突入。今週は牝馬の大一番桜花賞を迎える。しかし、そちらの情報はいろんなところで展開されるので、マニアックな当コーナーは桜花賞前に行われる忘れな草賞をクローズアップする。

牝馬戦線はメジャーエンブレム1強と見られているが、オークスならば逆転できるのは？ そんな雰囲気を持った馬が結構おり、忘れな草賞はオークス候補の宝庫と言ってもいいほどの顔ぶれだ。

注目を集めているのはミッキーグッドネス(牝3、栗東・安田隆)。デビュー戦はダイアナヘイローに逃げ切りを許したが、2戦目の未勝利戦は鮮やかに差し切り。ここで2着のエンジェルフェイスが後に未勝利戦、フラワーCと連勝したため、この馬の価値は更に上がっている。
半兄がダート1200mで活躍しているダノンレジェンドで距離の心配を持たれるかもしれないが、ここ2戦を見る限り距離は大丈夫。リアルスティール、ラキシス、エイシンヒカリら活躍馬が多数出ているディープインパクト×ストームキャットの配合で、GⅠの舞台は合う。ぜひオークスに出走してほしい一頭だ。

ミッキーグッドネス

新馬戦を勝ったばかりだが、ブレッシングテレサ(牝3、栗東・梅田智)は海外G1勝ち馬アドマイヤラクティの半妹で、如何にもオークスが良さそうなタイプ。初戦もかなり変わり身の余地を残しており、2戦目でどれだけ上昇を見せるか。

新馬を勝ち、2戦目のクイーンCで3着のロッテンマイヤー(牝3、栗東・池添学)は、母がブエナビスタ、ジョワドヴィーヴルの姉妹という良血で、まだまだ伸びしろが感じられる。

他にも、ハイレベルの500万戦で戦ってきたメイショウタチマチ(牝3、栗東・河内厩舎)、フロムマイハート(牝3、栗東・宮本厩舎)など、好メンバーが集結。昨年は忘れな草賞勝ち馬ミッキークイーンがオークスを制したが、今年も同じ流れになるかもしれない。

そして今週は、未勝利戦にも大一番が。ディープインパクト×ビワハイジの配合で人気になったエルプシャフト(牡3、栗東・角居厩舎)と、大評判馬リライアブルエース(牡3、栗東・矢作厩舎)がようやくデビューを迎える。

エルプシャフトは元よりデビューが遅いとは聞いていたが、ここまでずれ込むとは…。ただ陣営が馬に合わせてゆっくりつくって来たのが良かったか現在は順調に進んでおり、調教でもなかなかいい時計が出ている。「古馬相手にも食らいついているし、持っているモノはいい。デビューは遅くなったが血統的な背景からも、どんな走りをしてくれるか」と岸本助手。

リライアブルエースは秋の東京でデビュー予定だったが、脚部に軽い不安が出て放牧。デビューがここまで遅くなってしまった。ただ牧場でもやっていたので、入厩後もすぐに好時計が出ており、1週前には坂路で51秒0(一杯)をマークしている。

問題のデビュー戦だが、どちらも阪神芝2000mの未勝利戦を予定。ただリライアブルエースは福島の芝2000mも視野に入っているという。もし阪神を選択すると、こんな時期にエルプシャフト対リライアブルエースのPOG人気馬対決がみられることになる。個人的にはどちらもPOG指名馬なのでぶつかると困るのだが、見てみたい気もする。さすがにダービーは間に合わないだろうが、秋が楽しみになる競馬を期待したい。

エルプシャフト

順調に調教が進められているエルプシャフト


他はPOG的に、または馬券的に注目の馬を紹介しておきたい。

リライアブルエースが出走するかもしれない福島芝2000m戦はシャインブライト(牡3、池上和厩舎)も有力の一頭。「休み明けの前走も上手に走れていた。福島は新馬戦で走っているし、ここは何とかしたい」と池上和師。近親に阪神大賞典2着など長距離戦線で活躍したヒカルカザブエがいる血統。まだまだ伸びる素材だ。

土曜日の中山3歳500万のダート1200mはソロダンサー(牝3、美浦・武藤厩舎)をプッシュ。「相変わらず稽古は抜群に動く。レースぶりも上手になっているし、ここもチャンスがあるだろう」と武藤師。近親には地方交流レースで活躍したグラッブユアハートがいる。美浦坂路の動きは、500万にいる馬のものではない。

一発期待したいのは、福島芝1800mの未勝利戦に出走のコアコンピタンス(牡3、美浦・国枝厩舎)。デビューから4戦ダートを使ってきたが、5戦目にして待望の芝のレース。母がG1馬スティンガー、半兄はサトノギャラント、キングズオブザサンと一族の活躍の場は芝が中心。コース変わりで大変身に期待したい。