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騎手コラム

現役ジョッキーが語る名勝負

現役ホースマンが選ぶ最高の有馬記念はどの年だ?
ジョッキー目線からみた中山芝二五攻略法も伝授。騎手の感性を伝える特別企画!

戸崎圭太騎手
が選ぶBest of 有馬記念

2014年 ジェンティルドンナ

さすがに自分が勝ったジェンティルドンナですね…(笑)。それに正直に言うと、競馬を見始めたのも中学校3年生、競馬学校(地方競馬教養センター)に入った頃くらい。いや、その頃もあまりしっかりとは意識して観ていなかったかな…。だから、有馬記念といってもこのレースが記憶に残っているとかそういったものは特別ないんですよね。それにやはり自分が乗っているかどうかでは記憶に残り方も全く違います。でも、一年の中でもお祭りレースですし、あんな大きな舞台で勝てたことを今でも嬉しく思います。今でこそホープフルSもありますが、一年を締めくくるようなレースですからね。あの時は展開も向きましたが、当時は右回りの不安説やジャパンCで負けていたこともあり、絶対的な存在ではなかった中で勝ち切るあたり、ジェンティルの勝負根性が発揮されたレースだったと思います。

コースは枠に左右される印象が強いですね。基本、内枠がいいのは間違いないです。タイプ的には、中山コースに総じて言えますが、センスのいい馬は合いますね。なおかつポジションをとりにいっても、リラックスして走れるような精神面であったり、長く脚を使えるようなタイプですか。こと有馬記念にいうと、ジェンティルの年のようにスローになったりすることもあるので、展開にも左右されますよね。

2014年に有馬記念優勝直後のインタビューはコチラ⇒⇒⇒ 「週刊!戸崎圭太」

柴田大知騎手
が選ぶBest of 有馬記念

2013年 オルフェーヴル

僕は有馬記念に騎乗したことがないんです。日本ダービーへの騎乗は毎年の目標にしていますが、有馬記念は純粋に一番乗ってみたいレースですね。名レースは数え切れないほどありますが、そんな中で最も衝撃を受けたのがオルフェーヴルの引退レース、第58回の有馬記念。凱旋門賞2着からのローテとはいえ「勝つんだろうな」と思っていましたが、ラストランで8馬身差のぶっち切りですからね。名残惜しさを魅せるあたりが本物の名馬ですよね。特に見栄えする大型馬でもないのに、一体どんなバネをしているのか。傍目からでは計り知れない、あんな馬に一度でいいから跨ってみたいです。

中山2500mは有馬記念の歴史が物語るように、断然で内枠のほうが乗りやすいコース。基本的には好位を取った先行馬が有利だと思います。1周目で隊列が決まって、2周目に入るとペースが一気に落ち着いてしまうんです。そこでのポジションと、後ろからであればいかに押し上げられるかが鍵。そういった意味で、緩急をつけられる馬に乗っていると頼もしいですよね。オルフェーヴルやディープインパクトのような馬は別格ですけどね。難しいですが、良くも悪くも乗りがいがあるコース。ただ、先に記したとおり、まずは枠順を見てテンションが変わりますね(笑)。

柴山雄一騎手
が選ぶBest of 有馬記念

2017年 キタサンブラック

最近過ぎてスミマセン(笑)!!ジェンティルドンナもそうだったけど、有馬記念はドラマチックなレースになりますよね。今でこそ違いますが、年の最後のレースですし、乗り役目線でみても感動的な結末が多くて好きなレースですよ。

中山芝2500m戦はスタンド前を通過するだけに、特に有馬記念に関しては馬も歓声に反応することがありますよね。そこで平静を保てる馬、騎手、馬の落ち着いた精神力が求められると思います。それに急坂も登るわけで、持久力、スタミナがある馬がいいですね。内枠の方がいいイメージはありますが、時として力のない馬が前にいると下がってきてしまった場合に壁になってしまうことも。それなら、最後の3〜4コーナーで外を回ったとしても、減速せずに立ち回れる競馬が理想ですね。

柴田善臣騎手
が選ぶBest of 有馬記念

1987年 クシロキング

印象的な有馬記念?正直、あんまりないなぁ〜!俺はゼンノロブロイも乗ってたよね…(笑)。

でも、思い出深いのは、初めて有馬記念に乗せてもらったクシロキング。引退レースだったんだ。レースは岡部(幸雄元騎手)さんなどが乗ってたんだけど、ずっと調教に乗っていた馬でね。ずっと調教に乗っていたから先生(中野隆良元調教師)が「乗せてやる!」と言ってくれて、有馬記念で乗れたんだ。だから思い出に残っている。懐かしいな。それにしても、この企画いいね(笑)。

