【5回阪神】グローサーザール…小平奈由木の注目新馬レポート

グローサーザール
(牡2、栗東・池江厩舎)
父:ヴィクトワールピサ
母:ファーストバイオリン
母父:Dixieland Band

皐月賞、有馬記念で国内の頂点を極め、日本馬として初となるドバイワールドCの栄冠を勝ち取ったヴィクトワールピサのファーストクロップ。上々のスタートを切り、先週までに15頭が勝ち上がっている。一発長打が魅力なネオユニヴァースの後継だけに、大物が登場して不思議はない。

母ファーストバイオリン(その父ディキシーランドバンド)はアメリカで2勝。同馬の半兄に米G1・ブルーグラスSを制したドミニカン、菊花賞を2着したサウンズオブアース(他にG2での2着が3回)、 クロイツェル(現1勝)がいる。社台サラブレッドクラブにて総額7000万円で募集された。

社台ファームの直線ダートコースで順調に乗り込まれ、7月21日、山元トレセンへ。9月26日、栗東に入厩した。10月9日のゲート試験をクリアすると、いったんグリーンウッド・トレーニングに移って乗り込みを重ねる。ハロン15秒程度のスピードメニューを消化し、充実した態勢が整った。11月27日に帰厩。550キロもの馬格を誇りながら、ダイナミックに全身を使え、反応は良好である。クラシックディスタンスで、非凡なパワーやスタミナを発揮するだろう。

12月20日(日)、阪神の芝2000mに向かう。ライアン・ムーア騎手に依頼している。



小平 奈由木(こだいら なゆき)

早稲田大学日本語研究教育センターに勤務した後、競馬関係に進む。競馬専門紙「1馬」の記者、法人馬主「サラブレッドクラブラフィアン」のレーシングマネージャーなどを経て、現在はフリーランス。業界のキャリアは 20年近くになり、生産・育成現場からトレセンまで精通。

月刊誌「競馬最強の法則」の人気コーナー「トレセン最前線」をはじめ、幅広い知識を生かしたエッセーが評判 になっている。