人気馬を従えてキタサンブラックが3連勝で皐月賞へ

●3月22日(日) 2回中山8日目11R 第64回 スプリングS(G2)(芝1800m)

2歳王者・ダノンプラチナとキャリア1戦で共同通信杯を制したリアルスティールが本番を前に直接対決。ほかにも京成杯の覇者で4戦3勝のペルーフや同レース2着のブラックバゴ、新潟2歳Sの覇者ミュゼスルタンなど、本番に向けて楽しみなメンバーとなった今年のスプリングS。多くのファンが描いたダノンVSリアルの一騎打ちムードを打ち壊したのは、これまた無敗のキタサンブラック(牡3、栗東・清水久厩舎)だった。

デビュー戦が後方からの差し切り、北村宏司騎手が手綱をとった前走は番手追走から楽に抜け出し。人気の良血馬を相手にどういった競馬を見せるのか注目されたが、スタート後にサッと気合を付けるとスンナリと2番手のポジション。「うまくスタートを出ました。ストライドが大きな馬ですが、スムーズに2番手。いろいろなかたちを想定していましたが、上手に運べましたね」と鞍上の思い描いたシナリオでレースが進んだ。
前半の1000mが1分2秒6のスローペース。4コーナー手前でタケデンタイガーを捕らえ、余力十分で直線に入ると、スーッと差を広げてゴールへ一直線。最後はリアルスティールに差を詰められはしたが、2連勝がフロックでないことをハッキリと証明して見せた。

「ペースが遅いわりに、みな後ろでゆっくり構えてくれました。道中はリズムを崩さないよう、気を付けましたよ。先頭の馬が後退し、思ったより早めに先頭に立ちました。また緩いとこがありますし、ゴール前にハトがいたりして、物見をしたのですが、最後までがんばってくれましたね。本当にいい馬です。この先も楽しみですよ」と鞍上はさらに自信を深めたようだ。

ディープインパクト産駒が人気を二分したレースで、勝ったのはディープインパクトの兄・ブラックタイド産駒のキタサンブラック。しかも母の父が短距離色が濃いサクラバクシンオーという異色の血統が本番でどんな競馬を見せるのか。抜群のレースセンスとまだ底を見せていない未知の魅力は、本番でももちろん脅威となる。

スプリングS

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