ちょうどクシロキングはレースに騎乗した岡部さんたちの話を聞きながら調教に乗って、それが自分の身になったね。色々聞きながら馬を作っていったんだ。そんなずっと調教で乗っていたG1馬に最後乗せてもらえて、これから頑張ろうという気になったんだよ。だからクシロキングとあの有馬記念には思い入れがあるんだ。

鮫島克駿騎手
が選ぶBest of 有馬記念

2005年 ハーツクライ

当時はまだ小学生だったのですが、その頃から競馬は観ていて、「あのディープインパクトが負けるんだ」と驚かされた記憶があります。当時はそれだけ絶対的な存在でしたからね…。他のレースでいえば、2012年にゴールドシップが勝った年も記憶にあります。負けてはしまいましたが、ルーラーシップはあれだけ出遅れたにもかかわらず、3着に追い上げてくるのは驚異的ですよね。ルーラーシップの産駒にも乗せていただいて、そこまで気難しさを感じませんが、やはり能力を感じさせる血統だと思いますよ。

芝2500m戦は乗ったことがないので何ともいえないところですが…6回もコースを回る形状ですから、ロスなく、リズムよく運ぶことが理想かと思います。僕だったら内を突いて一発を狙うような競馬を心がけたいですね。

野中悠太郎騎手
が選ぶBest of 有馬記念

2007年マツリダゴッホ

家族の中では誰も競馬を見ていない家庭に生まれたのですが、僕は小学校5年か6年の時に見始めたんです。そして、ちょうどこの頃、有馬記念の存在を知りましたね。このマツリダゴッホの年は配当も凄かったので衝撃を受けましたね。

他にはダイワスカーレットが好きでした。ご存知の通り、牝馬なのにハイペースで逃げて勝つ馬で、当時は「ダイワスカーレットが何で負けるんだろう…」と思いましたね(笑)。後から考えれば、マツリダゴッホは中山巧者でしたね。今でも一番と言われれば、この年を思い出します。

岩崎翼騎手
が選ぶBest of 有馬記念

2015年ゴールドアクター&
2000年テイエムオペラオー

最近でいえば、ゴールドアクターですね。今は栗東にきている(吉田)隼人さんとは以前から仲良くさせてもらっているんです。だから、勝った時は自分のことのように嬉しかったですね。申し分のないレース運びでしたよね。

そして、オペラオーですね。僕はもともと競馬関係者の家庭で生まれて、知られているかもしれませんが、オペラオーに乗っていたのがおじ(和田竜二騎手)。まだ子供の頃でしたが、中山競馬場まで観に行っていましたよ。嬉しくて歓声を挙げていた記憶はありますね。

伴啓太騎手
が選ぶBest of 有馬記念

2006年 ディープインパクト

当時中学2年か3年だったと思いますが、ディープインパクトの引退レースが思い出に残っています。テレビで見て強さに感動しました。野球選手あたりがそうですが、引退レース、引退試合は普通弱くなっているイメージがあるんです。そう考えたら凄いですよね。当時競艇なども見てはいたのですが、このレースをテレビで見て、これだと思いました。 このレースを見ていなかったら、僕はジョッキーになっていません。

藤懸貴志騎手
が選ぶBest of 有馬記念

2000年 テイエムオペラオー

テイエムオペラオーでしょ!僕自身最初に観た競馬で、イッッッチバン記憶に残っているんです。当時、親戚の家でレースを観ていて、馬群を割って抜け出てきた姿は今でも鮮明に記憶に残ってますよ。「競馬ってスゴいな」と思いましたし、これで興味を持ちましたね。

ゼンノロブロイなんかも秋の3冠を戦い抜きましたが、オペラオーも年間を通して、勝ち続けましたよね。今とは賞金の額も違いますし、あれだけ稼いだのはスゴいです。そして、和田(竜二)さんも当時は若手の部類だったと思いますが、あんな馬に乗って勝ち続けるってスゴいことだと思います。僕なら毎日ドキドキしているでしょうね…。タイムスリップして、当時のトレセンでオペラオーはどれだけ注目されていたのか、観に行きたいくらいですよ。あとはダイユウサクです…(笑)。引退レースのオルフェーヴルも圧巻でしたよね。

中山芝2500m戦は番組が少ないですよね。ヤマニンボワラクテって馬で乗せてもらったことがありますが、枠ですね。内からスッと先手をとられましたし、コーナーからレースが始まるので、外は不利だと思いますね。荒れるとしても内枠の馬がきますね。そう考えると、ダイワスカーレットってめちゃくちゃ強いですね。外枠から勝ちましたもんね。

