【安田記念】カレンと初コンビのユタカ「条件はぴったり」

3日、安田記念(G1)の最終追い切りが栗東トレセンにて行われた。

前走、大阪杯8着のカレンブラックヒル(牡6、栗東・平田厩舎)は先週に続いて武豊騎手が手綱をとって坂路へ。水分を含んでタフな馬場ながら、馬なりの手応えのまま登坂してタイムは先週を上回る4F51.5-37.8-25.0-12.7秒をマーク。文句なしのデキで2つ目のG1タイトルを狙う。

「厩舎サイドからは“しっかりとやってくれ”と指示されました。先週もそうでしたが、やっぱり調教は動きますね。少し掛かったけど、大人しかったし、これでいいんじゃないかな。マイル戦線の強い馬が全部出てきたけど、こっちもこの条件はぴったりだと思うよ」と2週続けての満足いく動きに鞍上も確かな手応えを掴んだ様子。東京コースはG1勝ちに加え、古馬を相手に毎日王冠を快勝したゲンのいいコース。また、コンビを組む武豊騎手といえば逃げ、先行馬に乗せた時の巧みなペース配分に格別のものを持っている名手中の名手。まさに関係者のみならず、ファンも待望のタッグ結成だ。

破竹の5連勝を飾った3歳時の勢いはないとはいえ、昨年、今年と重賞を勝ち、攻めの動きからも力の衰えは皆無。しかも、重賞2勝はともに道悪でマークしたもの。予報通りの冴えない天候になれば、千両役者を背に鮮やかな復活劇が見られるかもしれない。


前走、マイラーズC10着のクラレント(牡6、栗東・橋口弘厩舎)は助手を背に、同じ安田記念に出走するレッドアリオンと坂路で併せ馬。ゴール前で強めに追われて4F54.9-39.9-26.1-13.0秒で最終スパーを終えた。

山手調教助手は「先週と同じような形で追い切りました。テンに上手く入れたし、動きは良かったですよ」と合格点を与え、「この前は坂の下りでうまく加速できないところがありました。その点、東京では成績を残していますからね」とコース替わりに期待を寄せる。

今回は昨年の関屋記念、京成杯AHを連勝した田辺裕信騎手に戻って巻き返しを期す一戦。その京成杯AH以降の成績が冴えないが、今年に入っての2走は抜けたトップハンデを背負ったダービー卿CTが6着、前走のマイラーズCも10着ながら勝ち馬からは0秒6差と内容は決して悪くはない。好相性のジョッキーで、にわかに変身ムードが漂っている。