逃げて、そして差す!ウインフルブルームが金杯制覇!!

ウインフルブルーム

15年1月4日(日)1回京都1日目11R 第53回京都金杯(G3)(芝外1600m)

ウインフルブルーム
(牡4、栗東・宮本厩舎)
父:スペシャルウィーク
母:ハナノメガミ
母父:サクラユタカオー

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雪は多少残ってはいるが、好天に恵まれた京都競馬場。スタンドもけっこうな人だ。少しだけ暖かさも戻り、観戦日和。そんな中で今年の最初の重賞のゲートが開いた。
好発がウインフルブルーム。外のホウライアキコがあまり行く気を出さない。グランデッツァがすっと2番手から先頭に行くかの構え。結局、内外を離しての先行となった。
気持ち良く行くウインフルブルーム。3角の下りでは、グランデッツァに1馬身の差をつけて行く。内ラチ沿いをマイネルメリンダエキストラエンドが行く。馬群の中でシェルビーが揉まれている。4角を廻る時には並んで来たグランデッツァが前へと出る。
ラスト300では半馬身ぐらい出たのではなかろうか。そこからウインフルブルームがジワジわと盛り返す。内ラチ沿いから脚を伸ばしてきたエキストラエンドが厳しく迫ったが、体半分まで残してウインフルブルームが重賞を射止めた。

測ったかの様なラップを刻んだ池添・ウインフルブルームである。12.7~11.3~11.6~11.9~11.3~11.1~11.1~11.8である。一見、速い様な前半の3ハロンではあるが、35.6である。その後が47.5で1000m通過が58.8である。後続が楽についていける流れでありながら、ソコソコに脚を使わすいいペースである。
それが証拠に、上がり3ハロンが切れに切れている。そこをグランデッツァが勝負に出た。一旦先頭と勝ったかと思えたのだが、ウインフルブルームの強烈なもう一度の伸び具合に、グランデッツァの精神力が参ったのかも知れない。最後は5着までとなった。

PVで見ると、絵に描いた様な内ラチ沿いの3頭の決着である。2番手のマイネルメリエンダが3着になったが、3番手のエキストラエンドの伸びが凄かったからであろう。惜しむらくは、4着のフルーキー。道中は4番手の絶好位にいたし、直線も手応え十分で来ていた。しかしゴールあと少しの処で前にウインフルブルーム、内にエキストラエンド、外にグランデッツァが頑張っていて、道がまったくない。追えば伸びるであろうが、それが出来ずに終わった感があった。

当然にシェルビーの位置は道中で目に入れている。何か窮屈な処にいるなの感じで観ていた。極端な不利こそないが、内へは進路を取れないし、道中は何とか我慢であった。直線で外へ出しかけた時にレッドデイヴィスがいて弾き飛ばせない、というか相手も手応えは十分に残っていた。結局はそのレッドを差せないままであり、また届かない位置でもあった。内を突かないと間に合わない上がりの速さだった。

してやったりの池添J・ウインフルブルームはどうやら先手を取った時は、無類の強さを発揮する様である。新たな個性派がやっと芽吹き出した感がある。そんな金杯であった。

平林雅芳 (ひらばやし まさよし)
競馬専門紙『ホースニュース馬』にて競馬記者として30年余り活躍。フリーに転身してから、さらにその情報網を拡大し、関西ジョッキーとの間には、他と一線を画す強力なネットワークを築いている。