(※)藤懸騎手は平田修厩舎に所属。平田師は厩務員時代にダイユウサクを担当していた。

高倉稜騎手
が選ぶBest of 有馬記念

2013年 オルフェーヴル

ラストランが印象的でしたよね。池添(謙一)さんの強い気持ちも伝わってきました。ジョッキー心理として、どうしても直線まで溜めたいという意識はあると思いますが、しっかりと踏んでいって「勝つ!」という気持ちが伝わってくるレースぶりだったので感動しましたね。(オルフェーヴルに騎乗できない時期もあり)色々な感情もあったのかもしれないですが、そこも身近にいさせてもらって、感じることもあったので…。

中山芝2500m戦はレースも少ないし、あまり乗ったことがないんですよね(4度のみ)。でも、あんなコース形態なので、1コーナーの入りが重要じゃないでしょうか。経験が少なすぎて、能書きを垂れているだけになってしまうので言いづらいですが(笑)、いかに馬のリズムを崩さず、運べるかがポイントになるのではないでしょうか。

富田暁騎手
が選ぶBest of 有馬記念

2013年 オルフェーヴル

記憶に残るレースはオルフェーヴルの引退レースです!何故かと言うと、競馬学校の合格が決定していて、学校へ入る前に初めて競馬を生で観戦したのがあのレースだったんです。

僕は周りに比べると競馬を見始めるのも遅かったですし、騎手という職業を知ったのもずいぶん遅かったですからね。その初めての競馬が歓声の大きさ、お客さんの興奮にも驚かされましたし、オルフェーヴルのめちゃくちゃ強い勝ち方に衝撃を受けた記憶があります。接戦のレースにもよさはありますが、ああいう圧倒的なレースも競馬の醍醐味の一つだなと思います。

あの有馬記念を観て、自分も頑張ればこんな馬に乗れる機会があるのではないか…と思いましたし、大変な世界に入っていくのだな、とも思いましたね。今は一番勝ちたいレースといえば、ダービーですが、とにかくG1に乗ってみたいですし、重賞にすら乗れていないので、大きなレースで依頼されるようになりたいですね。今はホープフルSがありますが、有馬記念は一年の総決算ですし、数多くの人が盛り上がるレース。いつか乗れる機会をつかみたいですね。

中山2500m戦は乗ったことがないので、正直わかりません…。すみません(苦笑)!!あくまで観ている印象では、スタートしてすぐにコーナーを迎えるコース形態ですからね。外枠は厳しそうなイメージがあります。中山自体がトリッキーな印象がありますし、基本内枠の方がよさそうですよね。

川又賢治騎手
が選ぶBest of 有馬記念

2016年 サトノダイヤモンド

当時はキタサンブラックが強いイメージでしたし、どの馬が負かせるのかなと思っていました。サトノダイヤモンドは3歳ながら強さのインパクトを感じましたね。最後に少しだけ差し切るあたりも、かなり図ってのものなのかなと思いますし、ジョッキーの技術を感じさせられました。ゴール前の攻防も見どころのあるレースでしたね。

コースは乗ったことがないので分からないんですけど…(苦笑)、中山の芝1600mは乗ったことがあります。そのイメージでいうと、中山は進路が狭くなったりするので、道中仕掛けどころから直線に向くまでの馬のコントロールも重要な中で大レースの駆け引きがある。難しいレースだと思います。今のところ中山で乗せていただく予定はありませんが、今年の数字(現在43勝)に満足せず、来年こそ飛躍の年にしたいです。

坂井瑠星騎手
が選ぶBest of 有馬記念

2006年 ディープインパクト

ディープインパクトの引退レースですね。僕は幼稚園くらいから大井競馬に始まり、中央競馬も競馬を観るようになりましたが、当時、小学校高学年くらい。その頃には乗馬もやっていましたが、今でも一番好きな馬で、レースも毎回楽しみにしていました。凱旋門賞挑戦も、競馬に興味のない学校の先生も話題にしていたほど。あれほど世間の話題になった馬が引退レースを飾って、嬉しかった記憶がありますね。

中山芝2500mは乗ったことがないのでわからない部分はありますが、最初のコーナーまでの距離が短いので、そこまでの位置取りとスタンド前の歓声に対して、どれだけ折り合えるか。そこが課題でしょうか。自分なら内枠がほしいですね。年明けは中山で乗せていただく可能性がありそうなので、どんなコースなのか、ぜひ体験してみたいです!

