ラスト1F10秒9の衝撃 3連勝モーリスがマイル界に新風起こす

●4月5日(日) 3回中山4日目11R 第47回ダービー卿CT(G3)(芝1600m)

大外から伸びてきた末脚で一気に先頭へ立つ。モーリス(牡4、美浦・堀厩舎)一頭だけが次元の違う脚を見せた。その時計はラスト1ハロン10秒9。発表こそ良馬場ではあったが、日中は雨が降り続き、パンパンの良馬場とは言えない。その馬場状態で弾き出したことを踏まえれば、破格の時計と言える。

重賞未勝利ながらも、前走のスピカSで4コーナー最後方の位置からまとめて差し切ったパフォーマンスを評価されてか、今回も堂々の一番人気。手綱を執る戸崎圭太騎手は「底知れない能力を感じていますよ」とモーリスの素質を買っていた。

道中は後方2番手からの競馬。鞍上としては「もうちょっと前目で競馬をしたかったのですが」と不本意な形ではあったが、しっかりと脚を溜めることに専念。直線に入り、大外へ持ち出すと昨年のリーディングジョッキーも思わず息を呑む末脚が炸裂する。「手応えは良かったですし、脚の違いを見せてくれましたね」との言葉通り、上がり3ハロンは33秒0と2位のエキストラエンドの上がりを0秒4も上回る圧巻の時計。これには戸崎騎手も「強かったですね。今後の重賞でも楽しみですね」と笑顔を見せた。

課題に挙げていたゲートも改善が見られた。「少しうるさいところはありますが中間に練習を積んだ効果は感じましたし、多少出遅れても焦りはなかったです」と成長を実感した。ここに来て3連勝と勢いに乗るモーリス。安田記念でも主役になりうる新星がどこまで連勝を伸ばすのか、今後も目が離せない。

モーリス

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