【2歳馬情報】あの快速牝馬の娘が満を持して東京でデビュー!

秋開催も進み、冬の足音も聞こえてくる時期となった。今週は東京競馬場で大活躍したあの女傑の産駒がデビュー。続々とデビューする良血馬たちを、今週も厩舎育ちのPOG好き、数多くの名馬をPOGで指名した達人・山田乗男が良血馬、素質馬たちを紹介していく。

♦11月14日

●東京芝1400m

ルージュアドラブル(牝、ロードカナロア×ココロノアイ、美浦・国枝厩舎)
母はチューリップ賞など重賞2勝。1週前調教(以降も調教は主に1週前のもの)は坂路52秒9-12秒7の時計で、古馬3勝クラスのサトノエルドール、古馬2勝のライフレッスンズと互角の動きを披露。デビュー戦から楽しみになってきた。鞍上はルメール騎手。

フレーズバニーユ(牝、ストロングリターン×チェリーヒロイン、美浦・和田正厩舎)
母は4勝。近親ワイドファラオ(交流G1かしわ記念勝ち馬)。調教時計は目立たないが、全て余力残しのもので、動きは悪くないようだ。鞍上は横山武騎手。

ミリタリータンゴ(牡、エイシンフラッシュ×ダンスアミーガ、栗東・中竹厩舎)
母は5勝。3代母ダンスパートナー(オークスなどG1を2勝)。調教は坂路で54秒4-13秒3。レースまで、もう少し時計を詰めていきたい。鞍上は松若騎手。

エルピーダ(牝、ヘニーヒューズ×レースパイロット、美浦・武市厩舎)
母はフローラS3着。おじキングカメハメハ(ダービーなどG1を2勝)。派手な時計を出すことが少ない厩舎なので、ポリトラックで5F68秒台レベルの時計でも大丈夫か。ただ400キロを切るような馬体重で、現状は調整が難しそうだ。鞍上は藤田菜七子騎手。

ホウオウマルゴー(牝、ディープインパクト×ハヴユーゴーンアウェイ、美浦・栗田厩舎)
母は北米G1勝ち馬。セレクトセール1億4040万円(税込)。「ディープインパクト産駒の牝馬らしい軽い走りで、いかにも芝向き」とは記者の話。外目を回って水準レベルの時計は出ており、デビューへ向け順調に進んでいる。鞍上は戸崎騎手。なお翌週の牝馬限定マイル戦へ向かう可能性もある。

●東京芝1800m

プレミアエンブレム(牝、ルーラーシップ×メジャーエンブレム、美浦・田村厩舎)
母は阪神JFとNHKマイルCを制覇。同馬が初仔にあたる。母は牡馬顔負けの筋肉量と馬格があったが、こちらは父ルーラーシップの影響も出たのか、体の造りにはゆとりがある。ストライドは大きく、中距離まで保ちそうなイメージだ。母のデビュー前のような調教内容までには達していないが、坂路、ウッドコースで水準レベルの時計はクリアし、併せ馬でも先着している。鞍上はルメール騎手。

アンダープロット(牡、ハーツクライ×マチカネタマカズラ、美浦・加藤征厩舎)
母はクイーンC3着、半姉アルコレーヌ(現3勝)。ウッドが重いため時計は目立たないが、長めからしっかり負荷をかけられ、併せ馬で先着している。鞍上はデムーロ騎手。

ダノンブレット(牡、キングカメハメハ×ダイワズーム、美浦・菊沢厩舎)
母はスイートピーSなど4勝。全兄ヴィアメント(現2勝)。調教では3勝クラスのダノンファストと併入し、期待感は増している。

●阪神芝1600m

エリカステラ(牝、ディープインパクト×リリーオブザヴァレー、栗東・藤原英厩舎)
ヴァンキッシュラン(青葉賞勝ち馬)をはじめ、セントレオナード、リリーピュアハートと、デビューした兄姉3頭は全て準オープン以上に出世している。CWで好時計を出しており、デビューから勝ち負けできる状態になる。血統から、先々まで期待大だ。