服部寿希騎手
が選ぶBest of 有馬記念

2017年 キタサンブラック

常に崩れない馬ですし、年度代表馬になるような馬がラストランを飾るあたり、ドラマチックだったと思います。デビュー前に栗東で乗せていただいた時に、何度かキタサンブラックの姿をみさせてもらいましたが、オーラを感じましたし、調整も大変だったと思います。その中で結果を出し続けることは並大抵ではないですよね。プレッシャーのかかる中で、結果を残し続ける精神力も素晴らしいですよね。

中山は模擬レースでしか乗ったことがありませんが、28日にヤングジョッキーズシリーズで乗せていただく予定です。中山はコーナーが急なイメージですね。模擬レースで乗せてもらった時、競馬学校の先生(教官)からもすごく怒られた記憶がありますね(苦笑)。僕自身、もっとたくさんの競馬場で乗せてもらいたいですし、長い距離で乗る経験もまだまだ少ないので、2年目は食らいついていきたいです。

小牧太騎手
が選ぶBest of 有馬記念

2004年 グレイトジャーニー…?

移籍初年度に有馬記念に乗せてもらったんですけど、なにせ帰りが交通渋滞で帰れなかったことが記憶に残ってます。というのも、移籍前はジャパンカップこそがすごいレースで、有馬がそこまですごいレースだと知らなかったですからねえ…(笑)。あとは2015年にヒットザターゲットもいい枠順が当たったのに、結果が残せなかったことは残念。レース前の枠順抽選会で五郎丸ポーズをして、そこが一番の見せ場になってしまった(苦笑)。

コースはやっぱり内枠有利やろ。内枠は溜めやすいし、すぐにコーナーがあるからね。中山は下(馬場)が悪くなりやすいのが印象的やけど、今は馬場もよくなったみたいやからね。今年は雨が降るようやけど、そこまで悪くならへんでしょ。個人的なことでいえば、来年はいつもの“小牧太”に戻ること。去年、一昨年とケガや制裁で乗馬も減っているからね。挽回できればと思います。

丹内祐次騎手
が選ぶBest of 有馬記念

1999年 グラスワンダー

中学3年生の時です。もう競馬学校に受かっていたころで、このレースの馬連の予想が当たったんですよ。4.7倍、今でも覚えていますが、もちろん馬券は買っていません(笑)。

小学生の時から競馬ゲームをやっていて、中学校の時からジョッキーになりたかったのですが、テレビでこのレースを観て感動しましたね。僕はスペシャルウィーク派で、(武)ユタカさんのウイニングランにも感動しました。勝ったと思ったら場内がザワついていて、実は負けていたという…。春の天皇賞で亡くなられた競馬評論家の大川慶次郎さんが「ダメだ」と言っていた時に勝ったり、スペシャルウィークは印象的ですね。

武士沢友治騎手
が選ぶBest of 有馬記念

1993年 トウカイテイオー

自分が乗った有馬記念ももちろん印象的だけど、トウカイテイオーが勝った有馬記念かな。まだ競馬学校に入る前だったと思う。1年ぶりの復帰戦で勝ったけど、馬もそうやって長期休養明けでも勝つことができるんだなと、そう思いましたね。

嘉藤貴行騎手
が選ぶBest of 有馬記念

2003年 シンボリクリスエス

シンボリクリスエスが2度目に勝った時の有馬記念ですね。強かったですよね、ペリエが乗って。引退レースでしたけど、まだまだやれそうなくらいでしたよね。圧勝だっただけに、思い出に残っています。

田辺裕信騎手
が選ぶBest of 有馬記念

1999年 グラスワンダー

思い出の有馬記念?…ないなあ。(記者が持っていたゴールドシップの写真を見て)ゴールドシップかな(笑)。しいて挙げるならグラスワンダー。このレース、客として中山競馬場で見てたんですよ。僕が生で初めて見た有馬記念です。

中山2500mの印象は…個人的にはあまり好きなコースじゃないんですよ。理由?長いから疲れる(笑)。それは置いておいても、言うほど枠の差はないと思いますよ。ただポジションを取りたい馬の場合は内枠が欲しいですね。単純にロスがないですから。力のある馬なら枠はそこまで気にしなくていいと思います。

西田雄一郎騎手
が選ぶBest of 有馬記念

1996年 サクラローレル

思い出の有馬記念といえば、まずオグリキャップ。このレースがなかったら俺はこの世界に入っていないからね。
でもより印象的で、思い出に残ってるのは96年のサクラローレルです。所属厩舎(境勝太郎厩舎)の馬でもあったんだけど、その前走の天皇賞(秋)で騎乗したノリさん(横山典弘騎手)が失敗したと言っていてね。もう先生(境勝太郎調教師)も激怒していて、ノリさんが厩舎まで謝りに来たんですよ。悔しかった中で勝ったレースで、ノリさんが凄くカッコ良かったのを覚えています。有馬までのプロセスを見ている分、思い出深いです。

中山2500mはみんなほど乗ってないですが、乗りやすいコースだと思います。ジョッキーの腕が問われるコースだと思いますね。