【天皇賞(春)】昨年3着シュヴァルグラン福永「今年は彼と一緒にG1タイトルを」

シュヴァルグラン

26日、天皇賞(春)(G1)の追い切りが栗東トレセンで行われた。

前走、阪神大賞典2着のシュヴァルグラン(牡5、栗東・友道厩舎)は、助手を背に古馬オープンのムスカテールを0.1秒追走。終いグッと気合を付けられると、友道康夫調教師が「シャープになった」と話すキビキビとしたフットワークでパートナーを楽に捕らえ、4F53.5-39.0-25.7-13.1秒のタイムで3馬身先着を果たした。

先週、先々週とCWコースでハードな攻めを積まれ、まさに研ぎ澄まされたような馬体を見せている。今年は妹のヴィブロスがひと足先にドバイターフで2つ目のG1を手にしているだけに、最高の状態で挑む今回は、兄としても何とか1つビッグタイトルを手にしたいところだろう。


追い切り後、福永祐一騎手の一問一答は以下の通り。

●負けはしたが成長に手応え

-:初めに今年の使い出しとなった阪神大賞典を振り返っていただけますか?

福永祐一騎手:調教から乗せてもらったのですが、期待していたとおりに今年を迎えて、馬も良くなっていましたし、走りの質が昨年とは全然違っていたので、レースでもどういった変化を見せてくれるのか、楽しみにしていました。

-:敗れはしましたが、手応えを掴んだという感じでしたでしょうか?

福:調教での変化がレースでもいい面で現れていましたし、負けはしましたが、昨年とは随分メンバーも違いましたし、早めに動く形の中で前哨戦、休み明けの一戦としては悪くない内容だったかと思います。

-:その阪神大賞典を踏まえて今週の天皇賞(春)ですが、調整具合はどうご覧になっていますか?

福:中間、追い切りは乗っていないのですが、馬場1周を普通に乗る時に1度乗せてもらって、動きの切れは良かったですし、1度使われて予定通りに馬は上昇曲線を描いているのではないかと感じました。

-:そうしますと、阪神大賞典から天皇賞(春)。これは去年と同じローテーションになりますが?

福:そうですね。

-:中身は違うとみていいでしょうか?

福:良くなるのは以前から今年に入ってからぐらいかなと友道先生をはじめ、厩舎のスタッフ達と話していたのですが、昨年が思った以上に結果を残してくれていましたのでね。でも、やっぱり期待通りに今年に入ってグッと馬も良くなってきましたので、去年は勝って臨んだ天皇賞でしたが、中身に関しては今年の方がより自身を持っていける状態だと思います。

-:去年の天皇賞を少し振り返っていただきましょうか。

福:いい枠に当たっていたのですが、スローペースが予想されて、実際にスローペースになったのですが、ポジション的にもう1列前で競馬をしたいなと思っていて、そのポジションが取れなくて……。動きたいタイミングで動けなくて、惜しい3着でした。スタートが元々早くないというか、早く出れない走り方をしていたのですが、調教でいい動きを見せるようになって、競馬で何が一番良かったかというと、スタートの1歩目の出方が非常に良かったので、あの出方をしてくれたら、よりいいポジションを楽に取れると思いましたので、その辺は当たった枠にもよりますけども、昨年よりはいいポジションを楽に取れるようにはなっていると思います。

-:長距離でいい成績を残しているシュヴァルグランですが、距離適性はどうご覧になっていますか?

福:結果が示す通り、長距離適性はあると思います。

-:福永さんはこのきょうだいに乗って活躍されていますが、G1のタイトルというと女きょうだいに先を越されています。

福:そうですね。でも、本当にコンスタントに高い能力を持つ仔を出す母親で凄いなと思います。それぞれタイプも違いますし、面白いですね。この馬に関していえば、我慢して使われていた成果が今現れているのを感じます。

●最高のデキで臨む一戦

-:ここまでの戦績を見ますと、キタサンブラック、サトノダイヤモンドに悔しい負け方をしていると思いますが。

福:その2頭はG1馬ですし、G1を複数勝っている馬ですから、同列にいるとは思っていませんし、あくまで挑戦者の立場だと感じています。2頭とも3000mを超える距離を勝っていますし、キタサンブラックは天皇賞も勝っていますから、なかなかスキというのは見つけにくいのですが……。あの2頭も長距離適性がありますし、シュヴァルグランも力を付けていますが、あの2頭も端から見て分かるくらい力を付けていますから、簡単なレースではないと思います。でも、諦めている人間には勝利の女神は微笑まないと思いますので、この馬も状態はいいですし、勝つイメージを持って、一番いい結果を出せるように頑張れたらと思います。

シュヴァルグラン

-:その為の作戦は今の時点で考えていますか?

福:考えていないです。基本的に枠が出てからしか考えないので。佐々木オーナーと友道調教師は乗り方に関してはいつもジョッキーに一任してくれますので、その辺は枠が出てからいろいろと。あとは馬場状態ですね。それを踏まえて考えていきたいなと思います。

-:馬場状態に関して当日希望するのは?

福:どちらでもいいです。与えられた条件下でやるのが競馬だと思いますし、希望したからといってその通りになるものではないので。

-:天皇賞は秋にジャスタウェイで勝っていますが、春も取りたいタイトルの1つだと思います。

福:非常に名誉あるレースですし、個人的には取りたいタイトルですけども、あくまでも競馬は馬が主役ですし、シュヴァルグランはG2までは勝っていますけどもG1には手が届いていないので、今年は彼と一緒にG1タイトルを取りたいという気持ちが強いですから、今回はチャンスがあると思いますので、一生懸命頑張りたいと思います。

-:改めてシュヴァルグランで臨む天皇賞(春)。抱負をお願いします。

福:非常に順調に来ていますし、1度使われて体調も良化しています。強力な相手がいますけども、自信を持ってぶつかっていきたいと思います。応援よろしくお願いします。