キネシクス(牡、ハービンジャー×チアズメッセージ、栗東・松下厩舎)
母は京都牝馬S勝ち馬。1週前の坂路は馬場が重く、54秒6-13秒2と少々時計はかかったが、2週前はCWで終い上々の時計を出している。鞍上は福永騎手。

ウルザブルン(牝、エピファネイア×ヴェルザンディ、栗東・高橋義厩舎)
半兄ヒシエレガンス(現2勝)、おじディープインパクト(G1を7勝)。6月に軽い骨折が見つかりデビューが遅れたが、その後は順調に回復し、当レースでデビュー予定。調教ではCW5F64秒台とかなり速い時計をマーク。終いもきれいにまとめており、初戦から好勝負が期待できる。鞍上は和田騎手。

●阪神ダート1400m

ヴォルガ(牝、ドゥラメンテ×マザーロシア、栗東・松下厩舎)
半兄ゴールデンバローズ(現5勝、UAEダービー3着)。坂路54秒1-13秒3 と時計は平凡だが、併せた相手にしっかり先着。体にも余裕があるということなので、まだまだ変わっていくだろう。鞍上は福永騎手。

♦11月15日

●東京芝1600m

トゥルーアート(牝、ダイワメジャー×イグジビットワン、美浦・大竹厩舎)
半兄メートルダール(中日新聞杯勝ち馬)。調教はウッドで5F67秒台を余裕を持ってマーク。本数も少ないので、まだまだ変わり身も見込める。

●阪神芝1800m

ダノンジェネラル(牡、ドゥラメンテ×ペルヴィアンリリー、栗東・中内田厩舎)
半兄アドマイヤエイカン(札幌2歳S勝ち馬)。セレクトセール1億6200万円(税込)。切れるというよりは持久力型の印象。10月上旬から調教本数をこなしており、1週前は芝コースで川田騎手を背に追い切り。古馬相手に半馬身ほど遅れたが、同期のヒノシタカイザンには先着。全体時計、上がり時計ともに上々だ。鞍上は川田騎手。

クリストバウム(牡、ノヴェリスト×ギミーシェルター、栗東・渡辺厩舎)
母は5勝で、春のクラシックにも出走。おじにペインテドブラック(青葉賞など重賞2勝)。2週前までは平凡だったが、1週前は外めを回って負荷をかけながら時計を大きく詰め、良化が窺える。鞍上は幸騎手。

マテンロウエール(牡、ロードカナロア×ディアチャンス、栗東・松永幹厩舎)
母はマーメイドS勝ち馬。CWで5F66秒台の好時計。その前にも終い重点に1F12秒台前半の時計を出しており、態勢は整いつつある。

●阪神ダート1400m(牝馬限定)

ドーターオブナイル(牝、キングカメハメハ×ジュエルオブナイル、栗東・荒川厩舎)
母は小倉2歳S勝ち馬。坂路55秒9-12秒4で新馬に先着。レーズが近づくにつれ、時計も一気に詰まってきている。鞍上は浜中騎手。

♦新規入厩

セブンフィールド(牡、ディーインパクト×カルティカ、栗東・藤原英厩舎)
おじケマーはフランスG1勝ち馬。社台RHの募集価格1億2000万円

パロットビーク(牝、ハーツクライ×クリアンサス、栗東・松永幹厩舎)
母はマーガレットS1着。祖母フラワーパーク(高松宮記念、スプリンターズS勝ち馬)、おじヴァンセンヌ(安田記念2着)

ホウオウリアリティ(牡、モーリス×キョウエイトルース、美浦・高木厩舎)
半兄サウンドトゥルー(チャンピオンズCなど交流含むG1を3勝)、アナザートゥルース(アンタレスS勝ち馬)、ルールソヴァール(交流G3佐賀記念勝ち馬)

アイリスアゲート(牝、ロードカナロア×レッドアゲート、栗東・角居厩舎)
母はフローラS勝ち馬。半兄レッドジェニアル(京都新聞杯勝ち馬)