【高松宮記念】レッドオーヴァル ブリンカー装着で一変も!

25日、高松宮記念(G1)の追い切りが栗東トレセンにて行われた。

レッドオーヴァル(牝5、栗東・安田隆厩舎)は助手を背に坂路で3歳未勝利の僚馬と併せ馬を行ない、4F52.0-38.2-24.7-12.2秒をマーク。中盤から徐々にピッチを上げ、最後まで加速したままのフィニッシュ。約1秒もの差を難なく逆転し、3馬身ほど先着と貫禄を示した。

ここ2走はいずれも見せ場なく9着敗退。そこで陣営はテコ入れ策としてブリンカーの装着を試みてきた。「最近はグッとくるものがなかったので、初めてブリンカーを着けてみました。真っ直ぐに走れてたようですし、効果がありそう。競馬でも着けていくつもりですよ」と安田隆行調教師自ら一変を予告。

残る課題は当日の空模様。初の1200m戦への出走となった昨年も大雨に泣かされ14着に敗退。前走も不良馬場での戦いを強いられた。「前走は馬場に尽きますが、それでも1秒は負けていませんからね。良馬場でしっかりと走らせてやりたい」と指揮官も晴天を願うが、裏を返せば“良馬場なら十分戦える”という手応えの現れか。

3歳時には桜花賞で2着、昨年のスプリンターズSでは3着とG1でも能力は十分通用。条件さえ揃えば一気の戴冠が見えてくる。


サドンストーム(牡6、栗東・西浦厩舎)は国分優作騎手を背に坂路で4F52.9-38.2-24.8-12.6秒を記録。この中間はソフトな調整に終始したが、本番を目前に控えてビッシリと追い切ってきた。

「思ったより時計は速くなりましたが、最近は行きっぷりが良くなっているんでね。一旦調子をあげると落ちないタイプ。好調をキープしていますよ」と深川調教助手の口ぶりは至って滑らか。

再度オープンクラスへ昇格して以降、追い込み不発の競馬が続いていたが、一転して近走は重賞でも安定して上位に顔を覗かせている。「以前は繊細すぎる面があったけど、今は競馬にいっても我慢ができるようになった。今回も落ち着いて競馬に臨めると思いますよ」と気性面での成長をアピール。

半兄には香港の名スプリンター・ラッキーナインを持つ良血馬。自慢の末脚で波乱を巻き起こせるか。


アフォード(牡7、栗東・北出厩舎)は開門直後の坂路に登場。助手を背に4F51.4-37.1-24.1-12.2秒をマーク。終いの伸びが目を見張った。

「レース間隔もそう空いているわけじゃないし、先週まではソフトに。今週はしっかりとやったよ。いい動きだったね。動きもそうだけど、馬体の張りなんかもグッと良くなってきている。本当にすべての面で良くなってきた」と北出成人調教師のトーンは上昇の一途を辿る。

関西馬ながら全7勝中、6勝が関東圏でのモノと異色な存在。その理由は“前日輸送”にアリ。前日に前乗りして、現地で一泊できる競馬場で好走を続けてきた。

それだけに「今回は当日輸送とか色々と克服しないといけないこともあるけどね」と課題を認めつつも「この条件自体は合っていると思う。無欲の追い込みで勝負だね」と最後まで色気十分のコメント。虎視眈々と一発を狙っている。