過去10年攻略データ

牝馬クラシックレース第二弾で、競馬番組表での名称は『優駿牝馬』。桜花賞から一気に800mの距離延長となり、スピードに加えスタミナも要求される3歳牝馬には過酷な舞台設定となる。近年は桜花賞上位組でも距離適性を考慮してNHKマイルCへ向かう馬もいるが、多くは牝馬同士の戦い、クラシックレースにこだわってこちらを選択してくる。今年は桜花賞馬アーモンドアイを筆頭に桜花賞上位5頭が揃って参戦。アーモンドアイが2冠を達成するか、それとも2歳女王ラッキーライラックがリベンジを果たすのか、はたまた新星誕生か。3歳牝馬頂上決戦をデータで紐解きたい。
2010年はアパパネとサンテミリオンが同着で優勝。過去10年の勝ち馬は11頭、2着馬は9頭となる。

桜花賞組が圧倒!

[前走レース]馬券絡みがあるローテーションはわずか4レース。中でもクラシック初戦の桜花賞からの直行組は8勝、2着と3着が5回ずつという好成績。完成度が求められるレースで、大舞台での経験が生きているといえよう。
それ以外では、桜花賞当日に行われる忘れな草賞組が2勝。フローラS組は勝ち馬こそ1頭しか出ていないが、2~3着はそれぞれ4頭出ていて、近年はこの組の圏内突入が増えている。一方、スイートピーS組は大不振で、前走条件クラスから挑戦した馬も本番で1頭も馬券に絡んでいない。

前走レース別成績
レース名 成績 勝率 連対率 複勝率
桜花賞8-5-5-669.5%15.5%21.4%
忘れな草賞2-0-0-918.2%18.2%18.2%
フローラS1-4-4-332.4%11.9%21.4%
皐月賞0-0-1-00.0%0.0%100.0%
スイートピーS0-0-0-240.0%0.0%0.0%

前走着順別成績
前走着順 着別度数
前走1着6-3-2-39
前走2着1-4-4-19
前走3着2-1-1-14
前走4着0-0-0-9
前走5着0-0-1-10
前走6~9着1-1-0-26
前走10着~1-0-2-31

過去10年注目データ

[前走着順]過去10年、11頭の勝ち馬のうち6頭が本番でも連勝。勝ち馬は1頭しか出ていないが、前走2着馬は連対率で前走1着馬と互角、複勝率では上回るアベレージを残している。
前走6着以下から連対した馬は5頭いるが、全て重賞勝ち馬で、大きな着順から巻き返してくるには相当な底力が必要となる。

[枠順]昨年も6枠が連対を果たせず、過去10年で唯一連対がない。両隣の5枠が2勝、2着2回、7枠が2勝、2着3回と好対照なのは面白い。2枠が3勝、5枠、7枠、8枠が2勝と勝ち馬の分布にはやや偏りがある。
馬番別では「3」の(2.1.1.5)、「14」の(1.1.2.6)が目立つ数字。昨年は前年まで馬券絡みがなかった「1」が2着、「16」が3着に入り、馬券絡みがないのは「8」「11」の2つになった。

[脚質]4角先頭で馬券圏内に踏ん張ったのは11年にハナを切って2着に粘ったピュアブリーゼのみ。差し馬が圧倒的に有利なレースで、ほとんどの馬が初めての距離で、道中ロスなく少しでも脚を溜めたいという思惑が働くのか、4角7番手以下からの差しが9勝。長くいい脚を使える馬が好成績を残している。

1~2番人気は堅実

1番人気の成績は(4.2.1.3)と勝ち馬は決して多いとはいえないが、複勝圏という面ではマズマズの信頼度。2番人気は1勝だが、2着3回、3着2回とこちらも連対率、複勝率はマズマズで、1~2番人気が揃って圏外に消えたケースは過去10年では2008年のみとなっている。
人気面での注目はフローラSで権利を獲った馬で、別路線ということから実力より美味しい人気となっていることが多い。

人気順別成績
人気 成績 勝率 連対率 複勝率
1番人気4-2-1-340.0%60.0%70.0%
2番人気1-3-2-410.0%40.0%60.0%
3番人気2-0-1-720.0%20.0%30.0%
4番人気1-0-1-810.0%10.0%20.0%
5番人気1-1-2-610.0%20.0%40.0%
6~9番人気2-2-3-335.0%10.0%17.5%
10番人気~0-1-0-870.0%1.1%1.1%

プラスαデータ

東のジョッキーが意地!

