ジックリと力を蓄えたヤマカツエースが胸張ってG1へ

●4月11日(土) 3回中山5日目11R 第33回ニュージーランドT(G2)(芝1600m)

西の阪神牝馬Sが姉妹制覇なら、こちらは調教師&ジョッキー親子でのV。強豪に揉まれてジックリと力を蓄えたヤマカツエース(牡3、栗東・池添兼厩舎)が鮮やかな差し切り勝ち。NHKマイルCの有力候補に名乗りを上げた。

1番人気のグランシルクが大きく出遅れ。波乱含みのスタートとなった今年のニュージーランドTは、アンブリカルが飛ばす展開。「他馬と並ぶと力むところがあるので、折り合いに気を付けました」と池添謙一騎手が選択したポジションは先行集団の後ろ。馬場を考慮すれば速いラップで、デビュー当初の好位に付ける競馬から、脚を溜める競馬にシフトした今のヤマカツエースにとっては最高の流れが出来上がった。

あとは前走のファルコンSで見せた脚が本物かどうか。「良い位置で馬の後ろでガマン出来ていたので良いなと思っていましたし、ギリギリまで馬の後ろで溜めて、これでダメなら仕方ないというくらいのタイミングで追い出しました」とゴーサインを出すと、アッという間に先頭へ躍り出て、そのまま出遅れを挽回して伸びてきたグランシルクを振り切ってゴール。前走の脚がフロックではないことを証明して見せた。

函館でデビュー2戦目に勝ち上がると、すずらん賞でクビ差の2着などオープンでも好走。2月に2勝目を上げて、続くアーリントンCも0秒2差の6着と地味ながら大崩れなく、道中脚を溜めて終い差す競馬をマスター。「最後もよく凌いでくれましたし、強かったですね。東京のマイルも仕掛けどころひとつだと思います」と確かな手応えを得てNHKマイルCに挑むことになる。

直線での進路の取り方が審議の対象となり開催日4日間の騎乗停止処分を受けてしまうも「父の管理馬で久し振りに重賞を勝てて嬉しいです」と勝利を喜んだ池添騎手。父の管理馬での重賞勝ちは2010年にメイショウベルーガで勝った京都大賞典以来で、まだ親子でのG1タイトルは手にしていない。3月には弟の池添学調教師も厩舎を開業。この春は池添ファミリーから目が離せない。

ヤマカツエース

ヤマカツエース

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