ヒカリ重賞初Vにユタカも満足「優等生ですみません(笑)」

●6月14日(日) 3回東京4日目11R 第32回 エプソムC(G3)(芝1800m)

ファンの大きな期待と不安を背負って出走したエイシンヒカリ(牡4、栗東・坂口則厩舎)。最後は内から迫り来る1番人気サトノアラジンを抑え、初の重賞制覇となるゴールイン。

今回はパドックのみブリンカーを着用する変則的なスタイルを敢行。その効果もあってか、「この馬としてはすごく落ち着いていたので、良いレースができるんじゃないかなと思いましたよ」と武豊騎手

スタート後は二の脚も付いてハナを奪い、絶妙なペース配分に持ち込んでの逃走劇。狙いすました勝利に、「レースもコチラが思っている以上に落ち着いていましたね。皆さんの期待を裏切って、優等生なレースをしてすみません(笑)」とユタカ節が炸裂した。

直線では外へと行きたがる場面を見せ、アイルランドトロフィーの再現を少し予感させたが、そこからは右ムチと手綱さばきによる懸命のエスコート。それでも、「左回りも問題なかったですよ」と鞍上はサラリと言いのけた。

「ジョッキーには思い切って逃げてほしいと伝えました。2番手とそう差がなかったですし、脚質的にヒヤヒヤして見ていたが、上手く乗ってくれましたね。スッと折り合えるのが心強いですよ」とは坂口正則調教師。想定外のレースぶりを見せられたものの、人馬に最敬礼といった様子。

これでキャリアは8戦7勝。一度目は跳ね返された重賞挑戦でまたひとつ、大きな壁をクリアしたエイシンヒカリ。「まだまだ強くなりそうですし、秋は大レースを目指したいですね」と名手の期待も膨らむ一方。再び始まった連勝街道をどこまでひた突き進めるか。超特急“ひかり”の走りはますます熱を帯びそうだ。


2着 サトノアラジン(C.ルメール騎手)
「スタートは良かった。でも、少し行きたがっていたね。よく詰め寄っているが、距離はマイルのほうがいいと思う」

3着 ディサイファ(四位騎手)
「枠を考えればよく走っているよ。最初のコーナーまでのロスは大きいもの。最後はよく伸びている。周りに馬がいたほうが闘争心を燃やすタイプだからね」

4着 フルーキー(北村宏騎手)
「中団くらいに付けたかったけと、スタートダッシュがひと息。向正面で差を詰めながらも脚を温存したかった。直線は伸びているんだけどね。前を捕え切れなかった。もう少しうまく運べていればと悔やまれるよ」

5着 ヒラボクディープ(柴山騎手)
「どこかで壁をつくりたかったですね。ずっと前が開いている形になりました。前走のように脚をためられれば、もっと弾けるんですけどね。それでも、正攻法でいい競馬はできていますよ」

6着 ペルーサ(内田博騎手)
「ゲートは出たし、最後も伸びている。でも、まだ物足りなさが残るよ。本来なら体が沈み込み、クグンと伸びるはず。兆しは見えたから、使って良くなれば。どこかで復活できると思う」

7着 フェスティヴタロー(田中勝騎手)
「気が入ってきたよ。ただ、前へ行けるとはいっても、もっと勢いが付くはずなんだ。もう少しトモがパンとしてくれば」

8着 ユールシンギング(吉田隼騎手)
「勝ちにいったのですが、反応してくれなくて。ゲートも扶助に反抗する感じ。結果的に、仕掛けを待たされた前走のほうが内容は良かったですね」

9着 アーデント(石橋脩騎手)
「2、3番手に行きたかったてすし、好走パターンではなかったですね。でも、スッと行かれてしまい無理はできなかった。いい感じで運べたし、頑張ってはいるのですが」

10着 フルアクセル(丸山騎手)
「じっくり運び、この馬の競馬はできたと思います。頑張って伸びているのですが、相手は強かった」

11着 マイネルホウオウ(柴田大騎手)
「直線に向くまでは思い描いたとおりでした。でも、反応できなかった。復調にはまだ時間がかかるかもしれませんね」