過去10年、関西馬が7勝、関東馬が4勝。ジョッキーも栗東所属が8勝と『西高東低』ではあるのだが、近年は関東馬が盛り返していて、現在5年連続連対。複勝圏では2010年以降、毎年関東馬が1頭は名を連ねている。
ジョッキーの方は勝ち星こそ西優勢も、2着の回数は美浦所属のジョッキーが6回とリード。地元の意地を見せている。

[キャリア]勝ち馬11頭のうち、10頭がキャリア4~6戦の馬で、5戦が4勝、4戦と6戦の馬が3勝を挙げている。勝ち馬の最多キャリアは11年エリンコートの8戦。馬券圏内の最多キャリアは07年の3着馬ラブカーナの11戦。連対馬は早めに賞金を確保して王道ローテを歩んできた馬が多い。

[乗り替わり]過去10年、乗り替わりのコンビで勝ったのは12年の3冠牝馬ジェンティルドンナのみで、2着もわずか2回しかない。3歳春のクラシックレースは総じて乗り替わりはマイナスとなっているが、ほとんどの馬が初めてで、牝馬には過酷な2400mで争われるレースとあって、ジョッキーとのコミュニケーションがより必要というのがデータからも示されている。

[当該コースの騎手成績]2013年以降、東京芝2400mで最も多くの勝鞍を挙げているのは戸崎騎手の19勝。2位が蛯名騎手で14勝。蛯名騎手は青葉賞をゴーフォザサミットで勝つなど、今年に入って2勝を加え、単勝回収率163%のハイアベレージを誇る。以下、C.ルメール騎手10勝、内田博、北村宏、吉田豊騎手8勝、田辺、M.デムーロ騎手7勝と続く。

[馬体重]勝ち馬の最高体重は13年メイショウマンボの478キロ。最少体重は16年シンハライトの422キロ。比較的小柄な馬の活躍が多い。
出走機会が少ないとはいえ、480キロを超える馬の好走が少なく、前走が488キロだった2歳女王ラッキーライラックにとってはちょっと気になるデータだ。

[種牡馬]昨年は不発に終わったが、ディープインパクト産駒の成績が非常に良く、2世代目から5年連続で連対馬を送り出していた。
複数の馬券絡みを果たしているのはキングカメハメハ、ゼンノロブロイ、ハーツクライ、マンハッタンカフェ。東京芝2400mと舞台らしく、長い距離で活躍馬を送り出している種牡馬が好成績を残している。

[距離実績]過去10年、1~3着馬は全てマイル以上の距離で勝鞍を挙げていた。勝った最長距離がマイル戦でも完成度の高さでオークスも好走というシーンは過去の歴史からも多い。13年の勝ち馬メイショウマンボ以外は1600mで2勝以上、もしくは1800m以上で勝鞍があった。

データの決断

桜花賞はシンザン記念からぶっつけで臨んだアーモンドアイが2歳女王ラッキーライラックを破って3連勝で桜の女王に。勝ち馬はレアなローテーションだったが、重賞戦線で高いパフォーマンスを見せていた馬が上位を占め、レベルの高さを証明してみせた。桜花賞から距離が800m延びるオークスだが、データからプッシュしたいのは桜花賞2着の2歳女王ラッキーライラック。データ的にはアタマより2着のデータが多く、連軸タイプではあるのだが、過去10年で4勝を挙げているキャリア4戦の馬で、実績面も申し分なし。馬体重が480キロを切ってくるようなら大逆転の可能性も十分あるとみる。